買おうかどうしようか悩み中。

いやね、作る気力が出るかどうか疑問といいますか。
買うとしたらそりゃ武装合体ダブルオーですよ。
ん? ダブルオーライザー? いやあれはフォームアップした武装合体ダブルオーです(断言
火鳥兄ちゃんが一期のボスキャラだったしほらぴったり。

きっとこんな感じで刹那がフレイムブレスターオーライザー呼んで合体してくれるって!!
 
 
あ、そーそー。くろのとくろえのぺーじのくろのさんが先日のチャイナセイン話で一枚描いてくれてます。
 
>セドリックねぇ・・・あの頃から「自分の為に利用できるものはなんでも利用する」タイプの人間だったということか。
自分で名付けておいてアレですが、車種名よりも最近彼の名前がどうにも横浜や楽天にいた選手(バワーズ)と同じだなぁという方向で認識されるようになってきた件(汗
 
>Curtain Call最新話読ませていただきました〜!いや〜状況はどん底ですが落ちきったらあとは這い上がるだけってね!今後の展開が楽しみだ〜♪そーいや全然ユーノとか出てきませんけどCurtain Callって他の話とは独立してるんでしたっけ?最初の方が読み返せないので確認ができないのですが
え……どん底?(まだ落とす気まんまんな人)
いちお喪失辞書やnocturne等と同じ時間軸っすー。
最初のほうはこちらの保管庫からどぞー。概ね過去作は(収録漏れやらかしてなければ)→のサイドバーのカテゴリにある「保管庫」系から飛べますので。わかりにくくてすいません。
 
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んで、今日はティアナとディードのお話。
SSイクスが出る前に書き始めたやつなので『三年間の間にディードがフェイトやティアナのもとにいた時期があった』という設定を了承の上お読みいただければ幸いです。
過去分はこちら。次回で一区切り。
 
↓↓↓↓
 
 
 
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 異常は、なしか。パーカーの胸ポケットに収めた待機状態のクロスミラージュから、結局何の報告もなされなかったことに、ティアナは安堵したような、どこか拍子抜けしたような、微妙な感覚を味わう。
 
 深々とした、溜息。
 直後。
 彼女たちを乗せたボートが今流れ出てきた、人工物のジャングルの向こう側から、高々と水柱が上がった。
 
 プールの水であるはずなのに、それはまるで粘液のように重く、長く糸を引いて。
 また、生物のごとく重力にも、慣性にも従うことなく各々の求める方向へと、動いていった。


『双銃の弾道・双剣の軌跡〜ある執務官補佐の日誌から〜』
  
 SideA. Chapter5 海鳴の日(5)


「やれやれ。よりによってアリサとすずかも一緒の、このタイミングとは、ね」
 
 間が悪いというか、なんというか。
 正直なところ、あまり結界は得意なほうではないのだけれど──なんていったら、飛行訓練と平行して一から練習中のティアナに怒られるだろうか。
 座標、固定。フェイトは、バルディッシュの先端を自身の立つマンションの屋上から、部下たちと親友らのいるその方角へと向ける。
 
「……まあ、私やなのはの場合は先生が優秀だったからね」
 
 補助はアルフに任せきりだった昔に比べれば、自分なりに随分と上達したものだとは、感じるけれど。
 もう少し結界構築に彼女が苦戦するようなら、改めて紹介してあげよう、と思う。
 
 一応の面識は、あったはず。
 誰かさんの、大切な人と。かつてはその誰かさんの部下であった、ティアナと、二人の間には。
 黄金の色をした、封時結界の術式が詰まった魔力弾をプールの方向めがけて、撃ち出す。これで、こちらの作業は完了。
 
「──さて」
 
 踵を、返す。
 あとはフェイトは、ティアナとディードのふたりにひとまずのところ、任せておくつもりだった。そろそろ、ティアナに専属で部下を指揮しての実戦を経験させておく必要がある。六課でフォワードリーダーを務めていたとはいえ、それとも微妙に違うし、回数をこなしておくに越したことはない。
 
「シャーリー、二人の状況は?」
 
 だったら鷹揚にお茶でも飲みながらのんびりと構えているものだ、と、どこぞの元執務官艦長からは言われそうだった。
 けれど、通信室に控えているシャーリーにフェイトは連絡を入れる。
 執務官補の彼女は後輩二人の置かれている現況を、逐一今モニターしているはず。フェイトが、そうさせている。これからそこに、フェイトも合流する。
 
 一応、フェイトなりにティアナたちのことは信頼しているのだけれど。
 本当なら直接現場に飛んでいって見守っておきたい、という感情を抑えているあたり、心配性、と云われればそれまでだった。
 
*   *   *
 
「アリサさんっ」
 
 ディードを連れて、ティアナは急ぎ知人のもとへと舞い戻る。
 教育実習生という肩書きを持つ彼女たちは帰還した二人に顔を向けながら、自らの教え子たちの背中を押して、避難を促す作業を続ける。
 
