自分は、なのはだけじゃなくマリみても
大好きなのですが。
そんなマリみて好きの友人とのメッセンジャー中の会話(うろ覚え)。
640:さて、新刊が出たわけですが
友人:出ましたなぁ
640:次回で決まるよね?
友人:決まってくれないと死ぬる
640:つか、新刊まだ?
友人:はやいよマリみて分切れるの
※マリみて分:あずまんがに出てきたシュークリーム分のマリみて版と思え
深夜三時ごろにこんな会話を繰り広げるダメ人間二人orz
いやしかし似たような会話してるマリみてファンだってきっと多いはずだ多分。
……だよね?
さて。she&me加筆版の第二話です。
新作も書かなきゃとは思うんだけどね、スレのほうで一杯一杯なんですorz
当分こっちは旧作の加筆修正版でいかせてくださいorz
スレ投下版だと第3〜4話になります。
魔法少女リリカルなのは〜She & Me〜
第二話 きっと忘れない
「すごい……」
門の前に立ったフェイトは、そう感嘆の声をあげた。
「ん?そうか、フェイトははじめてだったか?」
「はい、アリサの家も大きかったけど……すずかの家も、こんなに……」
「ま、無理もないか。俺もはじめて来たときは驚いたからな」
「あはは、私も……」
呆然とするフェイトの様子に苦笑するなのはと恭也。
たしかにアリサの家も、この月村家も、一般的な家から考えると非常識な大きさかもしれない。
とは言っても冷静に考えれば、フェイトが以前住んでいた時の庭園もそう変わらない大きさではあるのだが。
「さ、いこうか」
例によって三人は、月村姉妹の誘いで月村家に遊びに来ている。
既にアリサももう中で待っているはずだ。
偶然、フェイトが来てからは四人が遊ぶのがアリサかなのはの家に限定されていたので、
フェイトにとってはすずかの家ははじめてである。
恭也がドアを叩いて鳴らすと、ほどなくしてノエルが顔を出す。
「ようこそ、恭也様、なのはお嬢様。そして、はじめまして、フェイトお嬢様」
「あ、え、えっと、はじめまして」
「お邪魔します」
「お邪魔しま〜す」
中では忍達がお茶を飲みながら待っていた。
クッキーやスコーンも用意された、アフタヌーンティー。
よくこの家で開かれる、簡単なお茶会だ。
「忍」
「いらっしゃい、恭也、なのはちゃん。……その子が、フェイトちゃんね?」
「ああ。さ、フェイト」
「あ、あの。フェイト・テスタロッサ=ハラオウンです。たしか、すずかのお姉さんの」
「忍よ。すずかから話は聞いてるわ、よろしくね。ファリン、二人にもお茶を」
「はい、ただいま〜」
元気よく、ファリンが返事をする。
彼女とは以前すずかと買い物をしているところに出くわしているので、はじめてではない。
忍と恭也が部屋にひっこむと、お茶会は子供達だけの雑談の場となる。
「しかし……改めて、すごいんだね。話には聞いてたけど、こんなに猫がいっぱい」
「今何匹いるんだっけ?」
「うーんと。昨日里親の人が来たから……17匹のはずだよ」
子猫を抱き上げ、すずかが答える。と、フェイトは足元に寄ってくる一匹に気がついた。
「あ、この猫……」
灰色の、虎縞模様。覚えている、この猫はあの時の──……。
抱き上げながらなのはのほうを見ると、なのはもまた小さくうなずいていた。
なのはもフェイトも、忘れるはずはない。
この猫こそが二人が初めて出会ったその日、きっかけとなった猫なのだから。
フェイトに抱き上げられた子猫は、ごろごろと喉を鳴らして甘えてくる。
かわいいな、と思うと同時に。ふとフェイトはある場所に行ってみたいと思った。
この猫と、なのはと一緒に。
* * *
二人の前には、一本の大きな木がそびえていた。
───そう。ここは、二人がはじめて会った場所。
「……なんだかもう、懐かしいね」
「なのはは、この辺りに立ってて」
「フェイトちゃんはあの枝の上に降りてきた」
あの日、二人の距離は離れていた。お互い、相手のことなど何も知らずに。
あまりに遠く、遠すぎるほどに。心も、身体も。
「私……なのはに、いっぱいひどい事しちゃったね」
初対面の相手──フェイトに対して、少しでも知り、理解しようとしてくれたなのはに対して。
話を聞こう、話をしようとした相手に向かい。
──言っても多分、意味がない──
フェイトはそう突き放し、問答無用で刃を向けた。そして、なのはを打ち倒した。
「そんなことも、あったね。……だけど、フェイトちゃんだって、やりたくてやったわけじゃないんだから」
けれど、ぶつかり合いを経て。
今こうして二人は隣にいる。最も親しい友人の一人として。
「君にも、ひどい事しちゃったね……ごめんね」
抱きかかえた灰色の猫に、そっと語りかける。
すると猫は小さく鳴き、フェイトの胸に顔を摺り寄せてくる。
きっと、フェイトから攻撃されたことなんて覚えてないのだろう。その猫はよく懐いていた。
* * *
「これで少しは元気だしてくれるといいんだけどね」
「うん……なんだか最近二人とも、疲れてるみたいだったからね」
ちょっと散歩してくるというなのは達を見送った後、アリサとすずかは二人で話し込んでいた。
少しぬるくなった紅茶を、ほぼ同時にすする。
「あたし達にも、話してくれるといいんだけど……」
カップを置き、アリサがつぶやく。
「怒っちゃだめだよ、アリサちゃん」
「わかってるわよ」
すずかの言葉に、むくれるアリサ。
「でも……」
「何?」
「あたし達って……フェイトのこと、何も知らないんだよね」
「それは……」
「知ってるのは、なのはと友達だったってことと、外国から来たってこと。
それと、今なのはの家に住んでるってことぐらい。なのはも何も教えてくれない」
友達なのに、何も知らない。教えてくれない。
知りたいと思っていても、黙っている。黙っているから、聞くに聞けない。
「何か……理由があるのかな」
「知らないわよ」
自分達にできるのは、待っていることだけ。そのもどかしさは、もう体験済みだった。だから我慢できる。
(今度は、ちゃんと我慢するから)
だからいつかきっと、話して欲しい。いつまでだって、待っているから。