ご飯を炊いていなかったことに気づいて、99ショップにて割引のご飯を買う。

そしてそのあと「あ、ビーフン食べたい」と思いたちファミリーマートにて購入。
 
直後に気付く。
 
「どっちも米やんorz」
 
はい、昨日の夕飯はすごく満腹になりましたとさ。
なのフェスに向けて原稿に加筆加えてくのもしんどかった・・・。
 
以下、web拍手レスです。
 
>ごめんなさい。間違えました。お礼ss第一回はもう見れないんですか?
そうですねー、いまのところ見れないということになりますね。
本日第四回目に差し替えましたが。データそのものは残っているのでなのフェスで
コピー本にでもしておまけにつけようかしら。受かってたらね!!
 
 
はい。
the dayの加筆版も、うpしていきます。
本日は第二話。でわ、どうぞ。
 
↓↓↓↓
 
 
 
 
「入院!?フェイト、大丈夫なの!?」
 
なのはとはやてから聞いた事実に、アリサが素っ頓狂な声をあげた。
彼女の大声にはやて共々、一瞬びくりと肩をすくめたなのはは、まあまあと両腕を突き出して彼女を落ち着かせながら、説明を繰り返す。
 
「あー……、でも、病気とか大怪我とか、そういうことじゃないから。大丈夫」
「検査入院ってやつやな。ここんとこフェイトちゃん、働きすぎやったから」
 
過労とか、身体の異常とか。そういったものがないかどうかの検査のためやね。
なのはの言葉を、はやてが引き継いだ。
アリサとすずかは顔を見合わせて、ようやく安堵の息をつく。
 
「なんだ……どこか怪我したとかじゃないのね」
「うん、三日くらい入院して、色々検査受けるって」
「ま、担当はシャマルやしな。特に問題もないやろ」
 
そもそもが、自分から休みをとろうとしないフェイトちゃんを休ませるためのものなんだし。
ちょっと無理矢理ではあるけど、最近、働きすぎだったから。
 
なのはがそう言うと、アリサもすずかも、妙に納得して頷いたのだった。
二人のリアクションに、なのはとはやては顔を見合わせて苦笑いすることしきりだった。
 
 
魔法少女リリカルなのはA’s −the day−
 
第二話 break out
 
 
──暇だ。暇で、仕方がない。
 
「あの、シャマルさん。やっぱり私……」
「だーめ。もう検査の手続きしてあるんだし、ドクターストップが正式に出ているでしょう?」
 
持参した文庫本はもう全部読んでしまったし、雑誌もこれといって読んでいるものは最新号は入院前に読み終えてしまった週の谷間。
診察を受けて、検査の書類に同意のサインをしてしまうと、寝る以外には全くすることがなくなってしまった。
 
全然眠くもないのに、それしかやることがないというのは苦痛だ。
それでも、一日目はなんとか堪えることができたのだが。
 
「暇なのはわかるけど、最近ずっと忙しかったんでしょう?たまにはいいんじゃないかしら、こういうのも」
「はあ」
 
……そういうものなのだろうか?
 
フェイトは、曖昧に頷く。
 
ここは、入院したフェイトに用意された個室。
花瓶にはリンディが持ってきた花が生けられ、少し殺風景であった室内に彩を添えている。
 
フェイトが入院を余儀なくされているのは、偏に命令、その一言に尽きる。
 
執務官とはいえ、彼女に課せられた任務の量はまだ12歳の少女に対してのそれとしては、あまりに過剰。
そう判断した医療班からの要請……いや、抗議(黒幕はシャマルである)により、上司兼母親のリンディを通じフェイトには三日間の休養を兼ねた検査入院が命じられていたからである。
 
「三日間くらいゆっくりするのも、いいものよ?」
「……そうですか?」
 
けれど執務官になって以来働きづめであったフェイトにとっては、このゆっくりと流れる惰性のような穏やかな時間が、どうにも落ち着かない。
 
働かなきゃ、という強迫観念のようなものが、フェイトの心を覆っている。
 
「午後の検査は、まだですか?」
「んーと、CTが空くのが3時だから……もう少しかかるわね」
「結構……長いですね」
 
別に、どこも具合の悪いところなんてないのに。
できることなら仕事を放り出してきたアースラに、今すぐにでも駆け戻りたかった。
 
昔は兄の仕事中毒ぶりを笑ったものだが、フェイトもしっかりその道を歩んでいるようだ。
シャマルが空いた時間を見つけては、退屈しないようにと話し相手に来てくれるのが救いだった。
彼女がいなければ、暇で暇で死んでしまうところだ。
 
「あら、もうこんな時間ね」
 
だが、折悪しく彼女の仕事の時間がまわってきたらしい。
 
「すまないけれど……行くわね?昨日の検査結果ももうすぐ出ると思うし」
「はい」
「逃げ出したりしちゃ、だめよ?」
「しませんってば」
 
またしばらく、無為な時間が続きそうだ。
シャマルが出て行った引き戸が徐々に閉まっていく。
 
「はやてって……すごかったんだな」
 
かつて入院生活を送っていた親友の名を呟いて、フェイトは既に読み終えた枕元の文庫本へと手を伸ばした。
 
あと今日も入れて二日。
入院生活というものは時間の経過が遅い。
まだまだ、耐えなければならないようだ。
 
*    *    *
 
「はやく!!第三処置室に!!」
 
医療局内に響き渡る怒声に、フェイトは振り向いた。
どたどたと乱雑な走る足音を伴って、何台ものストレッチャーが看護師たちに押されてくる。
飲み物でも買おうと、部屋から出ていた彼女は、慌てて壁に寄る。
 
「!?」
 
フェイトが道を開けたそこを通り過ぎていく患者たちは、ひどい有様だった。
一様に深手を負い、苦痛にもがき苦しんでいる。
 
(第五武装小隊……?なのはの?)
 
