尺のせいかドラマパート序盤がだいぶん駆け足だったように思います、今日のメビウス。

 
個人的にはダンがMACのことを一瞬とはいえ触れてくれただけでおなか一杯だけどね!!
アンヌのことなんて触れてたらそれだけで一話軽く使っちゃうだろうからまあスルーは正解でしょう。
 
最終決戦にウリンガ連れて援軍参戦とかされたら悶えるでしょうが(俺が)。
なにげにメビウスで合体オリジナル攻撃出したのってセブンが初めてじゃない?
レオや80のときは同時攻撃ってだけだったし。
 
ガンウインガーの新兵器のあとにメビウスがライトニングカウンターゼロ叩き込んだら
烈風正拳突き改になりますな。ラスボスへのフィニッシュこれでよくね?
そしてミライくんは翼の生えたエンペラ軍の令嬢と結ばれ(以下妄想につき略
 

以下、web拍手レスです。
 
>お初にお目に掛かります、ネットの奥底で細々となのはSSを書いている時の番人と云うものです。ケイン氏
>のHPで掲示板で、ユーなのSSの最高峰と謳われていたのでこれは見なければと思い訪れた次第です。
>読んでまず思った事は『凄い』の一言。掲示板の作品も含めてこれ程のクオリティの高いSSを読む事が
>出来て、本当に嬉しい限り。月並みな言葉ではありますが頑張って下さい!! それでは失礼致します

あ、はじめましてー。ケインさんのところではどうも。投稿小説載せてらっしゃいますね。
あそこに連載されているみなさんのも読んでみようとは思っているんですが、量が膨大でどの方のから読めば
いいのやら?ということと時間的なもので未読だったりします。申しわけないです。今度読ませていただきますね。
別に拍手の文、把握しましたので大丈夫ですよー。

>ユーなのSSがんばってください
ありがとうございますー。精一杯がんばらせていただきますw

>ガンフェニックス メビウスブレイブ バーニングブレイブ あら不思議 ブレイブもフェニックスもいっぱい
>そりゃメビウスには似合うわけです というかメビウス最終形態フェニックスブレイブ…
>まあ勇気に約束に炎とくれば不死鳥はふさわしいファクターですし

「手と手のぬくもりが僕を強くする」、歌い出しからメビウスの主要な要素をあらわしてます。
水樹奈々の歌は萌えじゃなくて燃えですな。
 
 
さて、今日一日かけてなのユー話第五話かきあげました。
 
では、どうぞ。
 
↓↓↓↓
 

 
 
 
 
魔法少女リリカルなのはStrikers −nocturne−
 
第五話 君に言いたいこと
 
 
いくら日本人とはいっても、普段から着物をきたり、それで過ごしたりしているわけではない。
まして振袖なんてせいぜい正月に年一回、着るか着ないかというところだろう。
 
故に着慣れないそれは、非常に窮屈に感じられる。
 
「だいじょぶか?きつくないかー?」
「う……うん、大丈夫」
 
後ろで帯を確認しているはやてから言葉をかけられ、若干緊張に強張った声をなのはは返した。
 
その身を包むのは、落ち着いた中にも艶やかさを感じさせる着物。
髪は普段のサイドポニーではなく、下ろして背中に流している。
結って纏めることも提案されたのだが、ただでさえ窮屈な正装の着物に加え
髪型までがちがちにしてしまっては、ということでそこは遠慮させてもらった。
 
