近付いてきてますね。

 
長男で一人っ子、おまけに家庭的に色々ありましてお盆周辺は割りと長めに帰省必須な罠。
一度行ってみたいんですけどねぇ。
 
かわりといっちゃーなんですがなのは×ユーノステーションのほうを頑張らせていただきますとも。
 
投稿について少々規定などに追記を行いました。
参加予定の作家様がたは御覧になっておいてもらえれば。
性的描写(要は十八禁)有の作品についてと、送信するURLのssとサイトいずれかからssとサイト両方への変更について。
前者は忘れてた俺阿呆って話ですが。
後者についてはやっぱり、これだと思った作者さんの作品はもっと読みたくなるというのが心情でしょうし。お手数ですがよろしくお願いします。
 
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以下、Web拍手レスです。
 
>ヴェロッサはシャッハとくっつきますよ! と主張してみます。 by消しゴムの人
巷ではそんな空気になってますねーorz
でもいいじゃないか。兄の親友に憧れる妹なんて、すごく萌えるシュチュエーションだと思うんだ(そうか?
 
>GJ! GJだで640氏! なのはの事故話はTV本編ではやってくれんのかねぇ……。
尺的に厳しいでしょうね。まあクアットロ@バジーナ大尉が一枚かんでる風なんでなんかしら言及自体はありそうですが。
 
>更新お疲れ様です!なのはの事故の原因…もう戻らない身体機能。続きが気になって仕方がありません。牛歩と言われていますが、このじっくりとした描写が大好きです。
そういわれると助かります・・・。できるだけ鞭入れて書きますんで!!
 
>あぁ…ついにフェイトもユーノも知ってしまいましたか。辛い半年の始まりですね。…それにしても、ほぼ毎回フルドライブ起動&カートリッジ全消費って、どんな任務やってたんですか。(汗) なのはの性格からして、事態の早期解決のために、必要ないところでまで起動してた可能性は否めませんが。
多分、なのはの性格+最前線という組み合わせで。
普通の武装隊員じゃ厳しい、ってところにエースのネームバリューもあって優先的にまわされていたんじゃないかと。
 
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さて、んでわnocturneアフター更新。
 
↓↓↓↓
 
 
 
 
 
 
『ひょっとして────……フェイトの恋人?』
 
違います。ううん、違うよ。絶対、違う。
 
多分あの一言が、引き金だったんだ。
彼のなにげない言葉に、思わず動揺してしまって。
とてもユーノと顔を合わせていられなくて、同級生の手を引っ張ってその場を離れた。
ユーノにはすぐ戻ってくるからこの辺りにいて、と言い置いておくことも忘れずに。
 
背中に残してきたユーノがきっと見えないと思えるくらいまで、おもいっきり走って。
目の前に見えたエスカレーターも無作法に駆け下りて。
上がった息を整えて、少年に自分とユーノとの関係を説明して、そして別れた今も心臓がどきどきしている。
 
「……私とユーノは、そんなのじゃ」
 
恋人なんかじゃ、ない。
それは紛れもない、否定のしようもない事実。
 
「そんなのじゃ、ないのに」
 
けれどそのことをクラスメートに説明した口の中が、不思議なほどに苦い。
ユーノのもとへと戻る足取りも逃げ出すように機敏だった往路に比べ、鈍いものになっていた。
 
「だって、ユーノが好きなのはきっと……」
 
きっと、彼女だから。
自分が割って入る余地なんて、きっとない。
 
──そこまで考えて、フェイトはハッとなり、足を止める。
 
「……そうだよね。ユーノは、なのはと」
 
今更、自分は何を言っているのだろう。
待ちぼうけを食わせてしまった以上の罪悪感が、心を満たしていく。
 
「……ん」
 
そんな折に、見つけた。
 
彼の色をした、それを。
自分と彼女の絆の象徴たる、それらを。
 
彼女が丁度足を踏み入れ、立っていたのは女性向けの──若年層向けの、アクセサリーや小物を売るフロア。
吸い寄せられるように少女は、ふらりとそちらへ歩いていった。
 
 
魔法少女リリカルなのはstrikers −nocturne−
  
after.4 混迷する海鳴
 
 
『ひょっとして────……フェイトの恋人?』
 
状況は、フェイトが帰ってきてからも変わらず。
 
彼女の同級生の一言が二人……特にユーノ自身に与えた影響は、軽い気持ちで言ったであろう本人の予想を遥かに超えて大きなもので。
少年と別れたあと、戻ってきたフェイトとの間に気まずさを抱えたままなんとか店を回って目的にかなったものを見つけたものの。
 
目的を達したあとの一休みということで入った喫茶店でさえ、二人はもう碌に目を合わせることもできなかった。
 
(……ここに入ったの、失敗だったかな……)
 
