賛否両論?みたいですが。

 
視聴まだの人もいるので一応反転。
 
まああれはティアナスバルが悪いでしょう。
なのはに非があるとすれば教官としてライトニング、スターズ双方に平等に接しすぎたとこですか。そりゃ同じだけのケアならプラスアルファのフェイトがいる分ライトニングに比べてスターズのメンタル面ケアが低下しますって。
それでも基本はティアナの暴走。責任としてはティアナ:なのはで7:3くらいじゃないですかねー。
ま、なにより二人がなのはのことをなめきってたんだろうなー、と。
普段優しい人ほどいざってとき怖い。これは現実でも二次元でも鉄則。

 
と、はい。反転終わり。
以下、Web拍手レスです。
 
>エリッキャロッ!! エリッキャロッッ!! エリッッキャロッッッ!!! で、是非に、是非にいいいいいい
そーかそーかよーしよし。エリキャロに一票、と。あ、このアンケート(もどき)の意見は公表しないほうがいいんだろうか?嫌な人はその旨書いといていただければ。今更でスマン。
 
>4番目の選択肢として、今のなのゆのあまあま後日談はだめっすか・・・いってみただけですorz
なのユー後日談はエピローグ以外に不定期で多分書くとおもいますよー。
あと基本的に次の話はなのユー話の続きということで書く気でいます。
 
>やはり王道なのゆーですよね!なの×ゆーです!お体に気をつけて更新のほう頑張ってください><
ありがとうございますー。この前風邪ひいたばっかなんで多分半年ぐらいは平気な筈だ…。
 
>なのユー大好きだああああ!!! StSでなのユーがある事を願いますよ、ええ
サウンドステージも八話も、それっぽい演出ありましたし、これは期待してもいいんでしょうか?
 
>シグナム「おい、パイ食べないか?」
そのパイ生地は知り合いの喫茶店(翠屋)に練ってもらったものですか?
 
>キャロとエリオ見たいです
はい三番テーブル、エリキャロに二票入りましたー
 
 
 
うっし。んでわお待たせしました。
なのユー話、本当は最終話になるはずが収まりきらなかったということで急遽もう一話追加されて
ラスト二話扱いになってしまった第十三話(長いよ)です。
今回からアバンがつきました。
何このあのねエンド?なんて言う人嫌いです。終わってないから。
 
↓↓↓↓
 
 
 
 
  
カーテンの引かれていない窓からは、西日が差していた。
その逆光のせいで影となり、外を俯瞰するなのはの表情をこちらから窺うことはできない。
 
「……それで?」
 
けれど、彼女が笑っていないということくらいは、声だけでもわかる。
フェイトの告げた言葉の意味を理解できないほど、彼女は愚かな人間ではない。
突き放したような再質問の返事が、全てを物語っている。
 
「言った通りの意味だよ。ユーノはなのは、きみのために一族のもとへと戻ったんだ」
 
ある意味では、なのはの反応は予想通りのものだった。
フェイトの差し出した、彼の名の刻まれた書面を彼女は受け取ることなく。
彼女の言葉にも殆ど拒絶に近い態度を以って接している。
 
「本当にいいの?このままで」
 
無論それはフェイトとて、考えていなかったことではなかった。
だがそれでも、苛立ちを覚えずにはいられない。
こんなときに意地を張ったところで何も事態は好転しない。
彼女が笑っていられる結末を迎えられるなどとは到底思うことはできない。
 
共に部屋に踏み込んできたティアナとキャロに、フェイトは目配せをして退出を促す。
今はなのはと自分たちだけにして欲しい。幸いなことに彼女達二人はフェイトの意を読み取って、気にする素振りを残しながらも
音をたてぬよう注意して下がっていった。
 
