某案件について。
スレのほうでも話題から外れてきているようですし、まあこういうこともあるだろうということでひとまずこちらからはなにもしないことにしました。んなスレで問題になってないことをわざわざここで騒ぐのも変ですし。
てことでそれ関連の拍手レスをしてくださった方々、読ませていただきましたが返信は割愛させてください。(いや結構量もあったんですよ)
本当にありがとうございました。
てわけでweb拍手レスから。
>うわああぁん。・゚・(ノД`)・゚・。nocturneでフリードがくわえてきたリボン、それを見たときのフェイトの気持ちを考えるともう切なすぎる……。一度でいい、一度でいいから640さんが書く幸せに結ばれたユーフェが見たいです……。あ、それと完結おめです。
けっこう人気ありますなぁ、ユーフェ。や、俺も好きですけど。
>最新話、読ませてもらいました。フェイト主体なのは仕方ないとしても、何か切ないですね。だがそれがいい。
フェイトって悲しいことに成就しない恋が似合う気がするんですよね。
>アフターグッジョブ!いやぁ、ユノフェっていいなぁ。なんで少ないんだろ。ユノなのもだけど
最大勢力がなのフェという状況ですからなぁ。
>フェイトさん。ええ子やなぁ。なのフェス3での製本版にも期待しております。京都行きます。以上mixiでいつもお世話になってる西鈴でした。挨拶遅くてすみません。
あー、どもです。いつも覗いてくださってる方ですね。こちらこそリアクションできてなくてすいません。
>nocturne after読み終わりました。なのはが好きなユーノが好きっていうフェイトがいじらしいですね。あと喪失辞書の方も最新回まで追い付きました。640さんはフェイトを虐め可愛がりしてますね。
いや、うん、まあ・・・正解?かも。
なのは×ユーノステーション、告知中です。
− − − −
んで、エリキャロ話更新でございます。
ほのぼの系はこのごろ微妙に難産だ・・・。
↓↓↓↓
まったくもって、わからない。
……いや、字が。
「えっと」
ついでに言うと、種類も。
豊富すぎて、色々ありすぎてどれを手にとればいいか決めかねる。
色とりどりのカラフルな箱は、サイズは同じでどれも似たり寄ったり。
一体、何を基準に決めればいいやら。
「これ……かな?」
結局彼が決め手としたのは、主観。
自分から見て、一番美味しそうに見えたものを籠に入れた。
別世界に暮らす彼が、料理などしたことのない彼が知るはずもない。
読めるはずもない『漢字』で表記されたそれらの味に、大きく分けて三種類の区分があるということなど。
「……これで足りるかなぁ?」
変わった服装の人が描かれたお金だなぁ、と思いつつ開いた財布から取り出すは、いわゆる諭吉さん。
一番大きな数字が書いてある以上、これを出しておけば代金に足りるであろうと踏んでのことだ。
ここまで随分と時間がかかってしまった。
お腹ももう、随分とぺこぺこだ。
キャロも料理の仕度を整えながら、待っているはず。
はやく、買って帰らないと。
子供たちが起きてしまっても、彼女一人では大変だ。
魔法少女リリカルなのはstrikers 外伝 −十歳のパパとママ−
第三話 はじめて
「ほーら。ヴィヴィオ、天気もいいしお外でボール遊びしよう?」
「……や」
けっこう急いで仕事、片付けてきたのになぁ。
ぷい、とそっぽを向いてベッドに飛び込む幼子に、なのはは肩を落とした。
「もう……」
あのエリオたちとの一件から、ずっとこうだ。
部屋で本を読んだり、遊んだりしている分にはいいものの。
夕方も、朝も。そして仕事から帰ってきた後も、だ。
外に連れ出して遊ぼうとすると、途端に頑なになってしまう。
散歩に連れ出すのも一苦労だし、天気がいいときは外で元気一杯遊んだほうがいいに決まっている。
他はきちんと言うことも聞いて、いい子なのだけれど。
「なのは?」
「あれ、フェイトちゃん。どうしたの?もう捜査あがり?」
どうしたものかと頭を掻いたところに、同居人の親友──件、同じく少女の保護者たる同僚が戻ってくる。
たしか今日は外回りの後隊舎で捜査員たちと共に捜査会議のはずだが。
それらを終わらせて帰ってきたと考えるには、些か早すぎる時間である。
「いや、ちょっとこっちのメモリーに入れたままのデータが必要になって。何、ヴィヴィオどうかしたの?」
ヴィヴィオのおかえりなさいの声に軽く手をあげて応えつつ、慌しく机の端末を彼女は立ち上げていく。
なのはも友の後に従い机の側に移動し、起動を待つ間に掻い摘んで説明する。
