まあ、ネタばれになるので。

 
感想は明日の夜。
 
以下、Web拍手レスです。
 
>7/13の日記にある「あのスレ」ってなんですか?皆目見当が付かないのですが……
→のリンクに保管庫がある、「あのスレ」のことです。
ただ18歳未満の方は閲覧できない(というかしないでね)内容なのでご注意をー。
 
>最後に萌えた
さあキャロにおいしいものつくらせようかしら、インリンなみの爆弾作らせようかしら。
本筋にあんまし関係ないことだからまだ決めてないのよね、ウフフ。
 
>十歳のパパとママは相変わらず良い感じですね。サウンドステージ02がどう来るかも期待半分不安半分ですが、頑張ってください。
とりあえずサウンドステージはいい仕事でした。はい。
 
>何かキャロに(・∀・)ニヤニヤしちゃいましたよ!
数時間後そこにはクスハ汁を手にしたキャロの姿が!!
 
>ユーノ×なのは物おねがいしますww
当面はnocturneのアフターの中でちまちまとやってく予定です。
 
>うおぉぉぉッ!10歳のパパとママ二話キターッ!?相も変わらず本編を巧みに織り込みつつ(エリキャロが海鳴に行く理由とか)話が展開するなぁ!クロノの扱いに涙しつつ、それを華麗にスルーするフェイトママの過保護っぷりに大笑い。エリキャロは大変な状況ですが、次回は幼妻(幼過ぎとか言うツッコミ禁止)の手料理大公開ッ!?期待してますッ!…でもその料理ニンジンは入って無いな100%。(爆笑) 本編は相当ヤバいことになってますが、二次創作では平和な二人を…
とりあえずクロノの扱いに関してはあんなもんでいいとオフィシャルのマンガ描いてる長谷川先生がパロメディアでやっちゃってくれたのでww
 
 
んで、nocturneアフター第三回目です。
でわ、どうぞ。うちの設定でミッドの飲酒合法年齢が18歳以上なだけで、未成年は実際は酒飲んじゃだめだぞう。
 
↓↓↓↓
 
 
 
 
「っあー……なんや、飲み足りひんなぁ」
 
フェイトが一杯目のグラスを空ける頃には、はやては既に四杯目に突入していた。
ボトルの中身の残りも少ない。アルコールに、ほんのりと上気した頬が赤く染まっている。
  
はやてはさして酒に強いほうではないものの、ピッチそのものは早い。
この点、彼女とフェイトは正反対の体質だ。
ぐいぐいいくことのできるはやてに対し、フェイトのほうはといえば酒はちびちびと嗜む程度。
あまり酔わない割に自分から飲むということもないし、付き合いや外食で時折口にする程度である。
 
「フェイトちゃーん、河岸替えて、がっつり飲まへんかぁ?部隊長のお給料でおごったるよー」
「……酔ってるね、はやて」
「酔ってへん、酔ってへん。ええ気分になっとるだけやー」
「ダメだよ。明日も仕事でしょ。それに二人とも飲んでるから出かけようにも運転できないし」
「ヘリつかえばひとっとびやんかー……」
 
おいおい、大丈夫か。そんな私用にヘリを出させるなんて、できるわけないだろうに。
心配するフェイトを他所に、はやては五杯目のワインを注ぐ。
 
そろそろ止めて、部屋に返したほうがいいかもしれない。
 
「──お?」
「はい?」
 
フェイトがそう思い始めたとき、部屋のドアが叩かれた。
インターホンではなく、乱暴かつ不規則に、三回。
誰だ誰だ、こんな時に。
 
怪訝に思っているうちにこちらが返事する間もなく、断りもなしに扉が開かれる。
 
「はあーい、シャマル先生ですよおー☆」
「いっ!?」
 
浮かせかけていた腰が、思わずそのままの姿勢でとまった。
ふらつく千鳥足で入ってきたのはひどく乱れた制服姿のシャマル
そしてすごすごと申し訳なさそうな顔で後ろについてくる、シグナムの二人で。
足元にはずっしりと重そうな、製品名とメーカーの名前がプリントされた缶ビールのダンボールが二段に積まれている。
 