開かれた扉からは、入れ替わるようにしてはやてが姿を見せる。
 
レイジングハートとなのはの絆を、守るために。ユーノはいなくなったんだよ」
 
 
魔法少女リリカルなのはStrikers −nocturne−
 
第十三話 被ることを覚えた「仮面」、砕いて
 
 
キャロ宛に送られてきた祭儀への出席依頼。
それがフェイトの中の推測と結論とを、ひとつの道に繋げてくれた。
 
「ユーノからの話を教えてくれたのは、なのはじゃない」
 
まだ自分たちが幼かったあの日。
あれはそう、この場にいる三人が正式に局に配属され、忙しい日常を送るようになったばかりの頃。
その頃はまだリインフォースは生まれる前で、三人が珍しく本局の食堂へと同じ時間に食事のため姿を見せ、そして鉢合わせした。
 
親友同士である以上、話が弾むのは自然なことで。
 
世間話の中に、ふと出た話題はそれぞれのデバイスについての話。
 
はやては構想段階だったリインの、その性格面の予測やシュベルトクロイツの一応の完成形の状況を大まかに話し。
異なる二種の装備──ザンバーとハーケンの運用に対する意見を、フェイトは二人に求めた。
 
なのはにフェイトが問うたのは、レイジングハートの出自について。
 
そういえばレイジングハートのことは詳しく聞いたことがないな、と、ふと思いついたからだった。
 
「あのお見合いの日の事件がユーノと同じ一族の人間によるものだって、もっとはやくわかっていたら」
「……」
「……わかってたなら、もっとはやくこのことを思い出してたのかもしれないけど」
 
なのは自身も首を小さく横に傾げていたことを、フェイトははっきり……とまではいかないまでも、ある程度明瞭には覚えている。
ユーノから聞かされたという彼女の話は、端的には二つで。
 
レイジングハートが、代々スクライアの一族に受け継がれてきたものであったこと。
そしてもうひとつには、それをまともに起動し扱うことのできる者が一族には、当時ユーノしかいなかったということ。
 
別に、レイジングハートレイジングハートだから。あのときのなのははそう言って笑っていた。
三人ともその頃はまだ、ひどく幼かった。故にそういうものかと、彼女の笑顔に納得してしまっていた。
フェイトにとってもはやてにとっても、またなのはを知る他の人々にとっても。
彼女の愛機といえば出会ったときから常にレイジングハート、それ以外にないものであったから。
レイジングハートを扱うのがなのはであるという当たり前の光景、それに疑問を覚えるということがなかったというのも、このことをずっと忘れていた要因のひとつなのかもしれない。
 
ただひとり、ユーノを除いてその認識は同じだったはずだ。
レイジングハートをなのはに渡したのは、彼だ。
アリサやすずかといった海鳴の人たちを除けば彼だけがレイジングハートを持たない、魔導師となる以前のなのはのことを知っている。
そんな彼でも、長らく忘れていたのだろう。レイジングハートの本来あるべき場所が、なのはの掌以外に存在するということは。
自分が持っているより遥かに上手く使ってもらえる。
常々そう言っていたのは彼なのだし、無限書庫で働き始めた彼がなのはと同じ戦場に立つこともなくなっていたのだから。
なのはとレイジングハートのコンビは二人を結び合わせた彼からしても、あまりに当然過ぎるものとなっていて。
 
その末に、あのお見合いの日を迎えた。
どちらが先で、あとなのかはあまりこの際関係がない。
 
なのははスクライアからの使者にレイジングハートを要求され。
彼は新たな指導者としての打診を受け、その際に前後してなのはに起きた事件を知らされたはずだ。
 
「……そして、選んだんだ。自分が一番いいと思った方法を」
 
打診に応じる交換条件か、はたまたその圧力をかけられる位置についたからなのか。それはわからないけれど。
一族からの依頼を、ユーノは受け入れたのだ。そして代償として、なのはとレイジングハートが今こうして共にいることができる。
 
ほんの数年間とはいえ執務官として様々な事件に接し、その推移や対策を予測、検討してきたフェイトである。
そう簡単にいく問題でもないし、そのような法的な事件とはまるで毛色が違うことももちろん承知しているが。
しかし不確実な状況証拠からの推測であり確定するものがなくとも、自分の立てた論にある程度の自信はあった。
 
それに。
 
「ねえ、なのは。まだわからないの?本当は、わかってるんでしょ?」
 
もし違っていたとしても、という打算がまた、彼女にはあった。
たとえ自分の予測が誤りであったとしても、これが二人を変化させるきっかけになってくれれば。
 
言葉を選びながら、そのように願いながら。彼女は親友に訴えかける。
 
*   *   *
 
──わから、ない?何を言ってるの?
 
