鷹ファンなんで当然気になる罠。
実際さ、オタで野球ファンの人っているようでいないけど、いないようでいるよね。
まずはweb拍手レース。
>今更ながら24話の感想見たのですが、「本編でのエリキャロとフェイトの絆の薄さ」についてノータッチなんですが、この辺についてはどうでしょう。他メディアで補完されてるから良いという事でしょうかもしかすると「二次創作では描けてるから大丈夫」という事でしょうか確かに二次創作なら、ヴィヴィオとエリキャロの関係も書けますからね。そういう事で、ふ、ふんっ! 「十歳のパパとママ」みたいな話は面白かったんだからねっ!まあなんでしょうか。本編でちゃんと描写してくれても良かった気がします二次創作に丸投げしてる印象はありますね。二次創作の燃料として見れば良い出来なんでしょうけどねでも本編と二次創作は違いますよ。そこは忘れないで行きましょう。
えーと、エリキャロとフェイトの絆については本編でも(ほんとに最低限ではありますが)最低限の描写はしてあるんで、まあCDや漫画のプラスアルファもあるしで目くじら立てるほどのことでもないのではないかと。
あと、何度か言ってるんですが自分が言いたいのはあくまで「そんな酷評されるほどではない」というだけです。stsに問題点があることは重々承知の上です。それでそんなにひどく言われるほど悪いかなぁ?というだけであって。叩いて埃が出てこない作品なんてそもそもがありえないわけで。自分は評論家ではありませんし、俺は楽しめたよ?ってだけです。・・・この話題あんまりひっぱりたくないんだけどなー(汗
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で、喪失辞書更新。
クロノよ出番だ。ていうかたった二週間弱書いてないだけでここまで文章がしっくりこなくなるとは・・・。ある意味リハビリ。
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純白の衣は、かつてのものではなかった。
『Barrier Jacket Aggressor Mode, Condition all green.』
「……一気にいくよ、レイジングハート」
動きやすさを重視したミニスカートを、ニーソックスに覆われた両足共々アウターのスカートが更に両サイドから包み込み。
徹底的なリファインの加えられた上半身も、デザインはマイナーチェンジながら装甲と機動性の両立を感じさせる。
「エクシード、ドライブッ!!」
さらにそのフォルムが、光の中に砕け変容する。
打って変わって、以前の少女と杖の姿の影を、いくぶん残した形へと。
「エクセリオンモード……?いや、違う……?」
だがその形状は、より戦闘的に。
胸元の装飾が廃された上着は装備の取り回しに優れるよう、前が開かれた状態でビスチェ状のボディスーツの上にはためく。
砲撃に際し強力なグリップを必要とし対衝撃性を要求される腕周りの装甲もまた、厚く強化されている。
長槍と化したレイジングハートの形状もエクセリオンモードの外観とは、若干の違いがある。
見慣れぬその姿にフェイトが驚くのも、無理はない。だが計画は、以前よりあった。
全力全開、それを超えたエクセリオンモードの危険性が現実のものとなった折から。
だから漸く、といっていいかもしれない。
彼女たち二人は、生まれ変わった。
──その名は、エクシードモード。限界以上ではなく、限界そのものをボーダーラインに等しく引き出すがための新たななのはとレイジングハートの姿。
魔法少女リリカルなのは 〜the lost encyclopedia〜
第二十一話 烈火再燃
「なのは。はやてが……」
「うん」
リインと二人で、頑張っている。知っていると、なのはは頷いて見せた。
眼前には彼女によって墜とされた数を補充するかのように、不死鳥たちが湯水の如く溢れ出る。
その様子と、友の目と。フェイトは交互に見比べる。──そして、愛機へと命じる。
「バルディッシュ」
訊きたいことは、たくさんあるけれど。
形状の変わったバリアジャケットと、レイジングハートのことにしてもそうだし、記憶のことも、左腕の状態だって気にかかる。
無茶や無理をしているのではないか。よく知る友人であるが故、懸念は尽きないしまた、消えない。
だが、友の瞳はそうは言っていなかった。