「はーやてちゃんいないから、探したわよぉー……ヒック」
 
すれ違いざまに、ぷんとアルコールの匂いが鼻をついた。呂律も微妙に回っていない。
これは……完全に、酔っている。
 
テスタロッサ
「し、シグナム?えーと、これは?飲んでたんですか?」
 
額を押さえたシグナムに肩を叩かれ、ようやくフェイトの硬直は解けた。
二人のやりとりを尻目に、彼女を唖然とさせた張本人であるシャマルはといえばなにやら妙な格好で、席上のはやてへとしな垂れかかっている。
 
これが一体どういう状況かは、少々説明してもらわないと把握できそうになかった。
 
「……すまんな。控えるようには言っていたんだが」
 
そして、よくよく注意してみれば彼女の顔もうっすらと赤みを帯びていて。
ぼやく口元からもほんのり、甘いアルコールの臭気が漂っていた。
 
ああ、あなたも飲んでますね。
苦労性の剣の騎士は面目なさそうに、少し恥ずかしそうに、小さく頷いた。
 
 
魔法少女リリカルなのはstrikers −nocturne−
  
after.2 烈火という名の増援
 
 
−九年前−
 
──本当に自分は、ついてきて良かったのだろうか。
 
そりゃあ、家でヒマを持て余しているよりは有意義だろうし、今日は講師として行っている道場も休みだ。
だから、今日の二人の誘いを受けたのだが。
 
非常に今、身の置き場のなさを感じている状況である。
 
(確かに二人の仲が良いのはいいことだが……)
 
もう少しこの二人、恭也と忍──特に忍なのだが──は、連れのことや周囲に気を配ったほうがいいのではないだろうか。
人目も憚らずに、いちゃいちゃしすぎだ。見ているこっちが恥ずかしい。
周りから自分がこんな二人の連れと見られていると思うと正直情けなくなってくるほどだ。
 
……と、若干温くなったコーヒーを飲み干しながらシグナムは、自分をこの場に連れてきたバカップルに対して思っていた。
 
何度か道場で手合わせした眼光鋭い青年と目の前で恋人といちゃつく青年とが、とても同一人物とは思えない。
魔力なしの純粋な剣技だけとはいえ自分とほぼ互角の勝負を演じて見せた男は一体、どこの地平線の彼方にいってしまったのやら。
今の彼相手なら軽く一本とれるのではないか?とすら思えてしまう。
 
(やれやれ……。ん?あの金髪は……)
 
そんな、二人のあまりのラブラブっぷりに辟易しつつあった彼女であったから、意識は彼らよりも他の方に向いていた。
ふとした一瞬、よく知っている髪形の人物が通ったような気がしたのである。
コーヒーをすすりつつ横目で追ってみるが、その姿は既に見失っていた。
 
(……気のせい、か?テスタロッサがいたような……)
 
まぁ、休日だしそういうこともあるだろう。丁度買い物客の一番多い時間帯なのだし。
 
あの一家は皆忙しいし、たまの休みに家族揃って買い物でもしにきたのであろう。
彼女が一人でここまで買い物にくるとは思えないが、姿を見るというのも十分にあり得る話だ。
シグナムはそう納得し、二人のほうへと向き直ろうとした。
 
したのだが。
 
「ぶふっ!?」
 
次の瞬間、コーヒーを吹いた。
 
砂糖とミルクがたっぷりの茶色の液体を、それはもう盛大に。
実を言うと意外に甘党だったりするシグナムなのである。
まあ、それはどうでもいいとして。
 
(今のは、まさか)
 
なんだろう。
なんか今、すごく間近で感じたことのある魔力の波動がおもいっきり魔法を発動させながら通り過ぎていったんですが。
具体的に言えば知人の高町なのはとか同僚の高町なのはとか主の友人の高町なのはとかの。
 