商品を購入後、このままでは間が持たないと判断したからこそ、ユーノは一旦(主に自分の)頭を冷やすべくフェイトに休憩を提案したのだが。
 
結果はむしろ、逆効果。
全然、落ち着けないし頭も火照りっぱなしだ。会話もない。
結局今日の朝、ぎくしゃくとしていたあの空気の振り出しに戻ってしまった感すらある。
あんなよくも知らないような奴の言った言葉にこれほど動揺する自分が、なんだか情けなかった。
 
自分とフェイトはただの友達。
見ず知らずの通りすがりの人間の言ったたった一言なんて、意に介す必要もないはずなのに。
 
(あいつめ……)
 
名前すらもはや覚えていない少年を、密かにユーノは恨んだ。
 
「……ユーノ」
「……」
「ユーノ?」
「はっ!?はい!?」
 
そしてあまりに沈黙に慣れてしまっていたせいか、フェイトの話しかける声を一瞬、聞き逃していた。
気付いたユーノは慌てて彼女のほうへと目線を向ける。なるべく視点が交差せず、一致しないように。
 
けれど間抜けな彼の様子に気付くこともなく──正確には気付く余裕もないだけなのだが、フェイトは視線を落としたり、上目遣いに彼のほうを見たりしてしばらく迷った挙句に、やはり朝と同じことを言った。
 
「今日は、その。……ごめん、ユーノ。やっぱり嫌だった、よね」
「って、え!?な、なな、なんで!?」
 
違ったのは、朝は語尾が疑問形であったのが、今度はそうに違いないとでも言いたげに、確認をとる形になっていること。
そして朝とは意味は同じでもとっさに出た言葉の違うユーノの返事であった。
 
フェイトの言葉を、予期していなかったからこそ。
動揺を隠せない。
 
「……だって。ユーノはなのはのこと、好きなのに」
「そ、それは……」
 
隠せないはずなのに、決定的ともいえる一言に対しては自覚せぬまま口ごもる。
 
なんでわかったんだろうと冷や汗をかきつつ疑問に思うのは、本人だけである。
その隠し切れない態度こそがなによりの証左だというのに。
   
「なのに、その、私なんかと……その、あの、あの、こ、こい……だなんて言われて、きっと嫌な思いしたと思うから」
 
肝心な部分、というか単語は聞き取れないくらい小さい音量だった。
だって恋人なんて言葉、恥ずかしくてとても口に出して言えるわけがないもの。ユーノ自身、そうだから。
 
ただでさえ上気していた顔を更に真っ赤にして、消え入りそうなくらいに縮こまるフェイトは心情的に、おそらく頭から見えない湯気を吹いていたことだろう。
きっと恥ずかしさと、よくわからない申し訳なさとで。
 
「フェイト……」
「だから……ごめんなさい……」
 
三度謝るフェイトのその謝罪の言葉を聞いて、ユーノは自身の抱えていた混乱と気恥ずかしさも忘れ。
先ほどまではじっと見返すこともできなかった彼女の俯く頭を、影になって見えないその表情をつい、見つめていた。
 
そんなことない、とか。謝らないで、とか。
何か気の利いたことを言うべきなのに、何も言えぬまま。
 
「そ、それでね。お詫びといったらちょっと違うかも、なんだけど……」
 
────────と。
 
「へ?」
「え?」
 
キィン、と独特の発動音を伴って。
彼らを取り巻く状況が一変する。
 
「け、結界……?」
「っ……!?」
 
辺りの雰囲気ががらりと変り、人っ子一人いなくなった。
 
「しかもこの魔力?」
「お、お兄ちゃ……ん?」
 
おまけに二人が無茶苦茶よく知る人物の魔力だ、これは。
結界の発生に警戒し、反射的に臨戦態勢の厳しい表情をとりかけたフェイトも、すぐその顔に困惑を浮かべ首を傾げる。
 
「なんで?」
「さ、さあ……?」
 
なんでまた、こんなところにクロノの結界が?
 
「おい、そこの淫獣」
 
とりあえずその答えは、たった今目の前に転移用魔法陣から現れた黒髪の馬鹿兄から聞いたほうがよさそうだ。
まだ二人はクロノが完全にイッちゃってる……もとい、暴走しているということは知らないのだが、そこはそれ。
 
「クロノ!?一体どうしたのさ、こんなとこに」
「問答無用!!うちのフェイトに手を出した報い、受けろフェレットもどきっ!!」
「お、お兄ちゃん!?何言って……」
「だからフェレットはやめ……ほ、本気かっ!?」
 
そう。残念ながら、本気である。
彼の失礼な言葉に激昂する間もなく、事態も飲み込めないままのユーノに対しクロノは手にしたデュランダルを掲げ飛び掛っていく。
左手にはS2Uまで起動する始末だ。
 
