MG化おめでとう。

 
よかったね、きみは神(負債)には愛されてなくともバンダイには愛されてるよ。
頑張れ主役機。MGは場所とるから多分買わないけど!!(ぉ
 
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なのは×ユーノステーション、告知中です。何か質問等ありましたら拍手やメールに放り込んでいただければ。
 
以下、Web拍手レスです。
 
>記憶喪失きたァァッ!!なのはの鬱モノは国の宝だと思います。
自分の場合本編が暗い内容だと引きずられて同じ方向に行く傾向があるみたいで。
いや、記憶喪失そのものは当初から予定してたことなんですけどね。
 
>なのは記憶喪失…ッ!?これは予想外の事態ですね!でも、この場合はなのは自身よりもフェイトのほうがダメージがきつそう…記憶を、力を失ったなのはと、心が折れてる&折れそうなシグナムとフェイト。最大戦力をズンドコ失っていくアースラチーム。大丈夫なんですかコレッ!?(滝汗)
A's以降出番が一切ない(ユーノの比でなく)あの人がポイントです。 ・・・とだけ。
 
>喪失辞書、以外完読。取り敢えずユーノスキーなワタクシとしては色々とお腹一杯です。
ありがとうございますー。ユーノはで番ほしいですなあ、もう少し
 
>記憶喪失ぅ〜!?これは予想外の展開…これはフェイト的にダメージ大きいっすね
魔法がらみの記憶だけがごっそり抜けてる状態ですので。詳しくは次回更新分にて!!
 
なのはさんにも、そして周りの皆にもきつい展開…でも好きな展開です(苦笑)頑張れ皆!
頑張らせますとも。そりゃあもう、ブートキャンプくらいに。
 
>無印にしろA’sにしろ完結後の方が二次創作は盛り上がりましたしStSもむしろ完結後が二次創作的には本番じゃないでしょうか
まあ、設定とか話を作るにしても未確定の部分が多いですからね、完結するまでは。
 
>これは嬉しい企画を。私はなのユーが好きというよりユーノが好きなんで、ユーノ祭りと思って楽しみます。
いやー、告知しといて今更なんですが、うちの知名度でどの程度集まるやら・・・。
地味に不安だったり。
 
 

さて、そしてnocturneアフターを更新。
今回は一点。
全くオリキャラは使用してませんので、おや、と思うキャラがいた場合は探してみてください。ちゃんと台詞つきで出てるキャラですから。
 
正解者はきっと640の心中でそれなりに尊敬されます、多分。
では、どぞー。
 
↓↓↓↓
 
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見守る少女達に気付かずデパートの売り場を見て回る少年と少女は、傍から見る限り凄く「しっくりくる」感じがして。
観客の立場の目線からはごく自然に、小さなお似合いのカップルに見える。
 
「なんかちょっと、いい感じじゃない」
「うん、ほんと」
 
──いや、ほんと。なかなかどうして、見えるのである。
 
アリサの呟きは、その場の皆の総意を言い表していた。
 
「なのはちゃん……ええんか?」
「え?何が?すごく二人とも楽しんでるみたいだけど」
 
そして、尋ねられた当の本人以外の心配事項。
思わずはやてがなのはを心配して、邪気のない返事に彼女の朴念仁っぷりを改めて認識させられ。
 
「「「「……」」」」
「な、何?何かわたしおかしいこと言った?」
 
呆れながら溜め息をつく他の四人にも、なのはは続けて相変わらずの反応を返すばかりだった。
 
鈍い。おお、なんと鈍いことよ。
 
そうだ、そうなんだ。この子はこういう子なんだ。
なのは以外のメンバーは、それぞれに自分をそう納得させる。
でなきゃやってられませんって、実際。
 
「ま、まあなのはちゃんらしいというか」
「やれやれ……」
「全く……ん?ねえ、ちょっと。あれって」
 
やがて「彼」の姿に最初に気付いたのは、アリサであった。
 
「?」
「「あ」」
 
頭の上に?マークを浮かべたのは、シグナムとなのはだけ。
小学生たちの交友事情など知る由もない烈火の将はともかく、同じ学年、同じクラスのなのはが気付かないのは結局のところ、どこまでも「鈍感」、その一言に尽きる。
 