一昨日のことを憶えていたフェイトが話の筋から内容を察するのに、数秒とかからなかった。
なのはがほとほと困り果てていることについても理解したらしく、わざとらしい動きで口元に手を当ててくすりと笑う。
笑わないでよ。怒ったようなジェスチャーももちろん、冗談だ。
けれど助けてほしかったということに関しては百パーセント本気である。
「だめだよー、ヴィヴィオ。なのはママを困らせちゃ」
「うー……痛いの、いやぁ……」
「それは、そうかもしれないけど。エリオやキャロだってヴィヴィオを苛めたくてあんなことしたわけじゃないんだよ?」
子供の扱いという点においてはやはり、フェイトのほうに一日の長がある。
端末に携帯用のメモリースティックを差込み、二つ三つキーボードを叩いて作業の進む間に彼女はヴィヴィオへと寄り添った。
「ちゃんと消毒しなかったら痛い痛い、ってなっちゃうのはヴィヴィオだったんだよ?」
「うー……」
「ヴィヴィオ、返事は?」
「なのはも急かしちゃダメだってば」
そういえばそんなことが、フェイトから読んでおくようにと渡された育児書の中に書いてあった気がする。
今度は自分が叱られる番になって、ぼんやりとなのはは思い出した。
まだなのは自身、手探り。ヴィヴィオとの接し方は少しずつ確認しながら前に進んでいる状態だ。
うまくやっているつもりではあってもどうしてもぼろの出てしまう部分もやはりある。
(……フェイトちゃん、すごいなぁ)
幼子にやさしく言い聞かせる友のことを、なのはは改めて尊敬のまなざしで見つめていた。
* * *
通ってきた道を、間違えないようにひとつひとつ確認しながら急ぎ戻る。
食料品のマーケットを見つけるのに少々歩き回ったから、迷わないよう慎重に周囲を見回しつつ、買った品の入ったビニール袋を揺らせて。
やがて自分が二十分ほど前に出てきたマンションを前方の空に捉えて、エリオは一安心とともに足を止めた。
「よしっ」
キャロも大体、下準備を済ませた頃だろう。
これがないとダメだ、と言っていたからにははやく持っていってやらないと。
角を曲がって、マンションの正面玄関側へとまわっていく。
ホール前のパーキングが目の前に見えたとき──行く手を塞ぐようにして、一台の車が彼の前に停車した。
「?」
「おーっす。来てやったわよ、少年ー」
運転席のウインドウが開き、出てきた顔にはサングラス。
高級そうなそれを外したそこにあったのは、かつての出張任務の際世話になった女性のそれ。
「あ……ええと、アリサさん、ですか?」
「あったりー。はやてたちに頼まれて手伝いにきたげたんだけど……ちょっと待ってなさい、車置いてくるから」
* * *
「にしても、勇気あるわね。一人で買い物に出るなんて、土地勘もなにもないでしょ?」
「一応、現在地とこの家の位置だけはストラーダ……あ、僕のデバイスが記憶しておいてくれましたし、なんとか」
部隊長のたのみでかけつけてくれたという年上の女性は、いくらかの食料品も持参してきてくれていた。
昼食はキャロが作ってくれる旨を伝えれば、なら夕飯にでもしてくれればいいと気さくに笑う。
「んで、カレーか。もうルーを放り込むだけかもね、それなら」
「ただいまー……?」
連れ立って扉を開くと、室内から不思議な匂いが漂ってきた。
なんだか香ばしいというか、ほろ苦いというか。
……焦げ臭いというか。っていうか焦げ臭い。
「キャロ?」
「あ、エリオくん。おかえりなさー」
「ちょ、ちょっと!?そのフライパンの中身!?」
リビングから続くキッチンを覘いてキャロに迎え入れられるとすぐに、原因はわかった。
煙が。
にこやかに振り返った少女の手元のフライパンからは灰色の煙が立ち込めていて。
その根元にはぶすぶすと音を立てる黒い物体が存在していたのである。
「しょーねん!!いや、エリオ!!窓!!換気しないと煙ったくてしょうがないわ!!」
「は、はいっ!!」
ああ、道理で口元をハンカチで覆いながらキャロが作業していたわけだ。
煙の匂いのこもった空気を逃がすべくアリサに言われ、エリオは窓に走り全開に開け放した。
瞬間、吹き抜けていく室内の鼻につんとくる空気と入れ替わり、気持ちのいい高層ビルの風が室内にやってくる。
「あれ、たしかアリサさん……ですよね?どうしてここに?」
「いや……それより。それ、何?」
アリサの疑問は、エリオの疑問であった。
いまだ燻っているその黒い物体は何なのか。
「玉葱ですけど?」
──玉葱って、こんな黒焦げになるまで炒めて食べるものでしたっけ?
