半年間よろしく。

 
昨日は帰宅が遅くなった&偏頭痛で帰宅後即寝。
 
まあ、とりあえず
 
スバルかわいいよスバル。
 
もともとなのはさんの19歳バージョンがわりと平気だった人間なので、
すんなり楽しめました。
 
つーか、二話まだ?(早
 
以下、web拍手レスです。
 
>あ、あの…大変申し上げにくいのですが…SSMによると、二人の結婚は冬となっていまして……
> ああ、でも、話自体は面白かったですよ。こういう雰囲気の話は好物でして。

訂正しておきましたorz指摘ありがとうございます。
 
>くそ、本当に…これだからニュータイプってのはぁ! …どっかにロッティンバウンド、無い
>ですか? byケイン エイプリルフールなクロノが面白かったです〜。sts一話はご覧に
>なられましたか? 半年、とても楽しめそうです。ではでは。

いや、自分まごことなきオールドタイプですよ?
封神のスーパーな宝貝だと重力千倍なアレが一番好きってくらい重力に魂引かれとりますが。
stsは既に4〜5回見返してニヤニヤしておりますw
 
>なのは切ないよぉーw 3期見れないよーw By4の422
ちょっと4の422氏のコメントは後半完全な私信になるので割愛させていただきますー。
で、この場を借りてお礼をば。受け取りました、大事に使わせていただきます。
何を受け取ったかは他の方々には明日の更新ででも。
 
>クロはやかと思いきや、これはいいクロエイだ。しかし、拍手するにはどっかの続きを読まな>きゃならんので、無理かと思いつつも、できればTOPに拍手設置をお願いします。
PC関係に疎いもので、どうやったらトップに貼れるのか未だによくわからんとですよorz
カテゴリーに「web拍手」をつくってそこに放りこむかなぁ。
 
 
はい。んでは喪失辞書第八話更新します。
今回までインターバル。次回から戦闘。あとで今までの分の修正もしときます。
 
↓↓↓↓
 
 
 
 
 
 
「奴の動きは完全にランダム、正に手当たり次第だ」
 
アースラ艦内、会議室。
 
「目的はおそらく二つ、魔導書の完全な復活のための魔力収集、そして……夜天の王の命」
 
一同の見つめるモニターにはいくつもの光点と、その辿っていった軌跡とが
表示され、無数の予測される次なるポイントが示されていく。
 
気が差したのか、遠まわしな言い方に言葉を濁したクロノに、はやてが苦笑を見せていた。
 
「とはいえ、相手は一人。決まった時間で可能な行動範囲には限界があるはず」
 
更にそれらポイントの周囲に、赤い円状の領域が示される。
そこが、予測される行動可能半径ということだ。
 
「よって、この位置。ここからならばどの場所に奴が現れようと、撤退するまでにこちらも現場に到着できるはずだ」
 
最後にアースラを示す点が表示され、クロノは言葉を締めくくった。
 
「現場の指揮はなのは、きみに。主力としてヴィータを。相手が相手だ、くれぐれも油断するな」
 
 
魔法少女リリカルなのは 〜the lost encyclopedia〜
 
第八話 ストライカーズ・マインド
 
 
はやては、自身に割り振られた船室を留守にしていた。
半ば警護のためのカモフラージュであるとはいえ、形式上は任務へと組み込まれているのだ。
ブリーフィングなどには当然のごとく出席が求められる。
 
だから、リインは今ひとりで部屋にいる。
ベッドの上で膝を抱えて、夢と現実、自分の前にあるそれら気を引かれざるを得ないものへと、
じっと思考を傾けていた。
 
こんなことになったのは、自分のミスなのだ。
 
「はやてちゃんを守れって……このことだったですか?」
 
自分が、止められなかった。
主の魔力を奪われたがために現れた敵。
 
殆ど通り魔的な犯行の犠牲者達の唯一の共通点は、平均以上の魔力を持ちなお、その大半が近代・古代に関わらずベルカ式の術者であるということ。
純粋なミッド式の魔導師はなし崩し的に戦闘に入らざるを得なかったフェイトを含め、ごくわずかに過ぎない。
 
夜天の主が、その目的。
シグナムに騎士が語ったとおり、狙われているのはやはりはやてなのだ。
 
「リインは……はやてちゃんを守れるでしょうか……?」
 
シグナムやフェイトさえもを打ち破った相手から、主を守りきる。
それは言うのは簡単であっても、相当に困難なはずだ。
 
果たして自分にそれだけの力があるだろうか。
未熟であるということを嫌というほど自覚する少女は、その自信を持つことができない。
 
「!!」
 
だが、彼女の自信も不安も関係なしに、その時はやってくる。
鳴り響く警報が、敵を捕捉したということをデバイスの化身少女に伝える。
 
──行かなくては。
 
たとえ、前線に出ることはなくとも。守りきる自信がなくとも。
自分は主の下にいなければならない。
 
少女は舞い踊るようにふわりと、浮き上がる。
 
八神はやてを守る、それこそが自分のやるべきことなのだから。
 
*   *   *
 
出撃は近い。
待機場の簡素なデスクに置かれた装備を確認しつつ、なのははバリアジャケットの右の黒グローブにできた皺を、手首の方向に引っ張って伸ばしていく。
 
待機状態のレイジングハートの整備は万全。
携行するマガジンは予備に四つ、カートリッジ二十四発。
 
なにしろ相手は、シグナムとフェイトのコンビを以ってしても止められなかった実力の持ち主だ。
こちらも完全な状態で、全力を出し切らなければ身柄を確保することは困難だろう。
 
