FNMに参加したりしてます。

 
 カードゲームのお話。
 このところ、数年ぶりにスタンダード環境でMTGのデッキを組んでしまいました。
 いまのところ、
 
 青白タッチ黒緑ライブラリー破壊
 緑白上陸
 緑単エルフ

 の三つ。これにあと今組みたいのは赤単だったり青単だったり。
 ただ十年来のステロイダー(緑赤使い)としては緑赤を組むのにいまいち琴線に触れるものが少ないのがやや残念。クリーチャーとか見回してもむしろストンピィ組みたくなってくるラインナップなので。
 
拍手へのレスー
  
>レイハの元になったスクライアの宝のダイムですね
ですねー。もともとのやつはその設定ですー。forgetmenotと、辞書以降の作品は一種パラレルワールドなので、設定いじってもってきてみました。
 
>この小説のせいで俺の睡眠時間は3時間。ひゃっはぁ!!・・・・・・俺自重
いや、そこは寝てください(汗
 
 
ではでは、続きを読むからカーテンコール最新話ー
 
↓↓↓↓
 
 
 
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 身体が、軽い。普段実感をしていないつもりであったけれど、やはり能力限定があるとないとでは根本的に感覚、それ自体が違う。
 これなら、問題はない。
「ああ──……そうとも」
 数をたよりの、ガジェットなど。
 ノーヴェたち四人を行かせ独りとなって、なおお釣りが来る。
「これでも、私もギンガと同じく『姉』だからな」
 飛来する、光条。たん、と足元の構造材を踏み切り、中に舞いそれを避ける。
 身に纏ったコートが、銀髪が。風に散り広がる。──同時、刃の描く軌跡も無数に。チンク自身を取り囲むガジェットの機体、その数と同じく。
ひとつたりとて外しはしない。それほどに、ナイフを投げるその腕をなまらせているつもりはない。タイトミニのバリアジャケットの外套に着込んだシェルコートと同じく改良の施されたスティンガーを確実に、当てていく。
そして。
 着地直後、突き出した。投擲でなく、愛用のナイフを手にしたそのまま。
 眼前には球形をした大型のガジェットが、反応する間もなく、中央のメインカメラを貫かれて。
「──……『ランブルデトネイター』」
 右手で、そうした。空いている左の指先を──チンクは軽く、打ち鳴らした。
「妹たちの背中くらい、守れるさ」
 右腕の先で。周囲の四方で、集約されたエネルギーがガジェットたちを爆発させる。
「やれなくては、困る。姉上だけに、妹たちだけにばかりはなおさら──任せてはおけない」
 黒の革手袋の先についた煤を払い、チンクは振り返った。
「……?」
 その先に、見る。
 ガジェットの残骸以外、『なにもない』そこを。
 なにも……ない? まさか、そんなはずは。
 チンクは、歩み寄る。違和感を覚えた、その位置へと。
「フェイトお嬢さま……いや、執務官とギンガが? いや、たしかにトーレはその通りだが──……」
 黄金の閃光に敗れた、蒼い戦闘服の所在は確認している。
 間違いなく。ある意味ではそれは不本意なことだが、たしかに拘束されこちらの母艦に収容されているはず。
「これは」
 いないのは、その『姉』ではない。
 あるはずの場所にない、行方の知れぬのは『3』でなく『2』。
「まさか──ドゥーエ。内部に、戻ったのか?」
 あったはずの足許に膝を曲げ、チンクはそこに赤を見る。
 点々と滴る赤が続く。それを視線に追う。
「邪魔を」
 ──血。指先を、血痕の側になぞらせる彼女を、再びガジェットの群れが取り囲んだ。
「邪魔を──するな」
 隻眼が睨むと同時、それらも数瞬前の機体群の後を追った。
 突き刺さり、粉砕するのは無論チンクの手より投げ放たれた同数のスティンガー。睨みつけて、破壊して。視線は再び血痕へ。残骸にはもう、一瞥もくれてなどやりはしなかった。
 瞳とともに、心も。
 そしてそちらは姿を消した姉にではなく、駆け抜けている四人の、妹たちへと。
 
