週半ばよりダウンしてました。

 
とりあえず支部ラジあわせで更新。今回は支部ラジのえらい人から「せっかくだからリレーでやろう」ということで投げられたこれの続き。なので←読んだ上で読むこと推奨。ちなみにまだ続くよ!!(多分)ラストは一回目を書いた本人に投げ返して全部丸投げだよ!!(酷
自分が書くと三次創作のさらに三次だから四次?六次?九次?もはやわけわからんね。
あ、ちなみにうちの話にゲスト出演してもらってるアストラ君とナカジマ家の面々の関係については設定異なってますんでー。あと↓にあげた画像はコウセさんよりいただいた更生後ノーヴェー。いやほんと、「スバギンジャケット足して2で割ったかんじで」「下半身スパッツで」なんてアバウト極まりない要求だけで頼んだのにマジ感謝。
え?だってやっぱし「ギンガ=ロングタイツ」「スバル=短パン」ときたらやっぱノーヴェはスパッツだろスパッツ。忙しい時期にラフとはいえお手数かけましたコウセさん(汗
 
>メガネも今回はなのはを警戒して準備万端ってとこですね。それにしても、まさかヴォルテールまで持ち出してくるとは。怪獣対人間は流石に無理が…プチっと踏み潰されるか、丸焼きにされそうだよ…。いや、彼女ならまた炎をバックにして「悪魔で(ry」と言いつつ立ち上がってくるのかも知れませんが(笑)
とりあえずまあ勝ち目ないですわな、ふつーなら。
 
 
はい、というわけで640が人のオリキャラを(ゲスト的にでなく)フツーに書くとこうなりますよ、というかんじに。
あ、ケインさんの作品よー知らんとかオリキャラ系NGな人は今回のところはUターンしておくれやす。
↓↓↓↓

 
 
 
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 アンスウェラー。倒れたままぶつぶつなにやら呟いている男の、その掌から零れ落ちた機体は、つまみあげて目の前まで持ってくるとそういって、ノーヴェに向かい自己紹介をした。
 
『Nice to meet you Norve apprenticeship. We hear you from Ginga Oca.(はじめまして、ノーヴェ訓練生。お話はかねがねギンガ陸曹長より伺っています)』
「ギン姉から?」
 
 そのまま突撃槍を相似縮小したかのようなデザインのそれは、つい先ほどまでの持ち主とのやりとりで見せていたのと同じように、柔らかかつ丁寧な物腰の言葉を発する。
 なんというか、うちの小生意気かつ慇懃無礼なだけのデバイスとは──……、
 
『When I was a great difference in him, you thought about an impolite thing, Now.(私とは大違いだ、などと失礼なことを考えましたね? 今)』
「……持ち主の心を読むんじゃねえ、このポンコツ
 
 最後まで思うより先に、もう一方の手に握った黒い宝石がそっけない口調で言った。
 
『Your idea is too simple.(あなたの思考が単純すぎるだけです)』
「やかましい」
 
 こちらで言い合っている間、指先で揺れる槍のデバイスは無言に状況を眺めていた。
 ひとしきり罵り合い、いつものようにノーヴェのほうが言い負かされて。むっとした顔をもう一度彼のほうへと捻ると、短くこう呟いた。
 その声色は、想像の斜め上を行く光景を目の当たりにしたような。話半分に聞いていた物事を真実に目の前へと突きつけられたが故の喜ばしくも嘆かわしくもない曖昧な驚きを含んでいるような。反応の言葉に困る受動者としての微妙な音色、そのものだった。
 
『You as a rumor it.(噂どおりなのですね、あなたたちは)』
 
 珍しいものを見た、と声そのものが言外に言っている。ノーヴェが彼の言葉に首を傾げたそのとき、一足先にシャワーを出て報告書を提出に行った二人の姉が、それぞれの長い髪と短い髪を揺らせて通路の向こうにその姿を見せた。
 
 ──ちなみに。
 
「……俺は?」
 
 もうちょっと流血したままぶっ倒れててください(天の声)。
 
 
 
〜アストラとノーヴェ アンスウェラーとサイクロンキャリバー〜
 
 
 
 山盛りのパスタは、もはや姉妹三人で食事を共にする際のお約束の食堂メニューである。
 戦闘機人であるが故かどうかはわからないが(エリオも似たような食欲だから関係ない、とはスバルの弁)、三人とも揃いも揃ってカロリー消費の激しい前衛型、しかも魔力よりも体力を大量に必要とする格闘型の戦闘スタイルだ。一人ひとり注文していてはとても食堂のテーブルなどには乗り切らないし、非経済的。ついでに面倒ということもあり、場所が108部隊だろうと特救隊舎だろうと本局だろうと、結局はいつもこの形に落ち着く。
 毎回変わるのは、皿に盛られたパスタの味の違いのみ。ちなみに今日はボンゴレ。前回はサーモンの冷製カッペリーニだったか。あれだけの量にもかかわらず、あの細い麺が絡まりもぬるつきもせず清涼感を維持したままであったというのは特筆だ。調理のやり方次第ではコシが抜けて素麺のようだと揶揄されがちな細麺が、その特性を失うことなく最後まできちんとパスタをやっていたのだから。
なんでもここまでくると食堂スタッフにも意地があるらしく、山盛りでもけっして冷えたり温くなったりしないように。大量だからと味が落ちないように、三人が揃って食堂に姿を見せた際にはいつも以上の気合が入っているとか入っていないとか。そんなわけで、ボリュームだけの大味にならず普通に、旨い。
 ただしそれに加えて、今回皿を囲んでいるのは三人だけではなかった。
 