「……あー、えと、だな」
「?」
 
隣から聞こえてきた声に、なのはは考え事と作業を行う手を止めて顔を上げた。
 
「なにか言った?ヴィータちゃん」
 
彼女の隣で同じく出撃の刻を待つ三つ編みお下げの少女もまた騎士甲冑への換装を終え、こちらは既に起動状態の愛機・グラーフアイゼンを肩に乗せて椅子の上で両足を揺らしている。
 
「……いや。あの、さ」
 
手持ち無沙汰な様子の彼女はなにやら言い淀んで、とんとん、と肩の上で鉄槌の柄を鳴らす。
なのはの向けた目線にも気まずそうに目を逸らして、口に出そうとしている言葉を逡巡しているようだった。
 
手にとったマガジンを置いて、なのははヴィータの口が再び開かれるのを待つ。
 
「左手」
「え?」
「左手……ほんとに平気なのか、って。ここんとこ、ずっと気にしてたみたいだし」
 
おおよそ心配事を口にするような言い方ではない、ぶっきらぼうな口調で視線を落とし、彼女は呟いた。
 
「べ、別に心配とかじゃないけどよ。無理して倒れられたり、足手まといになられちゃ迷惑だし!!」
 
それは自分の心配を悟られまいと、下手糞ながら精一杯行う気持ちの隠蔽。
突き放すようなつっけんどんな言い方の中にも、彼女の本心が見え隠れしていた。
 
「あたし一人で行って、ちょちょいって済ませてくればいいかなって……」
「大丈夫だよ」
「わっ!?」
 
そんなひた隠しにされた彼女の気持ちだけで、なのはは十分だと思う。
 
「二人で、フェイトちゃんやシグナムさんたちのぶんまで頑張ろう?」
 
フェイトやシグナムが重傷を負って。
ヴィータも不安なのだ。
二年前のあの事故の現場に、ともにいた彼女だからこそ。
先の戦闘で傷ついた二人に続き、なのはが重篤な負傷を負ってしまうのではないかと。
なのはの身を案じ、不器用ながら心配を示してくれている。
 
「このくらい、なんでもないから。ヴィータちゃんと一緒なら……きっと大丈夫」
 
だから、彼女の不安ごと包み込むように抱きしめてやる。
出来得る限りの感謝の意を、その腕に込めて。
 
普段なら暴れて嫌がるはずの彼女は、押し黙ったまま抗うことをしなかった。
二人の鼓動が重なっていくのがわかる。
 
心配しないで、とは言えないけれど。
これでこの子の心の波が少しでも穏やかになってくれればいいと思う。
 
「ほんとに……大丈夫なんだな」
 
彼女の頭上で、なのははしっかりと頷く。
 
まだ、違和感が左腕からは完全に消え去ったわけではない。
しかし今、この仕事が任されているのは自分たち二人なのだ。
 
なのはは二人でならやれると、信じている。
フェイトやシグナムの抜けた穴を、埋められると。
 
(大丈夫……やれる、きっと……)
 
なにより、この左腕の違和感から逃げていても始まらない。
 
無論、なのは自身とて、不安がまったくないわけではないが。
万全とは呼べないこの状態で果たして、どれほどまでやれるかもわからないのだから。
心配するべきことは尽きないというべきだろう。
 
しかし原因もわからない、どうしてそういう感覚を覚えるのかもわからない代物であっても、自分の身体のことなのだ。
これが一過性のものであれ、慢性的に続くものであれ、向き合っていかなければ。
少なくとも逃げたり、目を背けたりしたところで何も変わらないのだ。
 