親友の声のトーンは、ひどく低く抑えられていた。
悲しげに。そして、諭すように。
 
胸の奥のどこかにある心の表面が、ざわざわと乱れていくのが自覚できた。
 
彼女から聞かされた言葉で既に波はけっして穏やかでなかったというのに、より一層。
 
「このままで、いいの?」
「!!」
 
もしかすると自分にはその声が、哀れんでいるように聞こえたのかもしれない。
 
「知った風なこと、言わないでっ!!」
 
自制する間もなく、何故だか頭に血が上っていた。
 
「いいとか……悪いとか……もう、そんな段階じゃないでしょ!?」
 
感情のままに声を張り上げるなんて、いつ以来だろう。
自分のことともなれば、なおさら。
 
「わたしに、どうしろっていうの!?何ができるっていうの!?」
 
きっとスバルたちが見ていたら、驚かせてしまっていたことだろう。
こんな姿、教え子達に見せるわけにはいかないから。
 
フェイトとはやて、二人の前だからこそこんなに感情的でいられるのかもしれない。
 
「わたしはもう、お見合いしちゃったんだよ!?ユーノくんのこともなんにも考えずに!!」
「なのは……ひょっとして」
「もう……行けない。行っちゃいけないよ、きっと……」
「そんなことない」
 
自分の中にある気持ちに気付いたとき、どうすればいいのかわからなかった。
それでもひとつだけ確かだと思ったのは、自分が裏切っていたということ。
ユーノではなく、自分自身が持っていたその気持ちを。
 
そして推測とはいえユーノの行動の意味を知らされた今、その意識はより一層強いものとなっている。
 
今更、自分にどうこうできる資格なんて、ない。
ハッとした表情でフェイトの向けてくる言葉も、耳に入らない。
 
「そんなことないよ、なのは。やっと本当のこと、本当の気持ち。話してくれたんでしょ?だったら」
「違う!!もういいの!!」
 
自分はもう、期待なんてしていない。しちゃいけないんだ。
自分自身の気持ちを裏切り続けておいて、今更。
 
「だったら、ユーノはどうなるの?」
「え?」
 
友の声が突然に、突き放すような色に変化していた。
虚を突かれた形で、思わず振り向く。
 
そこに待っていたのは、非難と確認の意志とが交じり合った目。
厳しいその視線に見据えられ、二の句を継げずなのはは黙り込む。
好機とばかりに親友は、言葉をまくし立てていく。
 
「自分の好きな仕事も、研究も捨てて。そうまでしてなのは達のことを守ってくれたユーノの気持ちは、どうなるの?彼がそうした理由や気持ちは」
「……それ、は」
 
だからこそ、それに従おうとしているのではないか。
そう反論しようと口を開きかけるも、何故だか言葉が出てこない。
ただの口答えに過ぎないことを、自分自身わかっているからだろうか。
 