「うわ、大丈夫かシグナム」
「あ、ああ。なんでもない。ちょっと気管に入っただけだ」
 
流石にいちゃつくのを止め気遣ってくる二人を手を上げて制し、飛んだコーヒーをおしぼりで拭き取る。
服に付いていないのが幸いだった。染みになっていたらまたシャマルに、また汚したとこっぴどく叱られるところだった。
小言が数時間にも渡るあれは本当に情けなくて首を吊りたくなってくるから勘弁してほしい。
というか今自分がコーヒー吹いたのは君の妹のせいですよ恭也君。
 
……にしてもこんな街中で魔法を使うなんて一体何をやっているのだ、あの子は。
 
(やれやれ、世話のやける)
 
「済まない、ちょっとトイレに」
「ああ」
「はーい」
 
一応釘を刺しておかねばと立ち上がるシグナム。この空気にいささかげんなりしていたし、丁度いい。
そう、このときはまだ彼女は、魔力を感じる先に居るのは「なのは一人」だけだと思っていた。
感じた魔力が彼女ひとりのものだったのだから、ある意味当然。深く考えもせずそう思い込んでいた。
 
*   *   *
 
まったく困ったことをする子だと、思った。
真面目なあの子にしてはちょっと意外ではあるが、きちんと言うべきことは言って、年長者として叱ってやらねば。
魔力の残滓を頼りになのはの姿を探すうちシグナムは、そう思っていた。
 
が、そのような考えは甘かった。ヴィータの大好きなアイスよりも甘かった。
事態は騎士の予想していたものよりも、遥か斜め上を行っていて。
 
「……何をやっているんですか、主はやて……と友人一同」
「え?あ!?ええ、シグナムさん!?魔法使ってるのに、なんで!?」
 
一人では済まない数の人間が、彼女の眼前にはいた。
首謀者たる彼女の主も当然その中に混じっていて、背後からかけられた声に一同同様、大いに慌てていた。
 
また、動揺する少女達の中でも特に認識阻害の魔法を使用していた本人であるなのはは、半ばパニックである。
 
「……落ち着け、なのは。私は長年の戦闘経験で不意討ちに慣れすぎてしまっていてな、この手の魔法は肌でわかってしまうんだ」
 
そのせいでヴィータシャマルからは奇人変人扱いされるのだけれど。
守護騎士として戦ってきた時間は変わらないのだからできない彼女達の鍛錬が足りないのだと思うのだが、その至極当然だと思う意見を言っても真面目に聞いてもらった試しはない。
ちなみにザフィーラも同じことはできるが、そこはまぁ犬だし。
 
説明して、まずはなのはを落ち着かせる。
 
無論説明する側のシグナムもはやての姿を改めて確認し、顔をひきつらせながら額を押さえている。
うちの主は一体、何をやっているのだ。
 
「は、はぁ。なるほど」
「して?主はやてと一同はこんなところで何をやっているのです、こそこそと」
 
こめかみを震わせながら尋ねるシグナム。落ち着け自分、平常心、平常心。
街中のこんな人通りの多い中で魔法を使うという明らかな管理局法違反の行為に自分の主が加担していたとはいえ、ここは冷静に。
 
「ああ、それはなー……」
 
ちら、とはやてが視線を送った先を見ると、やはり先ほど見た気がしていた少女の姿があった。
 
金髪の、ツインテール
薄手のブラウスにデニムのミニスカートという組み合わせは見たことがないものだったが、
それは間違いなく好敵手にして善き友たる、高速戦闘魔導師の日常の風景。
 
「ああ、やっぱり来ていたのか。……ん?隣に居るのは……」
 
更に、その隣にシグナムの目が移る。
彼女の連れとして歩いているもう一人の人物も、よく見知った顔、見知った外見をしていて。
 
──あの栗毛は、ユーノ・スクライアじゃないか。
 
この二人の組み合わせとは珍しい、とシグナムは素直に思った。
 
どうやら家族で来ていたわけではなかったようである。
何やら二人、一緒になってアクセサリー等を物色してまわっている。
と、ここまで見れば流石にシグナムとて状況を把握できないわけではない。
 