彼女達の見守る先で、ちょっとした変化の兆しが起きようとしていた。
行き交う人々の中、盗み見チームの視線が集中するのはただ一点。
彼女たちの、視線の収束する先に。
腕時計のコーナーに入ろうとしていたフェイトとユーノの元に、ある人物が徐々に近づいていた。
 
 
魔法少女リリカルなのはstrikers −nocturne−
  
after.3 舞い降りる邪神
 
 
「おーい、フェイト」
「?」
 
呼び止められた声を、フェイトの耳は記憶していた。
たしか、これは。何度も学校で聞いた少年の声だ。
キョロキョロと辺りを見回してフェイトは、一人の少年が小さく手を振っているのに気付く。
 
「あ……?」
「めずらしいね、こんなとこで会うなんてさ」
「う、うん。そうだね」
 
ユーノほどではないにしろ、中性的な顔立ちの少年は、フェイトにとってはまあ、それなりに近しい位置にいる存在といっていい。
無論家族や、なのはたちに比べればマラソンのスタート地点とゴール地点ほどの差があるのだけれど。
 
一方で、ちらと視線を移すと、自身の連れであるユーノは戸惑っていた。
 
二人のやりとりを見る限りでは知り合いらしいけれど。一体誰だろう、こいつは。
明らかにそのように思っているらしい様子が、表情や仕草から表れている。
フェイトに対して親しげに接する見知らぬ少年の様子に、ユーノは事態の飲み込めない様子で彼とフェイトの顔を見比べていた。
 
(フェイト?その子は?)
(あ……えと。ユーノは会ったことないよね、当然)
 
やがて少年と会話をはじめたフェイトに、念話を送られてくる。
ちょっとした闖入者に応対しながら、フェイトもユーノの戸惑いに答えるようにかいつまんで説明する。
 
(えっと、クラスメート。消しゴムとか、忘れ物してきたときによく貸したりしてる。多分クラスの男子では一番仲良くしてる……かな?席も隣だし)
(……なるほど)
 
いくら友人とはいえ、ミッドチルダに暮らす彼が学校の知り合いのことまでは流石にわかるはずもない。
簡潔なフェイトの説明に、ユーノは念話越しに了解の相槌を打った。
 
だけど。
 
「今日は買い物?」
「うん。ちょっと、お祝いを買いに」
 
相槌を打つと同時に、何故だか彼は面白くなさそうな顔をしていて。
 
「お祝いかあ……。ところで」
「?」
 
少年の視線がフェイトから隣のユーノへと移される。おそらく先ほどから気になってはいたのだろう。
ユーノの見返す視線が、妙に刺々しい。見られる側と見る側の間に立つフェイトとしては、はらはらものだ。
一体どうしたというのだろう、温厚な彼らしくもない。
 
「そっちの子、誰?」
「え?え、あの。えと、その。彼はユーノって言って……」
 
なんと説明したものか。どこまで言えばいいやら、フェイトは焦る。
二人で出かけるということはこういう風に見知った人間と会う可能性は十分あったのだから、対応くらい考えておくべきだった。
 
「ひょっとして──……フェイトの恋人?」
「「……へっ!?」」
 
そして、想定外の事態にうろたえ、答えに窮するフェイトに少年の放った一言。
それはきっかり2秒間、見事に気の抜けるような返事を返したユーノと彼女の時間をストップさせたのだった。
 
*   *   *
 
きっと、悔しかったんだろう。
自分の身近な存在の、自分が知らない一面を見ず知らずの人間が知っているということが。
 
「おやすみ、ヴィヴィオ
 
子供の、それも幼い少女の夜は早い。
思索に耽っている間に、寝息を立て始めた被保護者に肩までシーツをかけてやったなのはが、ベッドサイドから氷水の入ったグラスをとって立ち上がっていた。
 
「眠った?」
「うん、ぐっすり。寝つきはいいほうだから、この子」
 
彼女はすっかり、本当の母親であるかのような優しげな顔をして言った。
丸テーブルのゆったりとしたシングル用ソファから、ユーノも彼女の動きに呼応するように腰を浮かす。
 
