息子(俺)が帰省中。

 
よし、旅行に行こう。
 
・・・何この三段論法。
安直かつフットワーク軽すぎるぞマイペアレンツ(滝汗
チケットとってから言われましても。いや、行ってきたけどねハウステンボス
海の際はやっぱいいですなぁ。
 
そうそう、言い忘れてましたが地味にオトコノコ祭りに参加してたりしてました。
web拍手のほうでご感想いただいたので一応こっちでも報告。
でもこっちでは載せないですよっと。
祭りの会場で是非他の職人の皆様の作品と共にお楽しみください。ってか俺のより絶対読むべき作品ばっかなので。
 
でわweb拍手レスです。
 
>どうもこちらでは久しぶりのまるです。フェイト切ぇ…確かに報われる話は見たいです。でも正直このCPって三期でクロノが既婚になったから生まれたよなもんですよね。本編見るだけだと接点殆どないしなんつーか色々難しいと思います これからもがんばって下さい
orz←実は一期終了直後はわりとユノフェ派だった男(ユーなの6、ユノフェ4くらいの割合で)
や、血のつながってない兄妹(クロフェ)にはふつーに仲のいい兄妹やっててほしかったのさぁ。(本人達は兄妹のつもり、周囲はバカップル扱いなそんなノリで)
 
>意外に(?)絡みの少ないなのはとスバルの話、嬉しいです。後編も楽しみにしています!
せっかく新技出てきたんだしなのは教官の指導とくっつけてみました。絡み、少ないですねぇ。
 
>うわーうわー、なのはさん直伝の必殺バスターか…。それにしてもスバル嬉しそうですね
一子相伝の暗殺砲撃……それが北斗し……もとい、ディバインバスター(ぉ
 
>本編が厳しい感じになってるんで640さんのSSでいつも癒されてます
ごめんね最近鬱傾向でorz喪失辞書がそろそろ反撃開始なんであがってくると思いますので・・・。
 
>どうも、コンさんのところの店子、サイモン・ユージというものです。今更のような気もしますが、オトコノコ祭りssを拝見した感想を一つ。ユーノのニブチン。わからないのか、そこまで言われて!?いや、わから無いのがユーノか………。なのははキチンと約束を守れるのでしょうか?その辺は本編に期待ですねー。ユーノの出番と共に………。では、これからもご健勝のほどを。それでは。
あ、どもですー。ユーノの鈍さだけはガチ、ということでw
 
>なぜだが切なく、そして暖かい話でした。ありがろうおざいます
なのはとしてもスバルにもっと色々してやりたいと思ってるんでしょうけどねー。
 
>なのはの重装甲を破るなんて……スバル・メカジマ、何て恐ろしいメカなんだ…!
訓練初期〜中期のエリオで傷入れれてたんで、上達後&バリア抜き&ゼロ距離砲撃なら袖くらいは吹っ飛ばせるんじゃないかなー、と。
 
>ごっつあんでした。なのスバって当初予想されていたほど本編では絡まないんですよねぇ〜。
絡みが少ないのは演出のせい・・・と言ってしまうのは簡単ですが。
深読みするなら、都筑先生がメガミでのインタビューでヴィヴィオについて言っていたように、「仕事」と「私情」の区別の問題なんだと思います。
スバルにばかりかまってやることもなのははもちろん可能なのでしょうが、顔見知りだろうがなんだろうが六課においてなのはとスバルの関係はあくまで「上司と部下」であり、スバルは部下四人のうちのワン・オブ・ゼムに過ぎないのですから。
ヴィヴィオのことについても自分の立場を優先させなければならないといって泣いていたなのはですから、知り合いとはいえスバルにばかりかまってやるわけにもいかないとわかっていた・・・と解釈することはできないでしょうか。
 
− − − −
 
さて、それでは喪失辞書の十七話です。昨日一昨日の短編もssまとめのほうに収録しておきました。
 
↓↓↓↓
 
 
 