今はただ、道をこじ開ける。一人ではない。自分と、二人で。
その意志のみを、光の反射の中に湛えていた。
それはけっして、強がりではない……少なくとも、フェイトはそう思う。
思いは同じ。はやての元へ、急ぐこと。
仮に自分の目が曇っていたとしても、大丈夫だ。今は、側にいる。互いをフォローできる。
だからフェイトも、ザンバーを起動した。
彼女がひとつの道を撃ち抜く砲ならば、自分はその行く手を切り開く剣。
こうやって共に寄り添い戦う機会が減ってしまった今でも、その意志が忘れられ変わることはない。
まして二人で貫いくべき道の先には待つ友がもう一人、いるのだ。
「行こう。……撃ち抜くよ、一気に」
『その必要はない。きみたちは力を温存していろ』
大剣と、長槍。それぞれの得物を構え緋色の女騎士と対峙する二人を、アースラからの声が引きとめた。
「クロノくん?」
艦内からでは、ない。
彼女たちのいる戦域をまっすぐ正面に捉える、航行甲板上。
二機のデバイスを手にした青年の姿が、艦の前方最上部に位置するその場に屹立していた。
右に、氷結の杖・デュランダルを。
左には、永きよき相棒・S2Uを提げ。
『今からアースラの動力と直結したS2Uのブレイクインパルスを結界にぶつける。各員、衝撃に備えろ』
「え……!?」
『心配するな、もう固有振動数の算出も終わっている』
そりゃあ、エイミィからクロノが結界をなんとかするために動いたことは聞いていた。
けれど、こんな突然。そしてこんな無茶苦茶なやり方を持ってくるなんて、フェイトも思いもよらなかった。
「あ、アースラ直結って……大丈夫なの!? デバイスたちもクロノも、耐えられるの!?」
普段、自分やなのは達の無茶に頭が痛いと言っているくせに。
肝心なところでは当の本人が一番無茶をする。
だが、クロノのほうはというと随分と飄々としたもので。
『平気だ、アースラからの動力を利用するのは発射と直撃の瞬間、それぞれ一瞬だけだ。僕が直接受けるわけじゃないし、S2Uもデュランダルもそのくらいであればもつ』
「そ、そうかもしれないけど……っ!!」
『いくぞっ!!』
まったく、ろくでもない兄にして、指揮官だ。
魔力は最小限、効率が第一ではなかったのか。
だが心中での愚痴をフェイトが呟く間に、囮の射撃・砲撃が次々と結界めがけ放たれていく。
もっとも聞いていたところで、クロノは「これが最も手っ取り早く戦力を温存できる手段だった」としれっと言ってのけることだろう。
スターライトブレイカーやプラズマザンバーを使うより、確かにそうであるが故反論もままならない回答を返してくるに決まっている。
クロノからの情報伝達が通信ではなく念話だった──それも、この攻撃に紛れ結界破壊の布石を放つための、傍受を防ぐ上での隠蔽のため。
結界を護るように鳳凰の群が一羽、二羽と氷結の刃や光の弾丸の前に身を呈し、霧散しては魔法陣より生まれ出でる。
フェイトもまた、弾幕に加勢すべくなのはと共に自身の射撃魔法を火炎鳥の一団へと照準なしのフルオートでばらまく。
『ここだっ!!』
『freezing canon』
そして、アースラの艦首と結界とが一直線に繋がったとき。
一条の矢が放たれた。
ブレイクインパルス──その術式を既に打ち込まれたS2Uの機体が投射されると同時に、デュランダルよりの砲撃にのって。
道々を塞ごうとする鳳凰の身体を、S2Uを覆う魔力弾は掠めるたび凍てつかせていく。
なにしろ艦の動力を利用した一撃だ。その程度で減衰するほど、半可な威力はしていない。
また対消滅を敢行して減衰できるほどの数が相手には残されていなかった。
巨鳥たちの網の目をかいくぐり、一本のデバイスは結界へと直角に突き立った。
振動波、発生の瞬間にアルフが、ザフィーラが、なのはがシールドを展開し仲間たちを包み込む。
“六人分の”防護障壁によって。
眩いほどの光と、爆発の煙を放ち。結界は砕け散る。
* * *
爆風に煽られ、飛ばされ。
不規則な回転をしながら、機体表面にいくつものヒビを走らせたS2Uが舞い上がる。
ゆっくりと、放物線を描いて。
上昇する勢いを失い落下を始めたそれを、フェイトは左手で受け止める。
「お疲れ様、S2U」
兄のデバイスだ、簡単な操作方法は知っている。
過負荷による破損状態でエラーコードを出しているS2Uをカード状の待機状態に戻し、懐に収める。