スーツ姿のはやての更に向こうでは、母親の桃子と今回の話の発端であるコラード三佐とが、彼女の着飾った様子を微笑んで見守っている。
 
「っと……すごいんだね、はやてちゃん。着物の着付けまで」
 
お母さんに頼もうかと思ってたのに、となのはが感心したように漏らす。
 
この場所──……ミッド中心部の高級ホテルの一室を借りた控え室で彼女の準備をしたのは、着物の着付けからなにから全て、驚くことにはやての手によるものであったのだ。
 
「んー、まあ。小さい頃から本だけは読みまくっとったからなぁ。知識はあるんよ、無駄に」
 
少し距離を置いて、帯の結びの形がおかしくないか確認して満足したように頷く。
 
「うし、こんなとこやろ」
 
姿見をひっぱって、なのはに彼女自身の姿を見せてやる。
 
「どないや?」
「うん……えと」
 
これからひとつの大舞台に臨む少女はくるりと一回転して自分の姿を眺めたあと、
自分では判断するにできず母親のほうに訊ねるような顔を向けた。
 
どうかな?と。
 
彼女の母が笑顔で頷いたことで、ようやくなのはもはやても安堵の息をつく。
 
「大丈夫よ、そんなに緊張しなくても。あちらが到着するまで時間もあることだし。もう少し肩の力を抜いて、リラックスしなさいな」
 
いくら管理局のトップエリートたちとはいえ、年齢はまだ二人とも、二十歳にも満たない少女たちなのだ。
歳相応に緊張を見せる二人に、コラードが笑った。
 
*   *   *
 
先方は、二十二歳。なのはよりは三つ年上ということになる。
管理局の武装隊に支給される装備を製造する会社の令息で、自身もデバイス研究者のライセンスを持つ。
戦技教導隊から評価試験を受ける新作のデバイスの視察に本局を訪れた際、なのはのことを知ったのだという。
 
そして父の代から交流のあるコラードを頼り、なのはにお見合いを申し込んできたというわけだ。
 
なのはさんのお相手の人、まだですかねー、レイジングハート
『so early(まだでしょう、早すぎます)』
 
なのは達のいる控え室から出てすぐの、煙草や飲み物を売る自販機側のベンチに少女が腰掛けていた。
 
身長三十センチほどの彼女は両手に抱えた紅い宝石へと話しかける。
 
「どんな人なんでしょうねー、楽しみです」
『You must not blunder.(くれぐれも、粗相などしないように)』
「だいじょーぶですよぉ。リインをみくびらないで下さい」
 
垂らした両足を、ぷらぷらと揺らす姿は実に可愛らしい。
 
「……あ、でも。このままでいいんでしょうか?おっきくなったほうがいいやも……」
『don't worry,You do not meet it with a view to marriage.(別にいいでしょう。あなたがお見合いするわけでもないのですから)』
 
無邪気に笑うリインは、この変わったイベントが楽しくて仕方ないようだ。
その服装ははやてと同じスーツだが、着ている主が主だけに、ひどく幼く見える。
 
服を着ているというより、服に着られているという感じだろうか。
 
「お昼ご飯、とってもおいしかったです♪」
 
珍しい出来事に、おいしい食事。どちらも子供の喜ぶものである。
情緒的に幼い彼女もまたその御多聞に漏れず、何があったわけでもないのにはしゃいでいた。
 
おそらくお見合いというものが知識ではどういったことか知っていても、
その意味をよく理解してはいないのだろう。
 
「あ、ところでレイジングハート?」
『What?(何でしょうか)』
「お見合いって具体的に何をするんですか?」
 
ほら、やっぱり。
吐き出す息があったならば、レイジングハートはあまりに予測通りの彼女の言葉に、
深々と溜息をついていたことだろう。
 
なのはさんと相手の男の人が会う、っていうのはわかったんですけどー……。それから、どうするんです?」
 
むしろ、思っていたより一層わかっていなかった。
上目に天井を見上げつつ、首を傾げるリイン。
 
『It is judged whether he is suitable for the marriage partner. (相手が結婚するに相応しい相手かどうか、見極めるのです)』
「けっこんですかー……どうやって調べるですか?」
 
結婚という言葉の意味もわかってないのではなかろうか、この子は。
他に周囲に誰かいれば説明を押し付けるのだが、そうもいかない。
八神家でも彼女はずっとこうなのだろうか、と長い付き合いながら少々心配になってくる。
 
幼児を相手にする、教師の心境であった。
 
『Reinforce』
「はい?」
『Your performance is excellent,as Let's study more. (せっかく優秀な性能を与えられているのですから、もう少し勉強しましょうか)』
「はい、お願いしますー」
 
*   *   *
 
「こちら正門、まだお相手の方は到着されないみたいです」
『ああ、わかった。先方の到着までは気楽にしててくれていいぞ』
「了解」
 
──正直、民間の警備会社にこういったことは頼めばいいとも思うのだが。
 
警備本部のシグナムへの報告を終え、ティアナは通信を切る。
 
目立つ陸士部隊の制服ではなく一着しか持っていない紺の地味なスーツ姿を翻らせて、ともに警備に臨むフェイトのもとへ戻っていく。
 
(てゆーか、うちの隊長に警備もなにもいらないんじゃ?)
 
