以下ネタばれにつき反転。

 
まあ概ねまとめてくれたかな、と思ったわけですが。
気になった箇所が一点。
あそこでシャーリーに説明させたことにどうにも違和感。
だって彼女、事故当時はなのは達と知り合ってすらいなかったわけじゃないですか。
できるならはやて、まあ指揮で無理ならシャマルシグナムだけでよかった気がするのですよ、あそこは。
 
ネタばれ終わり。
 
以下、Web拍手レスです。
 
>予告編でカブってセリフが出てきて、思いっきり吹いたので八神家どうでしょうに一票www
>どうでしょうって気がついた時点から、脳内で「ギャオス逃げ去る」が流れてましたww

たどり着けなかった場合は聖王教会九十九ヶ所めぐりでもしてもらいますかねえ。
 
>なんだと!ヴィータ、侮るなよ!StS7〜9話の展開のおかげでティア人気は鰻上りだぜ!ひょっとしたら選ばれるかもしれないじゃないか!…あ、俺はエリキャロに一票で。(←酷ぇ!) …いえ、実際ティアナ好きなんですが…他のがそれを上回ってしまって…ティアナゴメン。(土下座)
それもまたジャスティス。エリキャロで把握。
 
 
と、いうわけで仮予告編、エリキャロ編でございますー。
 
 
(仮予告編・その3)
  
「はーい、いよいよ仮予告編三連発もラストです♪」
 
それはもう、ずずいっと。
カメラを両手で引き寄せてどアップにしながら、はやてが言った。
 
「ねえ、はやてちゃん?」
「ん?」
 
なのはに声をかけられ、はやては自分のほうに向けさせていたカメラを撮影役のヴァイスに返し、
彼女の指し示したほうを振り向く。
 
そこには約一名、膝を抱えた金髪の方がいらっしゃいまして。
 
「……どうせ……どうせ私なんか……」
 
これでもかとやさぐれた様子で、ぶつぶつとなにやら呟いている。
 
「なんでフェイトちゃん、あんなにやさぐれちゃってるの?」
「……大方、キャロとエリオの話ってことで独り身の自分にショック受けとるんやろ」
 
なにしろ、二人に対して保護者でありながら先を越されたわけだから。
いや、まあ実際その仲がどうなるかは二人次第であってまだわからないのだけれど。
本編でももう半ば公認カップルになりつつあるしなぁ、あの二人。
 
「笑って……笑ってよ……」
「なんでフェイトちゃん、ほのかに矢車さん口調なの?どっちかというとライダーネタはケインさんの持ちネタだよね?」
「……大方作者が、前回の電王でも見とったんやろ」
 
はやてさん、大正解。
いや、面白いよね電王。
 
※正確には電王+終了後のDVD宣伝です
 
「ま、あれはそのうちなんとかなるやろーし。ほっといてVTRいこか」
「……いいのかなぁ」
 
*   *   *
 
時空管理局の局員達は、基本的に多忙である。
その過密的なスケジュールは、どこも程度の差はあれハードそのものだし、
前線や実地調査に赴く機動課の部隊ともなればなおさらだ。
 
故に、休暇は貴重。
配慮はなされているものの、どうしても慢性的に疲労に悩まされる人間というものはでてくるわけだ。
 
特にそれらは、未だ肉体・魔力ともに発展途上の年少の局員たちに多い。
そういった成長途上の局員たちには通常の休暇だけではなく現場の裁量により特別に休暇が与えられることもある。
 
「休暇?ですか?」
「うん、高町教官と協議した結果……ね?キャロも、エリオも。疲れがたまってるでしょ?」
 
機動六課も、その御多分に漏れず。
 
「名目上は以前封印したロストロギアの残滓の、影響の調査。……そうしとかないと口うるさい小姑が約一名いるからね」
「聞こえてるぞ、隊長」
 
幼い二人は与えられた休息の日を過ごすべく、生活の場たる部隊をあとにする。
 
目指す場所は敬愛する恩師たちの、その家族が暮らす場所。
上司たちの生まれ育った、遠く離れた世界。その名も第九十七管理外世界・地球。
 
久方ぶり……というほどではないにしろ、少年と少女はかつて訪れ過ごした場所に、再度足を踏み入れる。
戦闘者、魔導師としてではなく、ともに十歳の子供として。
 
だが、しかし。
 
『ごめん、なるべく早く戻るから』
 
馴染みのある顔との再会は、けっして長くは続かず。
かの地で二人に課せられた使命は、はじめてのことばかりの仕事だった。
 
「わ、キャロ!!火!!火が!!」
「え!?ああっ!!」
 
彼らが二人ならば、残されていった火種も二人。
助ける者もなく、幼子たちとの比較論での年長者でしかない二人は、大いにその手に彼らを持て余し。
 
「た、頼むからおとなしく……」
 
優秀な魔導師であり騎士である彼らは日常に教導官の課す厳しい訓練以上に困難な状況へと直面する。
 
「え、エリオくん、背中、背中!!」
「いっ!?」
 
海鳴は、戦場だった。
どんな厳しく苦しい前線よりも遥かに大変な、子守という名の最前線。
 
孤立無援のその戦場が二人を待ちうけ、そして苦しめる。
 
家主も、母親も。
使い魔もおらぬ状況で頼ることができるのは、互いの持つその知識、そして能力のみだった。
 
「どうしよう……」
 
少年少女はそのとき、父母となる。
本当の父と母が帰ってくるまでの、限られた時の中で。
 
彼らは子供たちと共に笑い、共に困り、時には共に絶望し。
 
幼子たちのため十歳の二人は力を合わせ、困難に立ち向かう。
 
 
“十歳のパパとママ〜とある休日の記録〜”
 
*   *   *
 
「はーい、予告は以上です。いかがだったでしょうか?」
 
相変わらず隅のほうでやさぐれているフェイトのことは無視し、営業用スマイルをカメラへと向けるはやて。
 
「いいの?無視して」
「なのはちゃんも心配性やなぁ。へーきやって」
 
さすが十年来のつきあいというか、なんというか。
扱いがこなれている……というよりもぞんざいと言うべきか。
 
「ま、それは置いといて」
「置いとくの?」
「さてさて、これで仮予告編みっつが出揃ったわけですが」
 
あ、華麗にスルーした。
そんな声が隣から聞こえてくるも、気にしない。
なんてったってこちらは、部隊長ですから。幼馴染でもあまり大きなことは言えない。
 
権限をしっかり利用させてもらう。
 
「遅筆の作者が『nocturne』を書き終えるまでがアンケート期間ということで」
「……あとニ〜三週間くらい?」
 
なのはも、もうつっこむのを諦めたようである。
 
実に賢明な判断……なのだろうか?
 
「ま、そんくらいやろな。てなわけで」
「ご意見感想、待ってまーす」
 
 
(仮予告編その3・おわり)
 
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