「ふーん。そいつが前に言ってた三番目の妹ってわけか、道理で顔に見覚えがあると思った」
『Not telling of large lie,master. She might have been recognized only in features that only looks like Subaru Oca.(さらりと大嘘を言わないでください、マスター。あなたは彼女をスバル陸曹と似通ったその顔立ちだけで認識していた)』
 
 もっしゃ、もっしゃ。咀嚼音に混じり、青年の声がノーヴェの耳に届く。食べては、トングで次の塊を取り。食べながら喋っては、次のブロックにトングを伸ばす。
 非常に行儀の悪い食事作法ではあるが、両方の鼻の穴にティッシュペーパーをつめこんだ当の本人に一切、気にした様子は見られない。口の周りや鼻の頭にソースやらパセリやらをくっつけたまま、それらすべてを意に介することなく食事の反復行動を続ける。
 ……なんというか、真似出来ない。あちらが男だからとか、そういうこと以前にここまでひたすら、外聞もなにもなしに食に向かい合うなんて。自身の胃の許容量の広さを自覚するノーヴェとしても、見ていて逆に萎縮してしまう。
 アストラ・ガレリアン。医務室に連れて行くからと彼の首根っこを捕まえてあちこちぶつけながら引きずっていくギンガの後姿に説明の言葉を重ねたスバルを信じるならば、彼はノーヴェにとっては遺伝子上の母であるクイント・ナカジマ存命中の頃からのゲンヤ・ナカジマ三佐の部下でありナカジマ家の面々全員にとっての古くからの知り合い。スバルに対しての洟垂れ娘というのは昔からの呼び方らしい。また同時に、あのエースオブエースとも旧知の間柄にある、歴戦の魔導師とのことなのだが。
 まず、歴戦云々どころか行動様式そのものが成人男性のするそれとは思えない。
 
「下品ですよ、アストラ隊長」
「あん? なーに言ってんだ大食らい三人娘その1。てめーらに遠慮してたらこっちの取り分が少なくなっちまうだろうが。あ、その2はハナタレ、おめーな。その3はお前」
「……その頭の回転の速さを書類や事務の仕事にもっと回してほしいんですけどね?」
 
 注意の声を投げたギンガが、あのギンガが不躾な切り返しにこめかみをおさえてひくつかせている。その2その3と指を指されて、気にする様子もなく彼同様パスタを片付けにかかるスバル、戸惑うノーヴェ。その間にも、アストラと名乗った青年の食事のペースは止まることなく、一定のリズムを刻みつつ麺を口の中に放り込んでいく。──いや、むしろスピードアップしていないか?
 
「にしても、あいかわらずノーヴェってば喧嘩っ早いよねー。いきなり出会い頭にアストラさんに一発食らわすなんて」
『I am this feeling ,too. I want to add the word 'Consideration' to her dictionary.(同感です。彼女の辞書に思慮の二文字はないのでしょうか。まったく、書き込んでやりたいところです)』
「んだとぉ〜!? 大体なぁ……」
『Please do not open the mouth while eating. The source scatters and I am dirty.(食べながら口を開かないでください。ソースが散って私が汚れる)』
 
 首に光るサイクロンキャリバーが、面々が交わす会話の端々に皮肉めいた言い方をはさんでくる。激昂は、ノーヴェ。睥睨は、サイクロン。ある意味では主従の逆転したようなそれは、アストラというひとつの異分子が加わったとて、相変わらずのいつもの流れより変わらない。
 ただ、立ち上がって喚きかけたノーヴェの袖をひっぱるスバル以外にも、もう一人彼女たちを諌める存在が増えていた。
 
『No, Subaru Oca. The cause is a rude remark of my master.(いいえ、スバル陸曹。原因はわが主の不躾な発言にあるのです)』
「んん?」
「アンスウェラー?」
 
 アストラの狂戦士じみた食事風景から避難するようにギンガによってテーブルの隅へと置かれていたアンスウェラーが弁護に回る。一方でその主たる青年はといえば、ちらりと彼のほうを見ただけでがつがつと口を動かす作業を緩めることなく続ける。
 