 
魔法少女リリカルなのはstrikers 〜Curtain call〜
 
第四十七話 止まぬ、止めぬ前進のなかで
 
 
 爆発。──撃ち抜かれた壁面から立ち昇る煙をまっすぐに切り裂いて、紅い閃光が一筋に伸びてゆく。
 その上に、躍り出る。それを、追う。
 ひとつと、三つそれぞれに。つまり、『四人が』。
「どけえぇぇェッ!!」
 右腕にガンナックルを、左腕にリボルバーナックルを。そのツインナックルを装備したノーヴェが先頭をひた走る。
 AMFが濃い──ゆえに光の道をウイングロードからエアライナーへと切り替え、迎撃のガジェット群の只中に突破口を刻む。そのナンバーズ1とも称される強力な突破力で、こじ開ける。
 そのあとに、ウェンディが。オットーが。ディードが続く。
「オットー!! 動力炉までの距離は!?」
「あと、3000。もうすぐ、四型たちが迎撃に出てくるはず」
「上等ォッ!!」
 それはまさしく、ひとつの『道』がそこに存在しているかのように。
 揺らがない。四人の進攻は、止まることない。
「──ただ。辿り着いたとして、動力炉はかなり堅牢な装甲と障壁に覆われてる。壊すのも止めるのも、正直至難だと思う」
 側面からつっこんできた一機を、ウェンディがライドボードのエッジを刃にして突き立て、切り捨てる。
「記録上は……当時機動六課に所属していたヴィータ教導官のリミットブレイクでの継続打撃により、どうにか破壊」
ヴィータって、あのヴィータさん? マジッスか、それ?」
「そう。「その」ヴィータ教導官だ」
「……」
 JS事件後にその人となりをよく知るようになった小柄な人物を四人同時に、想像する。
 また、その実力も。──彼女のリミットブレイクフォーム……破壊に必要とする威力の絶大さの認識も、そこから容易だった。
 ウェンディは、ひゅうと短く口笛ひとつ。ディードは考え込むように、無言となってオットーの言葉を受け止めて。
「……それで? アタシらで破壊する算段はできてんだろうな? 行かせたギン姉たちも、来た以上はオットー、お前も」
「ノーヴェ」
 そしてこの中で一番上であるノーヴェはただ、振り向かず前を見ていた。
 ガンナックルを撃ち鳴らし、リボルバーから生み出すシールドで防ぎきる。その繰り返しを、繰り返す。
「──もちろん」
 彼女の言葉に、オットーは頷いた。
「言えよ」
「かなり……無茶してもらうよ?」
「さっきも言ったろ、上等だって」
 しかし、逡巡するように。オットーは言葉をしばし止めた。
 やがて再び、末の双子のその兄──姉は、一番上の姉へと口を開いて。
「言葉だけは月並み。一番脆弱な箇所への、タイミングをあわせての同時攻撃、これしかない」
「──それだけか?」
「いや。その上で、僕らの火力でヴィータ教導官と同等の瞬間破壊力を生み出すには──……」
『ちょっと待った』
「ディエチ姉さま?」
 声が、割り込んだ。それもまた、彼女たちの姉。
『その数と火力には。あたしも、入ってる?』
 