なにかあれば、自力でなんとかするのでは。
 
元々はこの会場をセッティングしたはやても、一般の警備会社に依頼するか普段から警備を担当することの多い陸士部隊の部署に頼むつもりであったらしい。
 
だが、警備会社のほうは当日既に付近で開催される考古学の学会の警備で手が一杯であり。
陸士部隊のほうもその悪い慣習として残る縄張り意識、ライバル意識の高さからか断られたのだという。
前者はともかく後者は、あいかわらず下らないことに拘るものだとティアナは思う。
六課に人材を持っていかれたのを、まだ根に持っているのだろうか。
 
「見回り、終わりました」
「あ……うん。お疲れ様」
 
同じ任務に就くこの上司に元気がないのも、このところ続くことであった。
ロビーのソファの背に、黒いスーツ姿を腰掛けて、腕組みして覇気のない様子で俯いている。彼女たちに限らず他の六課メンバーもホテル側からの要請で、表立って管理局の人間とわからないような格好をしている。
 
だが彼女に元気のない理由を察しているのは機動六課実働部隊の年少メンバーでは、おそらくティアナ一人だろう。
彼女の庇護のもとにいるエリオやキャロは、元気がないことには気付いているかもしれないが、幼すぎる。
原因に思い至るほど豊かな情緒をもつほどの年齢にはまだ達していない。
 
だったらティアナの本来のパートナーたるあの子はどうなるのか、という話であるが、あれはただ単純に鈍感なだけである。
 
「まあ……何事もないとは思うんですけど。無事に終わるといいですね?」
 
彼女の隣に並ぶ。
お互い口うるさくしゃべるほうではないしホテルのロビーという場所柄、ティアナの声は比較的小さい。
 
「えっと、結果はどうなるかわかりませんけど……」
 
雰囲気からして、なのはのお見合いがうまくいけばいいなどとはとても言えない。
かといって、彼女の部下である身としては失敗すればいいなどと言うことも絶対にできない。
 
言葉を選んで、気遣う言葉をかける。
 
射撃型と近接中心の万能型、近接特化と万能型によって構成されるペアが計二つ。
ホテル裏に回っているスバルとヴィータを含め、警備という任務の人選はこれで問題ないとは思う。
けれど、このお見合いに対して複雑な心境の彼女を駆り出さなくともよかったのではないか。
全ては無論、自分が一人では頼りないからということなのだろうが。
 
部隊長のはやてはもう少し融通を利かせてくれてもよかったのではないだろうか。
 
「……そうだね」
 
次の言葉を捜して困っていると、ようやくフェイトが顔を上げて笑った。
 
「どうなるかわからないなら、今やることをやらなきゃね」
「そ、そうですよ!!なのはさんならきっと大丈夫ですから!!」
「ふふっ。ありがと」
 
笑顔を向けられて、ティアナは慌てる。どうにもこういうのは苦手だ。
くすくす笑うフェイトが少しでも元気になってくれたのならそれでいいのだが、如何せんばつが悪い。
 
「──あ?」
「へっ?」
 
ひとしきり笑いあう二人であったが、フェイトが正面玄関のほうに顔を向け突然立ち上がる。
釣られて首を向けたティアナも、慌てて腰を上げた。
 
二重の自動ドアの向こうに見えるのは、正面玄関に横付けされた、高級そうな黒い車。
 
待ち人が、到着したのである。
 
*   *   *
 
やれやれ、なんとか終わったか。
 
未だ学会の行われている講堂から出て、ユーノはベンチで一人外から流れてくる空気を吸っていた。
 
「少し、研究不足だったかなぁ……」
 
自分で発表していて、いくつかアラが目についた。
もう少し細かい部分で内容を推敲できたはずである。
現に発表後の質疑応答でその辺りは概ね質問を向けられた。
 
それでも内容的にはそれなりに満足のいく論が練れたと思うし、
受けた質問もなかなか参考になるものばかりだった。
久々の学会としては及第点をつけられるものだろう。
 
「……」
 
これからどうするかということを、彼は考える。
 
もちろん学会に来た以上は最後まで聞いていくのが礼儀であるし、自分の研究のためにもなる。
普通はそうするのが当然だ。けれど今の彼にはもう一つ選択肢がある。
 
「もうはじまってるのかな、お見合い」
 
すぐそこで。
会場から少し足を踏み出せば視界に入る高層ホテルの一室で、なのはがお見合いをしている。
その事実は彼を迷わせるには十分なものだった。
 
一応、はやてから送られてきた部屋番号や座敷の名前をメモした紙は持ってきてはいる。
 
だが──行って自分になにができる?
 