「ティアナ、ディード。よかった、いきなり水がぬるぬるになって、噴き出して……」
「はい──多分あれ、あたしたちの探してるやつらが原因です。ほぼ、間違いなく」
「やっぱり」
 
 人々の、追い立てられてくる方向を四人、見やる。
 うねうねと波打って蠢いている大量の水というのは、見ているだけでなんともまあ気持ちの悪いものだ。
 
「いまから、フェイトさんが結界を張ってくれます。その中に取り残されないうちに、二人も避難を」
「はいはい、オッケー」
 
 結界さえ展開できれば、あとは騒動のもととなっているあの水自体が『この世界から』切り取られて存在しなくなる。
 大元がなくなれば、騒ぎもじきに収まるだろう。
 
 尤も根本的にそれを解決するには──ティアナとディードの努力次第、ということになるのだが。
 
「ただ、なーんかアレ、昔見たような覚えあるのよね」
 
 すずかの手をとって駆け出すアリサのそんな声を、耳で聞きながら。
 ティアナはポケットから、ディードは混乱に乗じ急ぎ手荷物の中からとってきた愛機を取り出す。
 
「いくわよ、ディード」
「はいっ」
 
 瞬間、場の空気が一変した。結界だ──結界が、展開された。それを二人は、肌で感じ取る。
 もう、周囲には誰もいない。それこそが、二人の感じた感覚の正体の、その証左でもある。この空間内に今いるのは──結界の魔力に対しなんらかのアクションを起こせる者だけ。
 先ほどまで多くの人が走り向かってきていた方向へ、二人は駆け出した。
 
 それぞれの愛機を、起動して。
 
*   *   *
 
 そしてそのまま、戦いに移る筈だった。だが。
 
「……?」
「ジャケットが……?」
 
 愛機は、ある。戦うための矛は二人にとってそれで充分。双銃が、双子剣が手のうちに握られている。
 しかし──盾は。自らを守るため本来身に着けるはずの防護服が、定着しない。魔力から、実体へ。そこに至る過程において何かに阻害されるように、霧散し続ける。
 二人の姿は、異変がこのプールに生じる以前と変わりなく。けっして布面積も広いといえない、戦闘に臨む装束には程遠い、水着のままだ。
 
「これは……っ!? クロスミラージュッ!!」
 
 戸惑いながらも手にした愛機に指示を出し、プールサイドを駆けるティアナに、四方から粘液の透明な先端が迫る。
 急旋回で振り切ろうとして、自身が今裸足であるということを彼女は失念していた。
 
「っ……く、この……!!」
 
 バリアジャケットであれば、いちいち抵抗係数を変動させる術式を用いなくても当初から確実に安定をさせるよう靴底にすら調整が施されている。今は、それがない。そのまま普段どおりの挙動をこなそうとして、気付かされる。
 
 足場が、悪い。広さも、水によって湿り濡れた、環境も。
 
 バランスを崩し、片手片膝をついてどうにか転倒を防ぐ。しかしそれによって生じた隙は大きい。
 粘液はまさしく、獲物を襲う軟体動物そのものだ。射撃で応戦するも、右手だけではさばききれない。何本かが生き残り、至近まで届いて──……、
 
「はああぁっ!!」
 
 二条の紅き刃の軌跡に、寸断される。
 
「ティアナ姉さま、ご無事で」
「ごめん、助かるっ」
 
 ティアナの撃ち漏らしたそれらは、ディードが斬り捨てた。
 飛行可能な彼女はティアナを抱え、その場を離脱する。彼女に抱えられる間に、無論ティアナも足場への対処は忘れない。
 
「防護服が……これは、一体?」
「それは、多分──……」
 
 ジャケットの生成ができない理由。それは。
 
『The result of the survey turned out. It rises in parts by the scattered influence of a surrounding magic density on the jacket production.(判明しました。周囲の魔力濃度が点在的に、ジャケット生成に影響を及ぼす程度にまでところどころ高密度なレベルに高まっています)』
 
 それは、クロスミラージュがたった今報告したとおり。
 
 例えるならば二つの違う色の塗料が、より濃い色に負けて同化してしまうように。その密度の濃い、周囲の大気中に散らばる魔力にジャケット生成用魔力が吸着されてしまっているがゆえの事態ということだ。発散しているのはおそらく、あの大量の粘液そのもの。
 そしてそのような魔力を撒き散らすことが出来るのは、人間業ではない。とすれば、その原因となる可能性のあるものは、ひとつ。
 
「──じゃあ、ロストロギアね?」
『Yes, Mam』
 
 確保せねばならないターゲットたちが持ち込んだそれらに、十中八九間違いはない。
 せっかくのロストロギアを使っての行動──おそらく連中は、まだこの近く……結界内にいる。
 