 
−旧ベルカ地方・聖王教会領、山間部−
 
周囲に、空間モニターのパネルがいくつにも浮かぶ。
広がる緑の森林を足元に確認していくのは、それぞれに準備を進め配置につく仲間たちの姿。
 
夕暮れまであと、二〜三時間といったところか。
 
『はやて、どうだ』
「……結界維持の武装隊員、問題なしと。全部OKや。フェイトちゃんたちは?」
『こっちも問題ないよ。私もアルフも、ヴィータたちもいつでも出られる』
「ま、みんなが出てこずに済むんが一番なんやけどな」
 
アースラとの通信のためのウインドウだけを残し、手早くモニターを切断していく。
出てくる必要がなければとは言ったものの、その通りになるとも思えない。
実際向こうと相対することになれば、この通信も切ることになるだろう。
そんな余裕もなくなるはずだ。
 
「あくまで最初は、私とあちらさん──夜天の創造主との対話がメインやってこと忘れんでな」
『ああ、わかっている。だがくれぐれも無茶はするなよ』
 
おそらくは話したところで、何が変わるものでもあるまい。
けれどはやてはこの任務にこの作戦を採るにあたり、ひとつだけクロノたちに要請していた。
 
まずは、自分にあちら側の二人と話をさせてはもらえまいか。
それで投降するというならばよし、ダメだったならば全力を以って管理局の追う二人の身柄を拘束し、奪われたロストロギアを奪取する。
自分で言い出した作戦にいちいち注文が多いのかもしれないが、それでもはやてはクロノとフェイト、旧知の兄妹指揮官二人に対し願った。
 
──もしかすると、ロストロギアとか。身柄の確保などというのは自分にとって二の次なのかもしれないと思いながら。
 
「はやてちゃん?ユニゾンはいいですか?」
「……ああ、かまへん。とりあえずは私の魔力だけで誘いかけてみて、様子見や。リインもしっかり周囲の魔力反応、見といてな」
 
自分の要望が、吉と出るか凶と出るか。それははやて自身にもわからない。
一体話して自分がどうしたいのかもわからない。
ただ、聞くことは決まっている。
 
『はやて。あと一時間後に開始だ、いいな』
 
ユーノたちによるその後の調査で、あの日発見された資料の信憑性は揺るぎないものになった。
つまりは、ロストロギア内部より現れたあの男こそが夜天の書を闇の書へと変貌させた張本人であり。
また自身を管制人格として魔導書へととりこむことによって悠久の時を生き延びてきた夜天の創造主であるということが明確になったということである。
 
だが発見された彼の手記から読み取ることができたのは、そこまで。
理由はただ、自身の欲望とのみ記されているだけであった。
 
どうして。何故。聞きたいのは、そんなこと。
ただ妬みや嫉みといった自分の弱い心に負けたというだけで、人はそのようなことができるものなのだろうか。
まして夜天の書を作り上げるほどの優秀な技術者であった、彼ほどの人物が。
何か他に理由があったのではないか。いや、あったと思いたい。
はやてが敵対する相手との対話を望んだのは、自身が主となるはずだった「あの子」の創造主を信じたいという願いが心にあったが故。
その思いは、はじめて事実を耳にしたときに心に湧き上がった怒りを遥かに超えて、はやての心を埋め尽くしていた。
 
 
魔法少女リリカルなのは 〜the lost encyclopedia〜
 
第十七話 問い
 
 
午後のそよ風が、木々の葉をかさかさと鳴らしては去っていく。
次第に寒さを増していく、秋から冬へと移り変わる季節の風も太陽の出ているおかげでまだ暖かい。
小春日和のような、そんな気候がのどかな海鳴の街を包んでいる。
 
街の中心部から離れたそこは、広い庭。
ほとんど山ひとつといってもいいほどの森を望むテラスにテーブルを出して開かれる、簡単なお茶会。
 
出席者は、自分と。招いてくれた友人と、誘ってくれた友人の三人。
時折給仕にやってくるメイドの女性も、当然の事ながらよく知った間柄で。
ゆったりとしたのどかな時間が、その場には流れる。
 