(なのはの問題なんだし……な)
 
彼の意識は、この二週間で少し落ち着いていた。
相変わらず、奇妙な焦燥と不安が心の隅にはひっかかってはいるが。
 
落ち着いて考えて、自分がどうこうできる問題ではないのだと思う。
 
……思うのだけれど。
 
「っあー!!もう!!」
 
髪を掻き毟って声をあげる。一体自分はどうしたというのだ。
 
「なのはは……どうしてるんだろ……ッ!?」
 
コツン、と靴音がして、現実に引き戻された。
彼が見た先には砂の色をしたボロを頭から被った人間が一人。
ついさっきまでいなかったその姿は、普通にこの会場に入ってきたのならひどく目立つだろう。
正直言って、場違い甚だしい。
 
眉を顰め訝しむ彼のほうへと、その人間はゆっくりと近付いてくる。
 
一歩、二歩、急ぐでもなく廊下に足音を響かせて。
 
そして、ユーノと相対する形で、その足を止めた。
 
ユーノ・スクライア殿でいらっしゃいますね?」
 
その声は低く野太い、男のものであった。
少なくとも、そのような男から声をかけられる憶えは彼にはなかった。
 
*   *   *
 
そして同じ頃、なのはは化粧室で洗面台に向かっていた。
 
「……はぁ」
 
疲労の色濃い息を深々と吐く。
 
「これでいいのかなぁ、お見合いって」
 
相手の男の人は、たしかに優しそうな好青年で、いい人ではあったのだが。
いまいち自分がうまくやれている自信がない。どうにも緊張が抜けず、精神的にくたくただ。
これならまだ、教導隊で初対面の生徒たちに一から戦闘技術の教導を行っているほうが楽かもしれない。
 
蛇口を捻って手を漱ぎながら、思う。
薄くではあるが珍しく化粧なんてしているから、その具合も気になるところだ。
紙タオルで水気を切って身の回りの必要なものを詰めた小さなポシェットを開き、母から借りたコンパクトを探す。
正面の大鏡に顔を向けたままだから、手探りだ。
 
と、なにやら奇妙な手触りが左手から伝わってくる。
別にその感触自体は不自然なものでもなんでもないのだが、今ここにあるというのが妙であった。
 
「……あ……!!」
 
いつもはなのはの髪を束ねている、緑色のリボン。
そういえば、今朝中身を纏めるときに一緒に入れたんだっけ。
 
手に取り、普段しげしげと眺めることのないそれをじっと見つめる。
 
「ユーノ君……」
 
連想されるのは同じリボンをもつ、彼のこと。
 
彼は忙しさにかまけて髪を切るのを面倒くさがって。
見かねた自分が、身に着けていたリボンの片方をあげたのだった。
そのリボンを今もなお、彼は大切にしてくれている。
 
高町なのは一等空尉で、よろしいですか?」
 
しばらくそうやって、見とれていた。
何を考えるでもなく、ただ見ているだけで気が楽だった。
 
そんななのはを、背後から誰かが呼ぶ。
これが男の声であったら驚きもしたのだろうが、ここは女性用。
女の声がしてもなんの不思議もない。
 
さして警戒心もなく、なのはは振り向く。
 
「あれ?」
 
しかしそこには誰もいない。
空耳だったかとも思う彼女を、再び先程と同じ声が呼んだ。
 
「こちらです。足元をご覧下さい、高町なのは一等空尉」
 
その指示に従い、なのはは足元を見る。
彼女の爪先からほんの数センチ先のところに、「それ」はいた。
 
「えっと」
 
体長三十センチほどの小さなフェレットが、こちらを見上げていた。
まるでかつてユーノが自分の家でそうしていたように。
 
スクライア族の使いで参りました」
 
その姿に似合わぬ、大人のものと思われる女性の声でフェレットは言った。
振袖の少女とフェレットの会話とは、傍から見れば非常にシュールである。
それを気にしたのかそうでないのか、フェレットの姿が輝き、徐々に人間の姿へと戻っていく。
 
やはり彼と同じ。変身魔法を説いたのだ。
知っているなのはは、さして驚きもしない。
 
「……失礼。本日はあなたにお願いがあって参りました」
「は、はあ。なんでしょう」
 
髪の色はユーノと同じ。顔立ちもどこか面影の似ている背の高い女性は、なのはに告げる。
 
「我々に、返していただきたいのです」
「え?」
 
彼女のもとを訪れた理由を。
なのはが想像だにしなかったその目的は、ただひとつ。
 
「あなたの持つデバイス……レイジングハートを」
 
(つづく)
 
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