すれ違いざま、ストレッチャー上の男達の襟元の部隊章が目に留まった。
 
あれは確か、なのはが今部隊長を務める小隊のマークだ。
気になった彼女はふと、近くを歩いていた他の看護師へと尋ねてみる。
 
「すいません、ちょっと」
「あ、フェイト執務官。どうかなさいましたか?」
「何かあったんですか?彼らは」
「え?ああ、彼らのことですか。なんでもロストロギアの暴走事件が二件、同時に同じ場所で起きたらしくて」
「!?」
「それが思いのほか強力らしく、担当の班がほぼ壊滅状態になったそうです。
 今は隊長の方が殿をつとめて、応戦をしながら増援を待っている状況らしいですが……」
 
どこも今は手一杯で、増援にはしばしの時間がかかるとのこと。
 
「!!その隊長って……!!」
「はい、高町小隊長の班です」
「!!」
 
なのはが?一人で、戦っている?
しかも、武装隊を壊滅させるほど強力な暴走したロストロギア、二体と?
 
「なのはが……危険に……?」
 
大変だ。自分が、のんびりしている間に。
こうしてはいられない。
 
フェイトは看護師に礼を言うと、急いで自分の病室へと取って返した。
どうせ、どこも悪くなんてないのだ。友達を助けに行くくらい、どうってことない。
 
*    *    *
 
シャマルが自分のデスクに戻ってくると、フェイトの検査結果がいくつか届いていた。
もともとが方便のような検査入院だ、これといって心配はしていなかったので、コーヒーを淹れてから座り、ボードに挟まれた各種カルテに目を通す。
 
「……うん、フィジカルには特に異常なしっと」
 
満足すべき結果に彼女は頷き、ページをめくる。
 
「───え?」
 
だがめくった先のページで、ぴたり、と指先と視線が止まった。
 
内臓疾患、なし。
消化器系の状態も良好。
疲労が溜まっているだけで、低下しているものがあったとしても、すべての数値は許容範囲内。
 
ただし。
とある、たった一つの項目が赤くチェックされているのを除いて。
 
「リンカーコアに異常……?しかも、これ……いや。そんな、有り得ない。どうして」
 
何かの、間違いかと思った。
 
一瞬、自分の目を疑った。
見たことも、聞いたこともない異常がそこには記されていたのだから。
自分とその主が親しくしている少女の身体を調査した結果から、そんなものが出るなんて。
 
「!?……え?」
 
だが、彼女のその疑念を振り払い、現実のものとするように。
もう一度めくったカルテの白い紙は、更なる裏づけとなる数値をシャマルへと突きつける。
せっかく淹れてきたコーヒーも、手つかずだった。
 
「嘘、でしょ」
 
さっと血の気が引いていくのが自覚できる。
このような症例、人間ならば有り得ない。なのに、なぜ。
 
シャマル主任!!」
「!!」
 
彼女に、自失は許されなかった。
部下の一人──、白衣を着た看護師が慌てふためいて、呼び出しや確認もせずに息せき切って執務室へと駆け込んできたのだ。
シャマルは内心どきりとしながらも、手早くフェイトのカルテを机上に戻すと、顔色や精神状態が気取られぬよう顔を伏せて作業をしているふりをしてごまかした。
 
「ど、どうしたの?そんなに慌てて」
「逃げたんです!!」
「は?」
 
逃げた?誰が?
 
「フェイト執務官が、病室からいなくなったんですよ!!」
「なんですって!?」
 
取り繕っていたことも忘れて、シャマルは立ち上がった。
フェイトがいなくなった、だと。だとすれば───……。
 
「一体、どこに!?」
「さ、最後に話したという看護師が言うには、高町小隊の怪我人が運び込まれてきたのに居合わせたと……」
「いけない!!」
 
まずい。ならばおそらく彼女が向かった先は、ひとつ。
 
「アースラのクロノ提督に連絡!!それと、人事課に連絡して動ける人を回してもらって!!」
「は、はい!!」
 
なのはのところに救援に向かったと思って、まず間違いない。
彼女の苦戦を聞いて、いてもたってもいられず、飛び出したのだろう。
 
「なんとしても彼女が戦闘に参加する前に連れ戻すのよ!!」
 
彼女を今、戦闘に参加させる──高位の攻撃魔法を使わせるのは、危険だ。
 
シャマルは焦る気持ちを抑え、通話機を手にとった。
我が家に誰か、残っていることを祈りながら。
次元を超えて家の電話と繋がったことを示す電子音の連続が、実にもどかしかった。
 
彼女から要請を受けたシグナムから、倒れたフェイトを保護したと連絡が返ってきたのは、およそ二時間後のことであった。
シャマルはらしくないほど強く机を叩き、その後力なく椅子にへたりこんだ。
 
フェイトの入院期間は、即座に延長された。
 
(つづく)
 
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