「なのはちゃん?」
 
なのはは、すずかの家にいた。することがないならば一緒にお茶でもしないかと、アリサに一言誘われて。
 
受け入れ、望んでやってきたはずの場所。
美味しい紅茶にお菓子の揃った、心躍る午後のひととき。
だが楽しいはずの親友たちとの時間も、無為に過ぎていく。
 
ぼんやりと紅茶の水面に落とした視線に、風が起こした波紋が揺れる。
 
「もう。そんな辛気臭い顔しないの。せっかくのお茶会なのに、楽しくないの?」
「あ……ううん。ごめんね、アリサちゃん」
 
楽しいか楽しくないかと訊かれれば、それはもちろん楽しいけれど。
それでもけっして心が弾むことがないのは、水面に映る自分の顔に一人の少女が重なるから。
昨日も、今日も。一昨日も、そのまた前日も休みだったあの子のことが頭から、離れない。
膝の上に抱いた子猫も自分の沈んだ気持ちが伝播してしまったのか、なんだか元気がない。
 
「……ねえ、二人とも」
「……ん」
「なあに?」
 
屋上で会った彼女も。よくわからない場所の、自分の寝かされていたベッドのもとに現れた彼女も。
 
「フェイト……ちゃん。えと、ハラオウンさんだっけ。うちのクラスで、休んでる子」
 
何故だかとても悲しそうな顔をしていたから。
そんな顔をさせているのがどうしてだろう、自分であるように思えてならなかったから。
 
フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
 
友人のはやてと共に欠席を続ける彼女の名が、不思議なほど心に残っている。
まるで、気心の知れた友人同士であるかのように。
 
なのはは自分でも驚くほど自然に、彼女のことを下の名前で呼んでいた。
 
「ついこの間まで、あんな子がうちのクラスにいたことも知らなかったはずなのに。不思議だよね」
 
彼女の悲しい顔を見たくない。
彼女に、笑っていてほしい。
どうして自分はそのように、思ってしまうのだろう。
 
「どこかで……会ったこと、あるのかな。あの子とわたし」
 
金髪の少女に、“もう一度”名前を呼んでほしい。
そう自分が思う理由を、なのははわからなかった。
 
*   *   *
 
同じ頃、シグナムもまた一人、海鳴へと戻ってきていた。
袖口から覗く右手も、随分と巻かれた包帯の厚みが薄くなっている。
 
──地球は割とマイナーな管理外世界やし、大丈夫やと思うけど。それでも万一ってこともある、なのはちゃんのことお願いな。
 
航空武装隊のエースが、戦闘不能の事態に陥った。
しかも病院や局の保護下にあるでもなく、局の力の及ばない場所で静養している。
それは管理局に過去煮え湯を飲まされたことのある犯罪組織からしてみれば、渡りに船の状況であろう。
 
エースを討つということは、その組織力を誇示する上でも非常に大きな説得力を与えることになる。
なのはを狙う輩が海鳴へとやってくる可能性は──限りなくゼロに近いとはいえ、ゼロではなかった。
 
故に、置いていく。戦う力を失った彼女を、万に一つの危機から守れるように。
傷ついているとはいえ、並みの使い手に烈火の将の力が劣ることはないと知っているからこそ。
だから仲間たちと自らの向かうべき場所に赴く主は、傷の完全に癒えていない彼女を残していくにあたりそう言い置いていった。
 
しかし、デバイスすら手元にない自分が残ることでそのような事態に対しなにかできることがあるというわけもなく。
自分がひとりこの世界に残された本当の理由を最もよくわかっていたのは、他ならぬ彼女自身で。
 
“無理をするな。……お前は、戦えまい”
 
戦場へと赴く家族達に食い下がろうとした彼女に盾の守護獣が残した言葉がその全てを物語っていた。
 
自分には、戦うしかできない。
けれどその唯一のことすら、今の自分には立ち向かうことができない。
戦うということができない自分は、あまりに無力で。
 
がらんとした家に一人でいるということは、ただ無為に過ぎていく時間が歯痒さを通り越して苦痛しか心に生まなかった。
 
(……私は、何をしているのだろうな)
 