*   *   *
 
 その、戦闘機人たちの進む様を。
 また、己が刃によって貫かれ床面へと縫い付けられた魔導師を、彼女は見つめている。
 ゆりかごの各所に設けられた各種センサー類を、目として。
 眼前の、幼きエースオブエースを見るのとはまた、異なる視線に収めている。
 ……否。それもまた、直接『見ている』わけではない。
 本来のエースオブエースは成人をした女性であり、今そこにあるのはイメージの世界での、彼女の幼き日の模造に過ぎないのだから。
 その、少女の姿と。
 それら、少女たちの立ち向かい、あるいは傷つく姿とに、ダイムは思う。そして、問う。
 すっと、右手を前に。
 ひとりの少年の姿を、顕現させて。──無論これもまた、幻影。
「ユーノくんっ!?」
 あなたは、この少年のもたらしたものに。まったくの未知、危険に。「どうして、立ち向かえたの」?
 疑問とともに移り変わる幻影は、今度は金髪の少女へ。
「フェイトちゃんっ!!」
 ──かなわない。強い相手に。なぜ、「立ち向かい続け」られたのか。
 諦めずに、いられたのか。
 幻影を幻影と気付かぬ少女に、無言のままその問いを視線として投げかける。そして。
ヴィヴィオっ!!」
 聖王に対してすら、どうして。
 あなたも。あの、戦闘機人たちも。
 どうしようもないはずのことを、受け容れるしかないはずのことをどうして、打ち破ろうとできる。──できるのだっ?
「お願いします、レイジングハートの主よ。私に、教えてください」
 あのときも──PT事件、そう呼ばれる事件でも。
 また、あのときも──闇の書事件や。
 そして、また──JS事件において。
 なにより、今このとき。
 あなたや、あの子たちはどうしてこんなにも──……、
「どうして、立ち向かえるのですか」
 黒マントの幻影が。黒き翼のイメージが。聖王の姿の現し身が、エースへと襲い掛かる。
 本来よりずっと小さなその肉体に、害意が降り注ぐように。
 本来、もはやくぐり抜けたはずのそれら困難が一層、彼女に苦痛を与えんと。
「どうして」
 煙の中に消えて、それでも──やはり、彼女は立ち上がる。
 瞳に強く、光宿したまま。
 彼女だけでは。『高町なのは』だけではない。ここゆりかごに集いし、『立ち向かう者たち』は皆。
 黒き神の竜に挑む、母と子、そして二人の騎士や。
 墜落せし白竜の傍ら、精魂尽き果てるまで死力を尽くし、しかしそれでも立ち上がる竜騎士と、駆け寄る少女の瞳と。
 ガジェットドローンの大群の間を駆け抜ける四人もまた、それらすべてが同じく。
「どうして、あきらめないのですか」
 輝く光は、ひとつ。
 あきらめないこと。立ち向かうこと。その意志の光を、爛々と燃え上がらせ、行動に繋げていく。
「王は。主は──諦めねばならなかった。受け容れなければならなかったというのに」
 兄と妹、その家族であるということも。
 ひとりの少女であるということを、王の座に座らんがため、座らなければならなかったがため、自らの手を血で汚し、自らの心の奥底へと疑問すら封じ込めて、諦めを始点に、進み続けなくてはならなかったのに。
 王ですら、そうなのに。もっと、ずっと脆い存在であるはずのあなたたちが、彼女らが。どうしてなのだ。
「……そう、だね」
 ──そして、またひとり。いや、ふたり。……三人。
 目の前の、彼女も入れれば。
「辛くって。きつくって。諦めたり。ひょっとしたら転んだり、迷ったりするかもしれない。……ううん、だれだって、きっといつだって」
 王の制圧した空間に響き渡った叫びを、ダイムはここにない聴覚で耳にした。
 発するのは絶叫。呼ぶのは、名前。
 自分と相対しているエースオブエースの、その教え子たちの、一人からもう一人へと放たれた、叱咤の烈爆だった。
 そう、『スバル』──幻影の射撃手の叫びが空気を切り裂いた次の瞬間、ひたすらに大きく見開かれた瞳を、今度はダイムは知覚することになる。
「王さまだって、そうなっておかしくない。誰も責められないよ。だけど」
 玉座の間で、それが起こった。
 つまり本来、エースオブエースの肉体と、ダイムが機体の存在すべき場所。
 そこで、輝きが宿った。そして、膨れ上がった。
「小さくても、大きくても。それをどうするか。どうしたいかを決めるのは結局、自分自身なんだ」
 ダイムもまた、その瞬間目を見開いていた。
 足許で力尽き、刃に貫かれ倒れた魔導師が、活動を再開し聖王にそうさせたように。
 スバル・ナカジマの両目に舞い戻った光が、聖王・ノアに驚愕を与えたのと同様、煙の向こうから現れた少女の姿はダイムに、問いと戸惑いとを与えていく。
「教えて。あなたは、どうしたい」
 ボロボロのその姿は、九歳児の体格でありながら何故だか、エースオブエース本来の体躯と同じであるかのように、ダイムの神経を威圧した。
「諦めようとしている聖王に。あなたは、どうしたい?」
 そういって少女の言葉が放たれたのは、聖王の四肢へと無数のバインドが絡みついたのとまったくの同時刻であった。
 黒き刃が引き抜かれた刹那、蒼き魔導師から。
 また、頭上から。すなわち、上下から。
 光が噴き上がり、あるいは降り注ぎ、聖王を飲み込んでいった。
 ダイムは知っている。
 どちらも。
 スバル・ナカジマティアナ・ランスター、二人の放ったそれらはともにエースより継がれし戦技に他ならない。
 エクセリオンバスター。そして、スターライトブレイカー
 目の前で不敵に微笑む少女の、その技だった。
 
(つづく)
 
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