待ってて。帰ったら、すぐにマリーのところに連れて行ってあげるから。もう少し、自己修復機能で我慢して。
「……なるほど、してやられた……そういうわけね?」
騎士の言った台詞は、少しばかり感心するような響きが含まれていた。
しかし結界を破られたにも関わらずなお、余裕のある様子を崩してはいない。
その理由は、簡単だ。
「ま、結界を破ったところで。私はここを通す気はないのだけれど」
行く手を阻むのはなにも、結界ひとつではない。
剣先を向けられ、結界ならずとも大きな壁が自分たちの前に聳えていることをなのはと二人、再認識させられる。
ザンバーを。エクシードモードのレイジングハートを持ち上げる。
なのはとならば、押し通ることができるだろうか。
「……レクサス姉さまは、私が抑える。お前たちは主はやての元に急げ」
──いや。彼女とあわせて三人ならば、か。
持ち上げたデバイスが、火を噴く必要性はなかった。
「彼女」の姿を確認した女騎士の眉が、ぴくりと動いた。
右肩に置かれた手を覆う篭手が、ちゃきりと金属質の音を間近い耳に響かせる。
緋色の騎士甲冑の端々が風になびき、視界の隅をよぎっていく。
タイミングとしてはS2Uのブレイクインパルス炸裂の、直前といったところか。
「──おかえりなさい、シグナム」
「ああ、遅くなった。すまんな」
後ろを振り返るまでもない。張りのある声が全てを物語っている。
尊敬しその実力を認める自らの好敵手の存在が、フェイトの後ろにあった。
「……シグナム」
「騎士としての務め……この身で果たすまで、です」
炎は再び、燃え上がった。
背後からの魔力の流れで、彼女が剣を手にしたことがわかる。
無論、当然に。
修復の完了した炎の魔剣・レヴァンティンを、彼女はその手にとったのだ。
「……少しは騎士としてのカンを取り戻したみたいね」
間違いない。今自分たちの背後にいるのは烈火の将、剣の騎士。
その二つ名にふさわしい闘志を取り戻した彼女に他ならない。
なのはとフェイト、二人の間を縫って緋色の騎士は前に出る。
自身と瓜二つ、かつての師であり仲間であった劫火の騎士に相対するべく。
「主はやてとリインを、頼む」
傷ひとつ、刃こぼれひとつない片刃の剣が、鞘から抜き放たれた。
暮れていく日の光を反射し、軌跡が輝いた。
その輝きさえもを──刀身の纏った炎は余すことなく、包み込んでいった。
* * *
「ん……く……?」
目覚めたそこは、黒一色の世界だった。
とっさに身動きをとろうとしてみて、リインは自分を拘束する、鈍色の鎖の群に気付く。
「う……く、動け、ないです……っ、これ、一体……?」
四肢の自由を、完全に奪われている。
周囲を見回してもなんら、この状況を納得のいく理屈としてリインに説明付けてくれるようなものは見えてこない。
(封鎖空間内……?はやてちゃんや、魔導書の意志は一体どこに……?)
唯一、主はどこか。自分とユニゾンしていたはずの、はやての所在は。
その答えのみ、彼女は得ることに成功する。
「!!」
リインと同じように、鎖に巻きつかれ。主は暗黒の中を漂っていた。
「はやてちゃん!! ……!?」
そして微動だにせず虚空に浮かぶ主の向こうに、祝福の風は見たのだ。
深紅一色の眼に紫の肌。鋼の色をした髪を持つ女性の姿をしたなにかを。
その下半身を構成する巨大な──……あまりにも巨大な、無数のうねる触手を引き連れた多脚型生物のごとき、顎を開いた異形の怪物の姿を。
無言で佇む巨躯に、リインはただただ息を呑んだ。
まだ生まれていなかった、異形の正体を知らぬはずの彼女でさえも、その『闇』に対し本能的な怯えを感じざるをえなかった。
魔導書を再び闇へと埋没させること。できないはずはないのだ。
そのために用意されたプログラムにも、思い至って然るべきだったのだ。
たとえ、その姿形を目にしたことがなくても、だ。
夜天を、闇へと染め上げた張本人。それこそが彼女たちの戦っていた相手であったのだから。
地響きのように、異形の喉の奥が震え。暗闇を雄叫びが満たしていく。
──闇の書の『闇』。
祝福の風は、かつてもうひとりの自分が愛する者たちのもとを去らねばならなかったその元凶と、自身自覚せぬままに対峙していたのであった。
(つづく)
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よかったら感想などー。久々にー。つWeb拍手