ごく自然に、二人はツインルームの空いたほうのベッドへと隣り合わせに腰を下ろしていた。
 
「ね。さっき、どんなこと考えてたの?」
「え?」
「ほら。わたしがヴィヴィオを寝かしつけてる間。ぼんやりしてたみたいだったから」
 
──ちょっと、驚いた。
 
てっきり幼子の世話にかかりきりで、こちらのことなんて見えてないと思っていた。
 
「わかるよ。マルチタスクは得意分野だし」
 
管理局の不屈のエース魔導師たる十九歳の少女は、ちろりと舌を出して微笑んだ。
その微笑みは経験の少ない同年齢の男が見とれてしまうには、十分で。
それに、といって気恥ずかしそうになのはは重なった目線を外し言葉を繋ぐ。
 
「……それに、ユーノくんのことだもん」
 
気になるよ。何を見て、何を考えているのか。
 
上目遣いのその仕草は。
ちょっと反則だ、と思った。
 
*   *   *
 
 
−再び九年前−
 
 
『───がうよ!!ユ、ユ、ユーノとは別にそんなのじゃ……!!』
 
所属魔導師は次元の向こう、モニター映像の先。
口うるさい相棒兼上司も、本局での事務仕事に追われていて艦を留守にしているともなれば、執務官補佐に残された仕事は殆どといっていいほどない。
 
故に、時空管理局所属艦・アースラでは、通信室のモニター一杯に映し出されるフェイトの慌てる様子を見つつにやつく一人の女性の姿があって。
 
「んー、実に初々しくてよろしい」
 
お茶をすすりカメラアングルを切り替え、尚もフェイトの混乱っぷりを楽しむ暇人は、エイミィ・リミエッタその人であった。
 
妹のような存在である少女の初デート、そんな面白そうなものを彼女が放っておくはずがない。
しっかり艦内のシフト表までいじって積み残した仕事も完済し空き時間も作り、今日この日の素敵なイベントを見逃さないようスケジュールを合わせてきている。
情報源はちなみにリンディ提督とはやての二人(もちろんクロノには内緒)。
 
また。
 
「映像の感度も良好。この前の定期メンテナンスでバルディッシュにサーチャーの中継装置搭載しといて正解だったねー」
 
本来は単独行動時の安全やデータ収集力を強化するための装備を悪用……もとい活用することも忘れない辺り、流石である。
すべては、フェイトとユーノの一部始終を見て楽しむために、である。
 
「ふーむ。この子きっと、フェイトちゃんに気があるわねー。んふふ、ユーノ君の登場に気が気でない感じ?」
 
一枚一枚袋詰めされた煎餅のビニールを破りながら、モニター上のやりとりを勝手に分析するエイミィ。
もう、口元がにやつくのが止まらない。
 
「いやいや、ユーノくんも面白くなさそうな顔してるわー。なのはちゃん一筋だと思ってたけど、これはひょっとして……」
『エイミィさん、撮れてますー?』
「うんオッケーオッケー。はやてちゃんのサブカメラもいい感じで映ってるよー」
『ダビングよろしく頼みますー』
「まかせとけいー!!」
 
誰も見ていないのにサムズアップをはやての声の聞こえてくる通信機へと返すエイミィのはしゃぎっぷりとノリは凄まじい。
彼女は現地組のはやてにまで盗撮……いやいや、記録を、彼女の分のダビングと引き換えに頼んでいた。
おそらくクロノが見た日には呆れかえることだろう。
 
「……」
 
……そして、お約束で。
 
いつの間にかクロノは、部屋に入ってきていて。しっかりそんな彼女の姿をジト目で見ていた。
 
「何をやってるんだ、エイミィ」
「えっ!?」
「報告書のことで聞きたいことがあったんだが……何してる?仕事は終わったのか?」
「あ、う、え、えと、その、これはだね?クロノ君えっとつまり」
「ああ、言っておくが何回も呼び出しはしたんだからな。その上でロックをしてなかったから入った」
 
なにしてるんだこいつ、とでも言いたげな表情がクロノの顔には書いてある。
そりゃあそうだ。
仕事もせずに通信室に籠もって何をしているかと思えば、顔をにやつかせて周囲に煎餅の袋を食い散らかしている女が一人、いるだけなのだから。
 
奇異な光景に映って、当然である。
 
だがあくまでも疑問の表情のクロノと違い、ひきつった笑顔の下でエイミィはめまぐるしく、状況を整理していた。
ここをこーして、こーなって。管制官としての状況把握と改善能力をフル稼働させる。
 