主たちを追ってひとまず局まで行こうかということも考えた。
けれど行って、なにができる?
覚悟のない自分が行ったところで、モニターで戦闘の様子を眺めるだけしかできないだろう。
たとえ戦列に加わることを望んだとしても、中途半端な今のままでは、主や指揮権をもつクロノたちはそれをゆるさないに決まっている。
 
それを跳ね除けてまで、敵と──レクサスと戦う覚悟が急に自分に生まれてくるとも思えない。
 
「牙の抜けた騎士……か」
 
結局、あてもなく。
じっとしていることもできず、午後の街をふらふらと彷徨っている。
 
……無様な、ものだ。そして、惨めだ。
 
「まったく、その通りだ……な」
 
元気に走り回る子供たちの姿に道を空け、立ち止まる。
 
烈火の将の二つ名が、聞いて呆れる。
何が烈火だ、こんなか細い炎のどこが烈火なものか。
 
(……滑稽だ、どこまでも)
 
騎士としての務めまで、放棄して。
再びのろのろとした歩みを前に出しながらも、彼女の自嘲は止まることがなかった。
 
すぐ横の車道を背中の向こうの四つ角から走ってきた蒼い車が、追い抜いていったことにも気付かずに。
そして自身の少し前方で、その車がタイヤを軋ませて車体を停止したことにすら。
 
鳴らされていたクラクションに、ようやくシグナムは我を現実の世界へと帰還させ、周囲を見回す。
無論それも、けっしてその呼びかけが自分に向けられているものであると意識してのものではない。
この少し先は交差点のはず。曲がり角を曲がりきるのに手間取っている車に後続が苛立ってのことか。
せいぜいがピックアップすべき相手を見つけた若い二人連れの片割れが、もう一方に自身の位置を報せるためのどうでもいいような、自分とは無関係のものであろうと。
 
「シグナムさん?」 
「……?」
 
しかし彼女が耳障りな音の発信源を見つけるのと、その声が発せられたのはほぼ同時だった。
 
歩道沿いに寄って停止した普通車の窓は、開いていて。
サングラスを外した顔が、こちらを窺っている。
短い髪の女性の、意外な相手を見つけたと言わんばかりの表情は、シグナムにとって……いや、主であるはやてをはじめ、自分たち一家にとって忘れられるはずのないものだった。
 
「石田先生?」
「あ、やっぱり。ご無沙汰してます」
 
主の。家族にとっての恩人。
はやてのかつての主治医──石田幸恵医師は人違いでなかったことにほっとした様子を見せると、エンジンを止めて車から降りてくる。
 
薄手のカーディガンに、ジーンズという出で立ちで。助手席に鞄と共に見えるコートを車内に残して。
 
「……なんだか元気がないご様子ですけど?……どうかなさったんですか?」
 
おまけに、気付かれたくないことに、気付かれた。
会ってまだ数十秒と経っていないのに、よくわかる。
毎日様々な人間を見てきている医者の目は、誤魔化せないということか。
事実、自分の気分が沈んでいるということについては心中ですらもシグナムは否定をし得ない。
 
尋ねられたのは、一般人である彼女に対しては答えにくい。問われれたくないこと。
いや、たとえ相手が一般人たらずとも、今のシグナムにとって一番他の人間に訊かれたくはない質問であった。
 
*   *   *
 
『はやて、時間だ』
 
ゆっくりと時を数えながら待っていたその瞬間が、ついにやってきた。
 
危険は承知。
どうなるか、どういった結末になるかはやってみなければわからない。
鬼が出るか、蛇が出るか。それはあちらの出方しだい。
 
「よっしゃ」
 
深呼吸で吐き出した息と共に、緊張を振り払う。
 
「いくで!!」
 
願わくば──鬼も蛇もなく、全てが万事問題なく終息せんことを。
 
(つづく)
 
− − − −
 
感想やつっこみなどありましたら、一緒にどうぞ。つWeb拍手