身体の前面に受けるヴィータの体温に誓うように、なのはは己に言い聞かせる。
 
待機場の電子音が鳴ると同時に、オペレーターのルキノのアナウンスが室内に響く。
 
『高町空尉、ヴィータ曹長。出撃願います』
 
*   *   *
 
騎士としての勘が、危険を告げていた。
 
「……?」
 
打ち倒し、己が仕える魔導書の糧とした魔導師が横たわる中、
広がる夕空を女は見上げる。
 
かなりの手練が、くる。
 
「距離的に……離脱は不可能、か」
 
おそらくは既に、転移を阻害する結界が付近一帯には張り巡らされているはず。
範囲外に逃れようにも、それより先に追いつくことのできる位置に相手は配置されるだろう。
 
そしてそれは、かなり近い。
シグナムと同程度の力はあると考えるべき反応が二つ。
実戦の中で培われたセンサーとも呼べる彼女の感覚は、それらを明確に捉える。
 
「ま、丁度つまんない相手ばっかだったし」
 
女騎士は動じない。
むしろ、弱いもの苛めにならなくてせいせいする。
そんな余裕すら湛えて、女は敵の来訪を待つ。
 
女は騎士。
己の腕と剣に、絶対の自信と信頼を持つが故に。
退くということなど、もとより思考の範囲外。
 
敵の来襲を、彼女は待った。
 
*   *   *
 
「──さて、と」
 
モニター上の大きな光点──アースラから、なのはとヴィータを表す小さな二つの光点が出撃し、遠ざかっていく。
 
表示される距離にして数百メートルは離れた頃に、ヴェロッサが椅子から腰を上げた。
 
「れ?ロッサ、どこいくん?」
 
彼は一応、この任務の統括指揮を行う指揮官の片割れである。
もう一人の責任者であるクロノにアースラそのものを指揮する役目がある以上、彼がトップと言っていい。
 
そのヴェロッサが今にも任務がはじまろうかというこのときになって席を外そうとしている。
違和感や疑問を感じないほうがおかしいというものだろう。
エイミィの補助として通信席のサブシートに身を預けていたはやても彼の行動に気付き、呼び止める。
専門職のオペレーターのようにはいかないが、リインの処理速度のおかげで情報整理の手伝いくらいならできる。
いくら保護下に置くためにここに呼ばれたとはいえ、艦でひとりなにもしないというのも居心地が悪い。
 
踵を返しかけた足を止めて、長髪の青年は肩を竦めて答えた。
 
「報告と、事務折衝。本局のほうに呼び出されて、責任者が直接来い、とさ」
 
まったく馬鹿馬鹿しい話だが、と彼は鼻で嗤った。
 
「こんな、任務の真っ最中……それも実戦に入ろうかって時にか?」
「ああ。どうも上の方々は縄張りの線引きを乱されたことに酷くご立腹らしくてね」
「……アホらしいことにこだわっとるんやなぁ……」
 
実際に任務に臨むほうは、それどころではないというのに。
縄張りに拘って被害や犠牲が拡大しては、元も子もないではないか。
 
現に今も限られた戦力で結界の布陣を敷き、エース二人による作戦を開始したばかりだというのに。
相手の実力を鑑み確実を期するならば、せめてもう一人か二人、なのはやヴィータと同程度の戦力が欲しいところではある。
 
「まったくだ。未だに先日の件でヴィータとなのはくんを無断で借りたことをつついてくる連中もいるし、もう少し大らかになってもいいと思うんだが」
 
もっともはやてとて、その縄張り意識の比較的強い部類に属する陸戦部隊に仮の身分とはいえ、ひとまずの籍を置く身である。
あまり身内(?)のことを悪く言うことも気が咎めるが、それでももう少しどうにかならないかというヴェロッサの意見には賛成だった。

「なんや、面倒なことしとらんと、みんなが捜査に集中できればええねんけどなぁ」
「そんな環境があれば、願ったりかなったりなんだけどね。ま、今のところは無いものねだりってとこさ」
 
これでもリンディ提督やレティ提督たちが庇ってくれているんだし。
 
彼の言い方は、裏を返せば十把一絡げ、そうでない人間たちのほうが多いということだ。
困ったことであると同時に、改善すべき組織の悪習だ。
肥大化した組織というものは、既得の権益に対して狭量になりすぎる。
幸いにして時空管理局に勤めていて、そこまで極端な例と呼べるものを見る機会は今までなかったが。
 
「ま、組織を変えるにはそれ相応の地位が必要になってくるんだけどね。得てしてそういう人間は自分の保身と益にこだわるもんさ」
「ふうん……」
「あ、はやてちゃん。武装隊展開位置の気象データを」
「え、ああ、すいません」
 
エイミィにはやてが呼ばれたことで、ヴェロッサは扉の向こうへと消えていった。
 
(上……か)
 
リインの選び出したデータをエイミィの手元にあるパネルへと送信しながら、はやてはおぼろげに思う。
 
みんなが、するべきことのためにひとつになって向かっていける、そんな場所。
それは遅かれ早かれ、きっといつか必要となる日がくるのではないだろうか。
組織がそれぞればらばらに、別の方向を向いていては対処できないような、重要かつ深刻な出来事が。
 
それが必要とされる時、自分になにができるだろう。
 
「はやてちゃん?どうしたですか?」
「ああ、うん。なんでもあらへんよ」
 
ケーブルの束を抱えたリインがコンソールの上を行ったりきたりする動きの途中で、首を傾げてこちらを見上げていた。
 
「艦長、なのはちゃんとヴィータちゃん、間もなく目標と接触します」
「わかった。状況モニター、忘れるな」
 
いけない、いけない。
 
今は自分は、守られているのだ。
余計なことを、未来のことを考えている暇があるのなら、その守られている内にも自分のできることを優先するべきだろう。
 
守られるだけだった昔とはもう、違うのだから。
はやての目もまた、ブリッジの面々の視線が注がれるモニターへと移り、そこを高速で移動する友と家族の、二つの光点を追った。

(つづく)
 
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