「なるほど、そういうことですか」
 
大体、状況は掴めた。非常に遺憾なことに。掴みたくはなかったさ、そりゃあ。
要するに、彼女たちがやっているのは──……。
 
「尾行とは、あまり感心しませんが」
「「う」」
 
言葉に詰まるアリサとはやてとは対照的に。
後ろの二人は心底ほっとしたような表情を浮かべている。
どうもうちの主達が無理矢理ひっぱってきたようだ。心の中でシグナムは、心底二人に詫びる。
 
(……無用な魔力まで使わせてしまって、申し訳ない)
 
なんと情けないことか。
仮にも夜天の王ともあろう者が友人たちを引き連れて出歯亀行為に及ぶとは。
帰ったらしっかり、説教しておかなくてはなるまい。
シャマルと──いや、ダメだ。シャマルは面白がるだろうから、自分ひとりで。
 
「わかったわかった、もう尾行はせえへん」
「そう言って頂けて、何よりです」
「ほんのちょこっと、離れたところから見守るだけや」
「はい。……はい?」
 
あまりに自然に言うものだから、うっかり聞き流しかけていた。
今、なんとおっしゃいましたか?それはあまり変ってませんよ?むしろそれって言い換えただけでは?
戸惑いは会話力を鈍らせる。そして口では、主たる関西弁の少女に敵うわけもなく。
 
「やから、なんかあっても手はださへん。見てるだけや」
「いや、そういう問題では」
 
それでも必死に自分の意見を続けようとした。続けたかったのだが。続けさせて下さい我が主。
残念、却下。
 
「あ、なんやったらシグナムも一緒におったらええ。気配絶てるいうとったよな?」
「え、ええまあ……じゃなくて、主」
 
しかし結局流されてしまうシグナムなわけで。そこのところを主はよくわかっている。
会話のこずるさにおける圧倒的な実力差の壁というものが、二人の間に横たわっているということを。
 
「なら丁度ええな。近づきすぎるとうちらじゃ魔法そのものの魔力で気付かれてまうし。なのはちゃん、もう一人くらいいけるやろ?うん、決まりや」
「え、ああ、うん、いけるけど……」
 
近づきすぎると、ってことは手を出す気まんまんなのでは?
ぎこちなく頷いた彼女は、明らかに目でそう言っていた。恐らくなのはの疑問は、正しい。
 
というわけで、だ。
 
「いやあの」
「ほな、追いかけるで」
 
いつのまにか、何故だかどうしてなのかわからないまま、シグナムも一行に加えられていた。
 
「あれ?」
「はよしーやー」
 
もはや、問答無用。
とっととついてこい。
そこに、シグナムの意志が反映される余地は残されてはいなかった。
 
「……あれ?」
「シグナムさんの……」
「……役立たず」
 
それでいいのかベルカの将。なのはとすずかの視線が、痛かった。
毒のこもった台詞が、ぐさりと突き刺さった。
 
「……すまん」
 
*   *   *
 
随分と人の部屋で、愉快そうなものだ。
賑やかな馬鹿笑いの二重奏を酔っ払い二人が演じている様を、ライトニングの隊長二人は半ば諦めモードでただ眺めていた。
 
はやてもシャマルも、完全に出来上がってしまっている。
これを止めるのは、至難の業だろう。
 
「明日は非番だというから、それならと付き合っていたんだが……」
「羽目を外し過ぎちゃったわけですね?」
「……すまん。気をつけているつもりではいたんだが」
 
ビールの缶が次々とあけられていく様子は、もはや見ていて逆に清々しい。
明日の朝には飲んだくれた結果として酷い惨状が二人には待ち受けているであろうことが、容易に想像できる。
 
「それにしてもシグナムって、意外にストッパーになりませんよね」
「なっ!?し、失礼な……ことを言うな。私が頼りにならないとでもいうのか!?」
「いえ。ただ結構、巻き込まれ型なんだなー、って」
 
要するに彼女本人が言ったように、戦闘ではともかくこういうことに関して言えば頼りにならないということなのだが。
あまりストレートに言い過ぎるというのも悪いので、オブラートに包んでおく。
 