「どうしますか」
「……」
 
 理由がわかった以上、ある程度設定を変えればバリアジャケットの生成は可能になるだろうが、それはひとまず置いておいて。
 障害物の多く身を隠しやすい、ジャングルを模したアトラクションプールの一角へと降り立ち、ティアナは思案する。
 大量の水。大量の、魔力。
 これが上司や、元上司である火炎を操る騎士であったならばありったけの魔力とカートリッジを用い雷による電子分解や、炎による蒸発であの蠢く粘液を一網打尽にできたのだろうが。
 あいにく、ティアナには魔力変換資質はない。それはディードとても同じ。せいぜいティアナにやれるのはどんなにがんばったとしても、昏倒目的のスタンバレットに毛の生えた程度の電撃でしかない。
 
 水は、消せない。ティアナにも、ディードにも。
 
「──なんだ」
「え?」
 
 だが……魔力なら。
 
「あるじゃない、一番手っ取り早い方法が」
 
 腐るほど周囲に浮いている魔力なら、とびっきりの有効利用の方法をティアナは知っている。持っている。
 
「ディード。時間を稼いで」
「了解です」
「それと」
 
 集めればいいのだ。
 
「それと、あとのことは殆どあなたに任せることになると思うから」
 
 時間的にはまだ空も明るいし、少し早いけれど。
 いっぱいいっぱい、集めればいい。
 眩しすぎるくらいに輝く、星の光を。
 
*   *   *
 
「IS……ツインブレイズ……っ!!」
 
 二刀の剣が、ディードの手の中に舞う。刃を手にした彼女自身もまた粘液の触手に追いすがり、空を駆け、疾く縦横無尽に戦のうちに舞い躍る。
 近寄るものは斬り伏せ、無力な水滴へと変えて。自身に攻撃を集中させるための防戦を繰り返す。
 そんな彼女の、遥か後方。深呼吸を、おおきくひとつ。ティアナもまた己のすべき行動を開始する。
 
「いくわよ、クロスミラージュ」
『All right,mam. Mode3,blaze mode』
 
 星を、作り出す。周囲に浮いている、ロストロギアそのものが生み出した膨大な魔力を利用して。
 
『Starlightbreaker』
「……っ」
 
 未だ試行錯誤段階の、愛機の形態。そして技。長く伸びた銃身の、そのサイドに出現したサブグリップを保持し、ティアナはその砲口にも近い大きさの銃口を構える。銃床の部分も変形、折れ曲がり、後方へと伸びる。
 
 広く空いた銃口。そこに、光が生まれた。
 最初は、小さく。やがてその微量な輝きを中心に、瞬く光の粒子が収束をはじめていく。
 
 ──やっぱりコレ、洒落になんないわ。
 
 なにしろ、ロストロギアから撒き散らされ周囲を覆っている魔力の量である。練習中の収束技術ではさすがに、予想していたとおり身体への負担は大きく──正直、堪える。
 でも。もう少し。まだ、周りに魔力は残っているのだから。
 
「まだまだ、改善の余地があるみたいね。あたしも、あんたも」
 
 確かに。このままだと単独行動時に些かこの形態は取り回しに不便かもしれません。
 おそらくは膨大すぎる魔力量に処理を苦慮しているだろうに、感じさせない声で愛機は彼女へと応じる。
 
「そうね……でも、今はディードがいる」
 
 だから。この技を伝えてくれた『あの人』のように。
 あの人の『星さえも砕く光』ほどとはいかずとも。せめて。
 
「……せめて、星の輝きくらいは、つくってみせないとねっ!!」
 
 輝きが、膨れ上がった。それを制御するクロスミラージュの銃身もまた、ティアナの魔力の色──橙に、ひかり輝いている。
 
 さあ──……できた。
 
「ディード!! 準備、いいわよっ!! 後退しなさい!!」
 
 叫びに、ディードが振り向く。頷き、その場を離れる。
 蠢く粘液たちも、こちらに気付いたようだ。その触手を伸ばし、人工物の森の中よりそれらを狙うティアナへと猛然と迫り来る。
 
「スター、ライトォッ!!」
『Breaker』
 
 それも、これも。すべて。
 この星の光で、内に残された魔力を対消滅させる。そのどこかにあるロストロギアの機能を、強制停止させる。
 粘液を──ただの水に、戻す。
 スバルの、アブゾーブグリップの応用……両足で地面にしっかりと固定した身体が、砲撃の発射の反動に大きく揺れた。
 
 そう。この星の光は、伊達ではない。
 発射する自分が、たとえ未熟者であったとしても。
 自分自身よりも、技そのものに対する信頼は、ティアナの中でゆるぎのないものだった。
 その威力、光量に、彼女は無意識に、頷いていた。
 結局心配して見に来た、上空のフェイトがそうしていたのと、同じように。首を静かに上下させていた。
 
(つづく)
 
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