*   *   *
 
──こん、こん。
 
窓を、外から小さく叩く音がした。
 
自分たちだけの世界に入り込んでいた心中から我に返り、三人分の視線がそこに注がれる。
再び叩かれた窓の音にようやくはやてが近付き、そこを開け放つ。
 
「フリード!?」
 
飛び込んできたのは、小さな白い影。
あちこち泥と土埃に汚れたその身体が、カーペットの上に転がる。
 
三人揃って駆け寄るも、何事もなかったかのように白き竜の子は頭を持ち上げた。
 
「一体どうしたの?こんなに泥だらけになって。キャロ、心配してたんだよ?」
「キュ」
 
フェイトの問いも、無視し。
竜はなのはに、擡げた首の先、口元に銜えたなにかを差し出す。
 
「……あ?」
 
それは、彼と同じく随分と汚れきっていた。
ほんの数十センチほどの長さのあちこちには綻びが生じ、ボロボロの状態に等しい。
本来の緑色も、風雨に晒されたのかくすんでしまっている。
 
「これ……そんな」
 
それは。
 
「これも……なの?ユーノくんは……」
 
このような状態にあってなお、全体から消えることのない彼の魔力の残り香を感じ取ることのできるそれは。
 
もうひとつは今、なのはの髪を左で結い上げている。
彼の魔力の光そのものの色をしたリボン。
 
かつてなのはが贈った。二人で分け合ったリボンだった。
 
「フリード……ユーノくんの魔力、憶えてたんか?」
「キュ?」
 
はやての問いに、子竜は首を傾げる。
おそらくは、意識せずに身体が動いたのだろう。
感じたことのある魔力を感じ、本能に従ってそれをフリードは追いかけた。
 
「なのは」
「そんな……」
 
彼が捨てなければ、フリードが拾ってくることもなかった。それが現実。
言葉を投げかけられるだけでは埋まらなかった「なにか」が、なのはの中で埋まったような気がした。
 
「……やだ……」
「え?」
「こんな……やだよ……」
 
しゃがみこんだ身体が、震えていた。
寒くも、怖くもないのに。
全身が震えて、とまらない。
 
これは、違う。
こんなの、我慢できない。耐えられない。
 
ただ、離れるだけじゃない。
好きな人の中から。大切な人の中から自分がまったく、いなくなってしまうなんて。
 
自分はこんなもの、受け入れていない。
 
*   *   *
 
「……」
「……なのは」
 
フェイトは、はやてと顔を見合わせた。
 
頷きあい、意を決して二人、なのはの肩を抱く。
 
「なのははもっと、自分に我侭になっていいと思う」
「フェイト……ちゃん……?」
 
やっと正直な、ありのままの己の気持ちを発露させた親友を、やさしく包み込むように。
「いやだ」、彼女はそう言った。それで、いいのだと思う。
 
「嫌なもんは嫌、好きなもんは好き。それでええんよ。好きなんも嫌なんも、もっと素直に気持ちに従ったらええ」
 
もっと、単純に考えていいのだ。
自分を無理に納得させる必要はない。
はやてがそっと、なのはの背中を摩ってやる。
 
彼女の震えは次第に一定の間隔を置くようになり。
代わりに伏せられた顔からは、切れ切れの嗚咽が漏れ聞こえてくる。
 
「なのはは、どうしたい?それだけ、聞かせて。何にも考えなくていい、今の純粋な気持ちを」
 
雫が、カーペットを濡らしていく。
フリードも心配げに、三人の足元から彼女の顔を覗き込む。
 
「人の心なんて、誰も縛られへん。思うのは誰も何でも自由やから。な?」
 
嗚咽で乱れた呼吸を整えようと、彼女の肩が大きく上下する。
暫しの間を、二人はフリードと共に待つ。
 
一時間でも、一日でも。いくら待っても構わなかった。
友達だから、力になりたかったから。
 
なのはとユーノ、どちらに対しても。
 
「わた、し……は」
 
たどたどしい口調が、ようやくにか細く発せられる。
 
「わたし、は──……」
 
どんな結論でもいいと思っていた。
彼女が自分を「納得させる」のではなく、自分が「納得できる」ものであるならば。
そう考えれば、自ずと答えはひとつなのだから。
 
二人は彼女を、急かさない。
その耳はやがてどちらも、彼女の切れ切れになって吐き出された告白を聞いた。
 
(つづく)
 
− − − −
 
よかったらおしてやってください。つWeb拍手