「だ、大体お前も主はやても、一体どういった風の吹き回しで飲酒などしていたんだ。普段全然飲まないくせに」
「あー、それはですね。……あ、そっか。あのときはシグナムもいたんですね、そういえば」
「?」
「少し、昔の話をしてたんです。ほら、こんな風にちょっと大騒ぎになった。九年前の一件ですよ」
「九年前?」
 
しばらく、シグナムは考える顔になった。
そしてしばらくして、合点が行ったのだろう。
ああ、と小さく呟いて、手を打った。
 
「あれか」
「はい、あれです」
 
彼女も、記憶力はいいほうである。仔細を自分以上に細かく覚えている可能性だってあるのだ。
シグナムの顔に意地悪な笑みが浮かんだことで、ようやくフェイトは自分が地雷を踏んでしまったということに気がついた。
 
*   *   *
 
──で。
 
背後でダメ守護騎士と少女たちとのひと悶着が起きているとも知らず、肝心のフェイト達のほうはというと。
 
「と、予算とか考えると……こんなのどう?」
「うーん……」 
 
ユーノが手に取ったものはフェイト個人の好みでいえば全然それで構わないものであったし、
値段も十分彼女のお小遣いでも手の届くものであったのだけれど。
 
「これも、なんだか」
「そっか……」
「ごめんね、ユーノ。忙しい中付き合ってもらってるのに」
「いや、いいよ。よりいいものを選びたいって気持ちはわかるし」
 
なんだか、ぴんとこない。これだ、というものとは違うような気がした。
「彼」が身に着けるものとして考えると、違和感があるように。
けれどフェイトが購入に乗り気でないのは、実を言うとただそれだけではない。
 
ユーノが選び、フェイトが首を横に振る。
そんなやりとりを先ほどから数度ほど繰り返しつつ。売り場を二人は転々としていた。
 
「もうちょっと見て回ろうか。もっといいものがあるかもしれないし」
「……うん」
「?……どうかした?疲れたなら、どこかで」
「あ、いや。そういうわけじゃないよ。大丈夫だから」
「ほんとに?」
「うん、ちょっと。なかなかみつからないんだなって思っただけ」
 
本当は、それだけじゃないけれど。やっぱり本心を隠し、その時フェイトはほんの少し嘘をついた。
 
その嘘は彼が気付かないような、気付く必要もないような些細なもの。
 
「ならいいけど。フェイトだって忙しかったんでしょ?疲れてたら言わないとだめだよ」
「うん、ありがとう」
 
──そして、ごめんね。心中には感謝の次に、謝罪の言葉が浮かぶ。
 
私はひょっとしてユーノに、凄く酷いことをしているのかもしれない。
もっと、はやく気付くべきだった。
そう思うと心配してくれるユーノの言葉に、心が少し苦しくなる。
後悔と自責の念が、次から次に湧き上がってくる。
 
「フェイト?……ほんとに、大丈夫?」
「あ……ご、ごめん。本当に大丈夫だから」
 
再び、思案の中に埋もれそうになっていたフェイトの思考を、ユーノがもう一度引き上げてくれた。
以前より背の伸びた彼は、少し身をかがめるようにしてフェイトの顔を覗き込み、ただ純粋に彼女のことを考えてくれていた。
だからこそ心の痛みはより一層強くなっていく。自分の無神経さが、あまりにも忌まわしい。
 
「ほら、次にいってみようよ。ね?」
 
自分と同じであった彼への、自分の裏切りが辛かった。
彼を残して自分だけが得たもの。その差が生まれたことに今更気付いた自分が、情けない。
 
ユーノ一人を置いていって、ごめんなさい。私だけが変ってしまって、ごめんなさい。
手前勝手な自己満足の懺悔だということはわかっていても、フェイトは再びユーノに心中で謝らずにはおれなかった。
それだけがフェイトがその段階で彼に出来る、精一杯のことだった。
 
(つづく)
 
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よかったら押してやってもらえれば。狂ったように喜ぶかも。つWeb拍手