──まずい。
 
このシスコンにこの映像を見せるのは非常にまずい。一体何が起こるかわからない。
普段ぶっきらぼうを装っているくせして妹の訓練には三日前からメニューを作ってまで懇切丁寧につきあってやったり、
母親不在・同居人不在の夕食の際などには彼女の好き嫌いとカロリーを完全に計算しつくした上で献立を立てるなどしていることを、エイミィは知っている。
 
私には、してくれないくせに。事務処理に付き合ったり、料理を作ったり。その辺がエイミィとしては不満である。
 
いかんいかん、話が逸れた。
とにかくそんな男に、妹と男二人のスリーショットという組み合わせは、危険極まりない。
 
とりあえず録画だけは続けることにしてもひとまず画面を消さなくては。
そこまでの結論を彼女が出すのに要した時間は、僅か心臓がひとつ、脈打つほどの間のこと。
 
「……ん?同時中継?これは海鳴市のデパートか?」
「そそそそう!!新しい冬物の服とか気になってさー」
 
クロノのほうを向いたまま、モニターをOFFにすべく左手をこっそり後ろに伸ばすエイミィ。
 
(も、もーちょい……ここ……あった!!)
 
使い慣れた通信室。どこに何のスイッチがあるかは身体で覚えている。
左の端のキーを押せば、とりあえず映像は中断できるはず。
指先でキーボードをまさぐり、目的のキーを探し出す。
 
(……ん?左?)
 
……探し出したつもりだったんだけどなぁ。
 
「あーーーーーっ!?しまったーーーーっ!?」
「?」
 
押した後で、エイミィは気付いた。
普段正面から向かいあっている際に左の端にあるということは。
つまり自分の後ろにキーボードの位置する今、目的のそのキーがあるのは。
 
そう、真逆。……右端である。
 
(しま……っ)
 
おもいっきり押してしまっては、後悔もリカバーも時既に、遅し。
おまけによりにもよって彼女の押したそのキーは、カメラアングルを変えると共に自動拡大をするためのもので。
 
それは普段であれば、探査任務等をサポートする場合にはとても便利でありがたい、重宝する機能なのだけれど。
 
(今はまずいってっ!!!)
 
そして、クロノの身体を硬直させたものを確認すべく振り向いたエイミィの顔から、さっと血の気が引く。
 
「……!?」
(嘘おおおおぉっ!?)
 
背後にあった、光景。
それはよりにもよって少年の軽口に紅くなって横目でお互いをみやる、ユーノとフェイトの2ショットというものだった。しかもどアップ。
当然入ってきたばかりのクロノにそんな細かい状況はわからない。
仲よさそうに寄り添って頬を染めあう二人、という構図にしかみえないはずだ。
 
直後、背中のほうからプチン、と何かが切れるような音が聞こえたような気がしたのは、エイミィの空耳だろうか。
今度は確かめようにも恐くて後ろを振り向くことができない。いったいどんな形相が待っているかも計り知れない。
 
「……エイミィ?」
「は、ははははいぃ?」
「これはどういうことだ?詳しく聞かせてもらいたいんだが?」
「え、えーと。それはですね」
「簡潔に、明瞭に。なんでフェイトとあのフェレットもどきがふたりっきりでいちゃついているのか説明してもらおう」
 
いや、いちゃついてるわけじゃないんだよ。──なんて言えはしなかった。
声が笑っていない。抑揚に感情というものがなかった。
 
(恐い、恐いよクロノ君恐いよ)
 
その代わりに殺気が満ちている。一言で言うならばシスコン恐るべし。
 
「も……黙秘権は?」
「ない」
 
やっぱり。聞くだけ、無駄であった。
一応聞いてみて、氷のように冷たい声にぞわぞわと鳥肌を立てて後悔するエイミィ。
 
「あの淫獣……なのはだけでは飽き足らず、うちのフェイトまで……。駆除しておく必要があるな」
「あ、あわわわわ……」
 
窓際の中年にリストラを告げるように肩へと置かれた手は、防護服に換装済み。
多分引き剥がそうとしても、接着剤を一瓶丸々使って固めたかのごとく離れてはくれまい。
 
「とりあえず、隠すとためにならないよ?エイミィ」
 
全く笑っていない声で更にそう告げるもう一方の手には既にデュランダルが握られていて。
 
(ごめんね二人ともー!!)
 
命あっての物種。
エイミィは自分の身の安全のために、あっさり二人を売り渡したのだった。
 
(つづく)
 
 
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