「ん、なんだそりゃ。俺が悪いってことか?」
『No. However, it is the beginning that master's remark poured oil into the fire.(いいえ。ですがマスターの発言が火に油を注いだというのがそもそもの発端です)』
「火ぃ? 焼き芋でもすんのか? 芋は好きだぞ」
 
 ずずず、と副菜のスープを飲み干し、再び麺。ソースが跳んで、制服の襟元を汚す。
 
「隊長? 隊員たちが見てるんだからもう少し……」
 
 おそらく、しばし空いた間の数秒で、彼は見ていた。自分の主と、ぴかぴかに磨かれたテーブル上の、ソースや麺の切れ端やらが飛び散った隙間に映る自分と。反対側に座る赤毛の少女と、彼女の胸元の生まれて間もないデバイスとを。
 そして、また語りだす。
 
『……You and we are like what looks like mutually.(なんだか他人の気がしませんね、あなたたちとは)』
「へ?」
『What?(どういう意味でしょう?)』
 
 ノーヴェには、彼の言っていることがよく理解できなかった。それはサイクロンキャリバーとしても同様だったらしい。
 
『It is a mere soliloquy. However……(なに、単なる独り言です。ただ……)』
「ただ?」
 
 口の中のスパゲティをもしゃもしゃやりながら、スバルやギンガも彼の言葉に耳を傾け視線を注いでいる。
 
『I stops it. While eating. please return to meal.(やめましょう。食事中です。どうぞ食事に戻ってください)』
 
 けれど、ノーヴェのフォークが止まっているのを見てかそういってアンスウェラーは言葉を区切った。なんだか中途半端ではあったけれども、スバルに促され渋々腰を下ろすノーヴェ。
 首を繰り返し傾げつつも、とりあえず浅蜊のエキスのよく染み渡ったパスタを口に運ぶ。
 
「んがっ!? ……ごっ!!」
「あー、もう。そんなにはしたなくがっつくから」
 
 ノーヴェが食事を再開したのと入れ替わりに、喉に麺を詰まらせたか青い顔でアストラがフォークを落とし牛のように唸った。ばんばんと胸元を叩き、咳き込む。呆れ顔でギンガが、(おそらく)半分本気の拳でめいっぱい、背中を叩いてやる。
 その青年の脂汗とソースにまみれた顔と、テーブル上のデバイスとをノーヴェは交互に見比べてみた。他人の気がしない。彼らが、自分たちに対して?
 ま、いいか。疑問はひとまず、麺と一緒に喉の奥へと飲み込んだ。テーブルの反対側では水を求めるアストラへと、本局および108部隊隊舎内のみの限定品として新発売された某総務統括官監修『激甘!提督茶』なる水分より糖分の比率のほうが多い代物を無理やりにギンガが彼の食道へと流し込んでいた。
 
「あ、悪魔だ……デーモンがここにもう一人……」
「書類仕事全部おしつけて有給とりますよ? 厳しく接するようヴィータさんに言われてるんですから、六課に出向してたときにさんざん」
「あの野郎……ああ、ダメだ、爺ちゃんがお花畑の向こうでサムズアップを……」
 
 皿を挟んだこちら側まで、甘ったるい匂いが漂ってくる。人知を超えた甘みに苦しむ青年の姿に、こんなのが隊長でここの実戦部隊は大丈夫なのかと人事ながら、素でノーヴェは心配になった。
 そういうわけだから、アンスウェラーの言いかけて飲み込んだ言葉に対する興味も疑問も、おぼろげに心中の海の中へと溶けて消えていった。
 
──『You who should grow up a little more only even as for both or either.(二人とも。あるいはどちらか一方だけでも、もう少し大人になるべきでしょう。あなたたちの場合は)』
 
果たして、アンスウェラーの言わなかったそのアドバイスを二人が実際に耳にしていたとすれば。ノーヴェは、サイクロンキャリバーは。一体どのように受け取り、どのように感じていただろうか。
聞かされることのなかった今となっては、それは当の本人にすらもわからない。
 
そして。
 
 模擬戦、一丁やってみっか。それまでの青年の様子に驚かされ続けていたノーヴェは、更に青年の言ったその一言に驚かされることになる。
 爪楊枝で食後の歯を弄りながらの、何の気なしといった風な一言。
 ちょうどノーヴェとスバルとの模擬戦の対戦成績における勝率の話へと話題が移り、未だゼロを刻み続ける姉への勝ち星について触れられた、そんな折だった。
 どうしても、勝てない相手。青年がその単語に一瞬僅か、目元をぴくりと動かし微細な反応を見せたように思えたのは気のせいだったろうか。
 同じく一瞬、妹と手のかかる上司との戦いと聞いてギンガがいかにもなにか悪巧みでも思いついたかのように目を光らせていたことについては、間違いなくノーヴェの気のせいである。……気のせいだと思いたい、ノーヴェであった。
 
 
こちらのサイトにてつづく〜
 
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