「あっちを出る前にフェイトさんに教えてもらったレシピだと、飴色になるまで炒める、ってあったんですけど。飴色っていうのがよくわからなくて」
とりあえずずっと炒めてみてたんですけど、違ってました?
「……飴色っていうのはね、しんなりして茶色くなるまでってことなの。キャロだっけ?あんた、料理やったことは?」
「実を言うと、殆ど初挑戦で……」
「えっ!?」
なんでお前が驚く、という視線でアリサに睨まれてエリオは口をつぐんだ。
てっきり自分が作るというくらいだから、料理の経験が豊富なものだとばかり思っていたのに。
普段しっかりしている子だから、まさか初挑戦だとは。
「OK、わかった。ここからはあたしが手伝うから。エリオ、双子のほう見てなさい」
「はい」
「?」
他の材料も、若干形が不規則ではあったがまな板の上に切りそろえられていた。
エプロンを壁掛けから外して身につけだしたアリサに言われるとおり、家を出る前に双子を寝かせてきたベッドのある子供部屋へとエリオは向かった。
買ってきたカレールーを、テーブルの上へと置いて。
「ありゃ?これ辛口じゃない。大丈夫なの?あんたたち」
「??」
そんなやりとりも、聞こえぬままに。
* * *
それから、昼食を食べて(辛口ということを知らずに食べたものだから、それはもうひどい状況であった)。
夕方にはフェイトから連絡を受けた家主──エイミィとリンディが、心配して帰ってきてくれて。
二人が帰ってくるまでもアリサが手伝いに来てくれたおかげで、双子の子供たちの世話もつつがなくやりきることができた(曰く、「やんちゃな子犬たちを躾けるよりはよっぽど楽で簡単」だそうな)。
そして夕飯後の今、二人は。
「おー、よく似合ってる似合ってる」
日も沈みかけて、靴をひっかけて出た外は少しだけ、過ごしやすくなっていた。
エリオは軽くシャワーを浴びた後のTシャツ1枚。
肌とTシャツの間を吹き抜けていく夕方の風が、心地よい。
対するキャロは──……。
「九歳の頃のフェイトちゃんのお下がりだけど、サイズも丁度いいね」
黒地に淡い黄色の花を模様としてあしらった、ゆったりとした服装に身を包んでいた。
“浴衣”というこの世界の、この国の民族衣装なのだと、キャロに服を着付けたエイミィは教えてくれた。
「お金は持った?忘れ物、ない?」
この世界にもお祭りがあるということは、二人とも昔、フェイトからベッドで子守唄代わりに彼女が語ってくれた話から知っていた。
けれど、まさかそれが今日だったなんて。
「はいっ」
「大丈夫です」
ちょうどいいから行ってくれば、という家主たちの提案に、せっかくなので甘えることにした。
どうせまだ休暇は二日──三日目の午前中にはミッドの機動六課隊舎に戻らねばならないから厳密にはあと丸一日、残っているのだ。
少しくらい遅くなっても特に問題はない。
子供だからといって安全上の心配が特にいらないことはリンディたちも当然知っている。
「ほら、カレル。ディエラ。今日一日のパパとママにいってらっしゃいは?」
舌足らずな、いってらっしゃいの声の二重奏を背中に受けて。
しっかりと手を繋いで、二人は家を出た。
夜空は澄んでいて、星がよく見えた。
それなりに離れているはずなのに、賑やかな祭りの喧騒がどこからか耳に届いた。
こちらの世界の祭りなんて、見たこともないはずなのに。
不思議とそれは祭りの音だと、すんなり理解出来た。
− − − −
よかったらプッシュしてやってみてください。つweb拍手