しばらく、スレへの投下が不定期になるかもしれません。
というのも、こっち(このブログ)での連載を行う目処が立ったといいますか。
ようやく、プロットがあがったので。
もちろんスレのほうも二週に一回くらいのペースは持続していくつもりではありますが。
とりあえず、予告ともいえないようなものですが、予告をば。
───それは、小さな異変だった。
「大したことは、ないんですけど。古傷が疼く、っていうのかな?」
なのははそういって、自身の左手を見つめる。
今日この日は、リインフォースが生まれて、丸一年の節目の日。
皆の祝福を受け、幸福に包まれる少女は、その日夢をみる。
『お前が───“リインフォース”か』
健やかに現世を生きる銀の少女の前に、もう一人の自分は現れ。
儚きその身を満たす想いを、彼女に託す。
『主を───護れ』
彼女が存在した理由。
彼女が存在すべき理由を、少女へと遺していく。
* * *
「……弱くなったわね、あなた」
そして出現するは、かつて敬愛した存在。
失われたはずの一冊の魔導の器。
彼女は、それとともに復活をとげる。
「シグ……ム……無事、で……」
「テスタロッサ!!」
好敵手にして、最良の友を打ち倒し。
「牙の折れた騎士に、剣は無用」
「レヴァ……ン、ティン……っ」
己が相棒を砕いたのは、かつて目指した頂。
騎士にとって尊敬し、かついつか越えたいと願っていた、誇らしき目標であった。
「そんな……何故」
「久しぶりね、シグナム。いつ以来かしら」
越えられぬ壁は悠久の時を経て再び、立ち塞がる。
立ち向かう以外の術を、烈火の将に与え得ぬまま。
「あの人が!?そんな、まさか」
「……真だと、いうのだな」
驚愕する仲間たちへと、彼女は力なく頷く。
「……ああ、間違いない」
間違える、ものか。
誰より側でその剣を見、誰よりも多くその剣を受けてきた、この私が。
「あれは、姉上だった」
* * *
パネルに表示された様々なデータを指し示し、少年は言う。
「彼女の目的はほぼ十中八九、書の完成でしょう」
暗躍する敵。その目的。
止めるべく出動する、なのはとヴィータ。
「これ以上、罪を重ねるのは止めてください」
必死の懇願は、仲間達のため。
彼女達の心を、護るために。
たとえ答えがノーだとわかっていても、少女は言わずにはおれなかった。
「これだけあれば、十分……主よ」
「ダメっ!!それは!!」
「我が前に、その姿を現し下さい」
少女のとめる声も空しく、それは呼び出される。
従者たる、白亜の騎士の召喚に応じて。
「……なっ」
「紅の鉄騎か。久しいな」
復活したそれは、戦い傷ついた身体で立ち向かうには、あまりにも。
「そんな!?アクセルシューターが!?」
「遅い」
疾く。
あまりにも。
「っが……からだ、が、ぁ、う!?」
「ヴィータちゃん!?」
強く。
* * *
打ち破れた友の姿に、戦士たちは決意する。
「……来たか」
「あんたらは、わたしが倒さなあかん。最後の───夜天の王として」
あの子の、あの子たちの主として。
彼女達に悲しみを背負わせた、あなたを。
「いい目、してるじゃない」
「あなたを越えるために、来ましたから」
主の想いに応え、押し通すために。
あなたを、倒さねばならぬというのなら。
夜天と、蒼天。
剣と、剣。
戦士たちの力は、ぶつかりあう。
「あんたは、あんただけは絶対、ゆるさへんっ!!」
あるいは、怒り。
「もっと、誇りなさい。シグナム」
あるいは、悲しみ。
「おまたせ」
またあるいは、友を想う心。
それぞれを、己が心に秘めて。
魔法少女リリカルなのは 〜the lost encyclopedia〜
近日、公開開始。