「永久に氷の中で眠ってしまええええっ!!!」
「はあっ!?」
「ちょ、お兄ちゃ……クロノ!?」
 
*   *   *
 
『──ってわけでごめん、よろしくっ!!』
「はい……わかりました」
 
慌てて連絡を入れてきたエイミィから説明を受け一同は、通信が切れた直後深く溜め息をつく。
 
──なんだか、なあ。
 
彼女達がジト目で見る先では、ユーノがクロノからの攻撃をシールドで防いでいるところだった。
スティンガーブレイドに、スナイプまで。
うわぁ。あの兄馬鹿シスコン男、本気でやってるよ。あそこまでやるか普通。
 
いつ、エターナルコフィンを使われるかと思うと洒落にならないぞ。
 
「あのシスコン」
「……あんなのが身元保証人の一人とは、この宮仕えの身が情けない……」
「と、とりあえず二人を止めんことには」
「う、うん。もしフェイトちゃんがユーノ君をかばったりしたら、余計クロノ君勘違いして暴走しちゃうよね」
 
そうなる前になんとかしなければ、自分達が身体を張って。
 
……非常に不本意ながら。
 
「なのはちゃん達、頑張って」
「「「はぁ……」」」
 
『let's go,master,Let's stop that foolish boy!!』
「だからなんでそうやる気まんまんなの、レイジングハート
『For the friend of my master!!』
 
嘘だ。絶対嘘だ。
この杖絶対、自分が楽しむためにやろうとしてる。
今度やっぱりきちんとフルメンテに出そう、調整してもらおう。主にAIの周辺を。うん、決めた。
なのはは密かに愛杖に対して、思った。
 
「はぁ。仕方ないなー……セットアップ」
 
釈然としないままだが、とりあえず愛機にデバイス形態・アクセルモードの起動を命じるなのは。
今のレイジングハートだったら勝手に起動してクロノにつっこんでいきかねない。
エクセリオンモードでA.C.Sを展開してそれはもうおもいっきり。
ここは素直にデバイスモードにしておいたほうがいい、きっと。
 
うん、きっと。
 
「頼むからおとなしくしてね、レイジングハート
『It is necessary to exclude the trouble immediately』(早急に障害は排除すべきです)
「……努力はするよ」
 
……本当に、大丈夫なんだろうか。果てしなく不安になるなのは含む一同。
 
「……まったく。仕方あるまい、いくぞレヴァンティン」
『ja』(了解)
「うちも一応原因つくった一人やからなぁ。ちゃんと最後まで面倒みたらんと」
 
はやても騎士甲冑を身に纏い、シュベルトクロイツを手にして準備完了。
換装を終えもう一度深々と溜め息をつく三人。本当にご苦労さまです。
 
「えと、私がアクセルシューターで牽制するので」
「斬り込むのは私だな。背後からレヴァンティンで警告して止まればいいが。まあ、なんとかするとしよう」
「で、状況に応じて動きの止まったそこをうちがミストルティンで固める、と。こんなとこか」
 
そしてすぐに回収、離脱。
 
しばらくクロノが石になる(比喩表現ではなく)が、止むを得まい。
三人がかりとはいえ、そう手加減のできる相手でもない。
魔力の槍で貫くことになるけれど、気にしない。どうせシャマルに治してもらえばいいし。
多少物騒でもこの方法が一番てっとりばやいのだから、さっさと済ませてしまおう。
 
『なんなんだよ、もう!!!』
『だまれ!!このエロイタチ!!その罪、万死に値するっ!!!天誅と思え!!』
『わけわかんないって!!それに誰がエロイタチだ!!誰が!!』
『ふ、二人とも落ち着いて……クロノっ!!』
 
ガシャーン。あ、フロアに並んでたブランド腕時計のショーケースがおもいっきり割れた。一個ン十万するようなやつが。
向こうのほうでは相変わらず暴走したクロノによって、売り場が戦場と化している。
あとでアースラから修復部隊も呼ばなくては。出動予算はおそらく彼の給料から引かれるのだろうけど。
一応、被害が拡大する前に自分達も急いだほうがよさそうだ。
 
「とりあえず二人とも、結界抜いてしまわんよう気いつけような。周りの人にばれる」
「はっ」
「そうだね」
「「いってらっしゃいー」」
 
手を振る非戦闘員二人を背に、三人は友の待つ戦場へと(しぶしぶ)向かう。
 
(……クロノ君、あとでスターライトブレイカーだね)
(斬る)
(石に固めたまま次元の海に沈めたろか)
 
次元世界の秩序と平和を守るべき管理局員としてそれはどうだい、といいたくなるようなそれぞれの考えた黒い思いを胸に秘めて。
 
多分そこは彼女達が今まで駆け抜けてきた中で、最も下らない。
最もやる気とは程遠い戦場であった。
 
(つづく)
 
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